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10月
11
しおりを挟む昼食を済ませ、後片付けをしようとした俺に吉良は自分がすると素早く食器をシンクへ運んでいった。
キッチンのテーブル席で食後に入れてもらったコーヒーを啜りながら、洗い物をする吉良を黙って眺める。
食欲が満たされたせいか、吉良はとても機嫌が良さそうだ。やはり空腹だと気持ちも下降するよね。
食器を片付けた吉良と俺は今度は吉良の自室に移動した。
セミダブルのベットにシンプルな勉黒を基調とした強机とガラステーブル。本棚には参考書やテニス雑誌が並んでいる。
「久しぶりに来たけど変わらないなぁ」
「まあな」
そのまま吉良はベットの端に座り、俺は手近なクッションを抱いてガラステーブルの前に陣取って壁にもたれかかる。
自分を好きな相手の部屋とはいえ、あんな告白じゃあ警戒してもな。
「なぁ吉良、俺の気持ち、って言うと恥ずかしいが聞いてくんないか」
「聞かせて欲しい」
座っている位置関係で上目遣いになる俺を吉良は真面目な表情で見つめて返す。
真摯な相手にはこちらも真摯に応えなくては失礼だよな。改めて思い俺は口を開く。
「俺な、人を恋愛感情で見たことないんだよ。初恋?てのは幼稚園でしたとは思うけど」
ベタだけど幼稚園の先生な。あれは恋というより憧れだな。あの頃から同世代の女子の◯◯君が好きーてのにはついていけなかった。
そこらへんは吉良はそういうの器用だったな。
「人並みに可愛い女の子は好きだし、エッチな事にも興味あるよ。でも特定の誰てのはない。だからかな誰かを好きになれるヤツって凄いと思うんだよ。その対象が異性じゃなく同性でも」
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