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第十三集
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徐有容は光海に戻って来られたと喜んでいたが、
「どこから入って来た」と怒鳴ら自分が不法侵入してることに気づいた。慌てて部屋を出て行こうとしたが、またもや 徐有蓉さんと間違われてしまった。それでも、なんとか別人だと証明できた。驚いたのは、この部屋の住人の男の人は何故か俊豪さんのことを知っていたことだ。
「私さっきまでその時代に居ましたから」
そう答えるとひどく驚いて身を乗り出して来た。
「なっ、何だって!だったら、向こうであった事を全部話せ」
沈天祐は向こうの捜査状況が気になって話を促した。
(俊豪は真相に辿り着いたんだろうか?)
娘がペラペラと自分の身に起こった話を聞いて天祐は驚愕した。
この娘は本当に東岳国に居たんだ……。
話を要約すると、気を失って目を覚ますと東岳国に居て、本物の徐有蓉と間違われて、取り調べを受けて別人と分かったらしい。
(その担当が俊豪だったと言う事か)
隔離されていると急に息が苦しくなって気付いたら光海に戻っていた。
「………」
ほんの半時前までは私の知っている徐有蓉が居た。しかし今は私の知らない徐有蓉が座っている。徐と同じ顔で眉目清秀だ。だが、その印象はまるで違う。焼き尽くす太陽と癒しを与える月。そんな感じだ。
話を総合すると何かがきっかけだが知らないが身体が入れ替わったらしい。 しかも二度、時代を行き来している。自分が経験して居なかったら到底信じられない話だ。
つまり、本物の徐有蓉は元の世界に逃げた事になる。それなら徐の態度が豹変したのも頷ける。
「それが全てか?」
「はい」
自分も東岳国から来たことを考えれば頷ける。だが、二つの時代を行き来できることなど可能なのか?
やはり、言葉だけでは納得できない。天祐は確かめようと娘の肩を持つとこっちを向かせた。
「……お前が東岳国から来たという証拠はあるのか?」
「証拠ですか?……」
3の5
目の前に居る男にそう言われて有容は証拠になる物は無いかと体をさわって探していると、服が現代的なものに戻っていること気付いた。と言う事は体だけ入れかわったんだ。
切れそうなほど細いストラップに繊細なレースが胸を覆っている。貧乏な私がこんな高級そうなブラ……。そこで初めて自分が下着一枚なのに気付いた。はだかだ。恥ずかしさに顔が真っ赤になる。
男の人の前ではだかになってる!
「キャー」
「なっ、何だどうした?」
「こっ、来ないでください!」
胸をかくしてしゃがむと、落ちているブラウスを拾った。そして、男の人に背中を向けて着ようとするが、あわてているせいか上手く袖が通らない。普通のブラウスじゃない。肩から腕に沿って切れ込みが入っいる。
「なっ、どこがから入れればいいの」
「………」
あせればあせるほど腕が変な所へ行く。
どうしよう……。このままだと私……私……。
「ジッとしてろ」
男の人の声にギクリと固まって居るとブラウスをうばわれた。目の前が真っ暗になる。
(わっ、私……こんな形で初体験をするの?)
嫌だ。私にだって夢はある。貧乏な人でも、年の離れた人でもいい。 私を殴らない人と結婚したい。
ブラウスをうばい返そうと肩を動かすと、ふわりとブラウスが掛けられた。
(えっ?)
「腕」
胸を片手でかくしてすなおに腕をのばすと、そこにブラウスの袖が通る。
「反対側」
ぶっきらぼうなもの言いだけど手つきが優しい。良かった。着替えを手伝おうとしてくれてただけだったんだ。
(当たり前だ。私なんかじゃ その気にならない)
「後は自分でしろ」
前のボタンをはめてブラウスの裾をスカートに押し込んだ。首までボタンがしまってるのを確認してからふり返った。これで大丈夫。
3の6
娘が着替えるのを待ちながら、突然の事なんだから何も持って来られなかったはずた。
逆に持っている方が怪しい。
はっきりと徐有蓉と違うと言う証拠が欲しいと思ったが、これ以上追及しても答えが出そうにない。自分で抜いだくせに、赤くなったり、青くなったり。大胆なのか無邪気なのか、やれやれと首を横に振った。
どちらにせよ。まあ、俊豪の名前を知っている事を考えれば向こうの時代に居たことは間違いない。
「……えっと……証拠でしたよね」
「それはもう良い。分かった」
「えっ?」
男に人が、もういいと手を振る。
さっきと態度が違う。私が別人だと納得してくれたんだろうか?
