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11月
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しおりを挟む彼女の特徴はとにかく神出鬼没という事だ。ゲーム内では大体出現する場所が特定されているため、会うのに苦労はしない。それでもたまに予想外の場所にいきなり現れるので、プレイした時は何故ここんな所に?と疑問に思ったほどだ。
それはこの世界でも相変わらないようだ。
突然声をかけられ驚く俺にお構いなく彼女は無表情で廊下の隅に促し隣に並び立つ。
球技大会関連以降で彼女との絡みがなかった彼女がどうしてここに現れたのか。
「巡回です」
「は?」
「蘇芳君の顔に疑問符がついてたので」
そうですか巡回ですか。
証明するように腕章を見せる雨塚先輩に俺はご苦労様ですと頭を軽く下げれば、仕事ですからとだけ返ってくる。
うん、雪平先輩とは違う意味で絡み辛い上に何か怖いぞ。
「大丈夫ですよ。あのドス黒会長よりは優しいつもりです。ああ、元でしたね今はだだのドス黒ですね」
俺何にも言って無いんですけど…。
え、何かスキルお持ちですか先輩。しかも雪平先輩をドス黒って。
「仕事か利害が一致しなければ組みませんよ、あんな人」
「はぁ…」
「この話はやめにしましょう。労力の無駄です」
無表情で無感情なのが余計に辛辣さを引き立てる。
絶対にこの人を敵に回したらいけない。
俺の本能が警告する。
「そんな事より蘇芳君」
「はいっ」
「今日のような日に単独行動はオススメしません」
「単独行動…」
「特に人気のない場所は行かないで下さい。なるべくあのドヘタレ王子を連れ回るように」
吉良にも容赦ないんですね、先輩。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回からシリアス展開入りますm(_ _)m
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