盗み見ると男の人があごに手をやって考え込んでいる。よく分からないが気が変わる前に出て行こう。今がチャンスだ。壁に体を貼り付けて男の人の後をそろりそろりと、視界に入らないように後ろにまわった。しかし、いざ出て行こうとしてふと気になった。
この男の人は誰なんだろう? なぜ俊豪さんを知ってるんだろう?
あっ! 俊豪さんって歴史的に諸葛孔明みたいに有名人とか?
もう一つ気になるのは、この男の人が向こうと言っていた事た。もしかして私と同じようにタイムトラベルしてるんだろうか?
だから、私の話を簡単に信じた? ありえる話だ。そうだ。本物の徐有蓉と言っていた。
じゃあ、向こうの時代の人?
徐有蓉を追ってこっちの世界に来たんだ。だから名前を知ってるって言う事?
じゃあ、俊豪さんの部下? その事が気になる。この男の人に聞けば私の身におこったことが分かるかもしれない。聞くのは緊張する。でも、知りたい。
3の7
「はぁ~」
どこまで捜査が進んでいるか知りたかったが大した情報は無かった。娘と入れ違いで本物の徐有蓉は向こうの時代に戻ったなら、私にすることは無い。この時代で気を揉んでも何にもならない。後は俊豪に任せるしかない。やる事が無くなって何だか気が抜けてしまったな。そんな事を考えていると娘が話しかけてきた。
「あの~……」
「何だ?」
「あなたは誰なんですか? 俊豪さんと同じで向こうの時代の人なんですか?」
そう言えば互いに何者なのか言っていなかった。
「自己紹介がまだだったな。私は沈天祐だ」
「えっ、沈天祐!?」
そう言うと娘が目を見開いて 私を見てきた。
そこには驚き 以上の何かがあるようだった。だが、どうして私の名前を聞いて驚くんだ? 現代の歴史の本に俊豪同様、私の名前は無い。だから、知りようがないのに……。
「もしかして……若渓さんのお兄さんの天祐さんですか?」
「えっ!?」
(どうして妹の名前を……)
不思議そうに首を傾げる娘を見て思いもよらぬ偶然に目を見張る。向こうであったのは俊豪だけではなかったのか?
私に向ける顔は嘘を付いている風でも無い。素だ。では、この娘は本当に自分と同じように向こうから帰って来たんだ。その言葉に時代を行き来できると確信した瞬間だ。
「何だ。妹とも知り合いだったか?」
妹の名前に自然と笑みが浮かぶ。きっと今頃心配しているだろう。
元気にしているだろうか?
3の8
「はい。お世話になりました。お菓子とかも出してもらったりして」
若渓さんの名前に笑顔になったのを見て有蓉はちょっぴり、羨ましかった。
私にも兄弟がいたら良かったのにと思った。
(この人が若渓さんのお兄さんか……)
こうして見ると何処となく似ている気がする。それにしても、まさかこっちの時代で若渓さんのお兄さんに会えるとは、こんな偶然もあるんだ。そういえば 俊豪さんたちにお礼の一つも言えなかった。 それほど急に……。
あれ!?
何か忘れてる気がする。
(向こうの時代で誰かに首をしめられていた。それで……)
その時、感覚を思い出すように無意識に自分の首をさする。答えを探すように目の前に居る天祐さんを見てハッとした。指の触れる感覚に、はっきりと自分が何をされたか思い出した。そうだ。この男は私の首を絞めてを殺そうとしていた見えない犯人だ。
「こっ、こないで!」
「どこから入って来た」と怒鳴ら自分が不法侵入してることに気づいた。慌てて部屋を出て行こうとしたが、またもや 徐有蓉さんと間違われてしまった。それでも、なんとか別人だと証明できた。驚いたのは、この部屋の住人の男の人は何故か俊豪さんのことを知っていたことだ。
「私さっきまでその時代に居ましたから」
そう答えるとひどく驚いて身を乗り出して来た。
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沈天祐は向こうの捜査状況が気になって話を促した。
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娘がペラペラと自分の身に起こった話を聞いて天祐は驚愕した。
この娘は本当に東岳国に居たんだ……。
話を要約すると、気を失って目を覚ますと東岳国に居て、本物の徐有蓉と間違われて、取り調べを受けて別人と分かったらしい。
(その担当が俊豪だったと言う事か)
隔離されていると急に息が苦しくなって気付いたら光海に戻っていた。
「………」
ほんの半時前までは私の知っている徐有蓉が居た。しかし今は私の知らない徐有蓉が座っている。徐と同じ顔で眉目清秀だ。だが、その印象はまるで違う。焼き尽くす太陽と癒しを与える月。そんな感じだ。
話を総合すると何かがきっかけだが知らないが身体が入れ替わったらしい。 しかも二度、時代を行き来している。自分が経験して居なかったら到底信じられない話だ。
つまり、本物の徐有蓉は元の世界に逃げた事になる。それなら徐の態度が豹変したのも頷ける。
「それが全てか?」
「はい」
自分も東岳国から来たことを考えれば頷ける。だが、二つの時代を行き来できることなど可能なのか?
やはり、言葉だけでは納得できない。天祐は確かめようと娘の肩を持つとこっちを向かせた。
「……お前が東岳国から来たという証拠はあるのか?」
「証拠ですか?……」
3の5
目の前に居る男にそう言われて有容は証拠になる物は無いかと体をさわって探していると、服が現代的なものに戻っていること気付いた。と言う事は体だけ入れかわったんだ。
切れそうなほど細いストラップに繊細なレースが胸を覆っている。貧乏な私がこんな高級そうなブラ……。そこで初めて自分が下着一枚なのに気付いた。はだかだ。恥ずかしさに顔が真っ赤になる。
男の人の前ではだかになってる!
「キャー」
「なっ、何だどうした?」
「こっ、来ないでください!」
胸をかくしてしゃがむと、落ちているブラウスを拾った。そして、男の人に背中を向けて着ようとするが、あわてているせいか上手く袖が通らない。普通のブラウスじゃない。肩から腕に沿って切れ込みが入っいる。
「なっ、どこがから入れればいいの」
「………」
あせればあせるほど腕が変な所へ行く。
どうしよう……。このままだと私……私……。
「ジッとしてろ」
男の人の声にギクリと固まって居るとブラウスをうばわれた。目の前が真っ暗になる。
(わっ、私……こんな形で初体験をするの?)
嫌だ。私にだって夢はある。貧乏な人でも、年の離れた人でもいい。 私を殴らない人と結婚したい。
ブラウスをうばい返そうと肩を動かすと、ふわりとブラウスが掛けられた。
(えっ?)
「腕」
胸を片手でかくしてすなおに腕をのばすと、そこにブラウスの袖が通る。
「反対側」
ぶっきらぼうなもの言いだけど手つきが優しい。良かった。着替えを手伝おうとしてくれてただけだったんだ。
(当たり前だ。私なんかじゃ その気にならない)
「後は自分でしろ」
前のボタンをはめてブラウスの裾をスカートに押し込んだ。首までボタンがしまってるのを確認してからふり返った。これで大丈夫。
3の6
娘が着替えるのを待ちながら、突然の事なんだから何も持って来られなかったはずた。
逆に持っている方が怪しい。
はっきりと徐有蓉と違うと言う証拠が欲しいと思ったが、これ以上追及しても答えが出そうにない。自分で抜いだくせに、赤くなったり、青くなったり。大胆なのか無邪気なのか、やれやれと首を横に振った。
どちらにせよ。まあ、俊豪の名前を知っている事を考えれば向こうの時代に居たことは間違いない。
「……えっと……証拠でしたよね」
「それはもう良い。分かった」
「えっ?」
男に人が、もういいと手を振る。
さっきと態度が違う。私が別人だと納得してくれたんだろうか?
盗み見ると男の人があごに手をやって考え込んでいる。よく分からないが気が変わる前に出て行こう。今がチャンスだ。壁に体を貼り付けて男の人の後をそろりそろりと、視界に入らないように後ろにまわった。しかし、いざ出て行こうとしてふと気になった。
この男の人は誰なんだろう? なぜ俊豪さんを知ってるんだろう?
あっ! 俊豪さんって歴史的に諸葛孔明みたいに有名人とか?
もう一つ気になるのは、この男の人が向こうと言っていた事た。もしかして私と同じようにタイムトラベルしてるんだろうか?
だから、私の話を簡単に信じた? ありえる話だ。そうだ。本物の徐有蓉と言っていた。
じゃあ、向こうの時代の人?
徐有蓉を追ってこっちの世界に来たんだ。だから名前を知ってるって言う事?
じゃあ、俊豪さんの部下? その事が気になる。この男の人に聞けば私の身におこったことが分かるかもしれない。聞くのは緊張する。でも、知りたい。
3の7
「はぁ~」
どこまで捜査が進んでいるか知りたかったが大した情報は無かった。娘と入れ違いで本物の徐有蓉は向こうの時代に戻ったなら、私にすることは無い。この時代で気を揉んでも何にもならない。後は俊豪に任せるしかない。やる事が無くなって何だか気が抜けてしまったな。そんな事を考えていると娘が話しかけてきた。
「あの~……」
「何だ?」
「あなたは誰なんですか? 俊豪さんと同じで向こうの時代の人なんですか?」
そう言えば互いに何者なのか言っていなかった。
「自己紹介がまだだったな。私は沈天祐だ」
「えっ、沈天祐!?」
そう言うと娘が目を見開いて 私を見てきた。
そこには驚き 以上の何かがあるようだった。だが、どうして私の名前を聞いて驚くんだ? 現代の歴史の本に俊豪同様、私の名前は無い。だから、知りようがないのに……。
「もしかして……若渓さんのお兄さんの天祐さんですか?」
「えっ!?」
(どうして妹の名前を……)
不思議そうに首を傾げる娘を見て思いもよらぬ偶然に目を見張る。向こうであったのは俊豪だけではなかったのか?
私に向ける顔は嘘を付いている風でも無い。素だ。では、この娘は本当に自分と同じように向こうから帰って来たんだ。その言葉に時代を行き来できると確信した瞬間だ。
「何だ。妹とも知り合いだったか?」
妹の名前に自然と笑みが浮かぶ。きっと今頃心配しているだろう。
元気にしているだろうか?
3の8
「はい。お世話になりました。お菓子とかも出してもらったりして」
若渓さんの名前に笑顔になったのを見て有蓉はちょっぴり、羨ましかった。
私にも兄弟がいたら良かったのにと思った。
(この人が若渓さんのお兄さんか……)
こうして見ると何処となく似ている気がする。それにしても、まさかこっちの時代で若渓さんのお兄さんに会えるとは、こんな偶然もあるんだ。そういえば 俊豪さんたちにお礼の一つも言えなかった。 それほど急に……。
あれ!?
何か忘れてる気がする。
(向こうの時代で誰かに首をしめられていた。それで……)
その時、感覚を思い出すように無意識に自分の首をさする。答えを探すように目の前に居る天祐さんを見てハッとした。指の触れる感覚に、はっきりと自分が何をされたか思い出した。そうだ。この男は私の首を絞めてを殺そうとしていた見えない犯人だ。
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