【R18】BL短編集

戌依 寝子 (旧いろあす)

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【完結】スイングボーイズ【3P/呼吸管理】

12*

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「乾先輩、大丈夫ですか?痛くない?」
 床にへばり付いている俺の顎を持って無理矢理身体を起こさせながら空翔が言った。朦朧とした意識でとらえたその顔は、俺の様子を観察するように好奇心で光っていた。
「グリス死ぬほど塗ったから大丈夫だよ。ね、響先輩、痛くないっしょ?」
 痛くはない。けど、凄く苦しい。
 貫かれた腹も、仰け反らされるようなこの体勢も。
 空翔に持ち上げられた喉は限界近くまで仰け反っていて、声なんか出せずに訴えるようにはくはくと口を動かすことしかできなかった。飲み込めない唾液が口の端から零れて首筋を伝う。
 腹の奥はずっと重い脈動を感じていて、それが響くように性器が疼いた。海渡の性器が跳ねて、それを腹で感じた俺の性器が跳ねる。
 もう、わけがわからない。脳の何かを考える場所が炭酸の泡みたいにずっと弾けている。
 焦点の合わない目で空翔をみると、空翔は俺を見てまるで海渡がするみたいな意地悪な笑みを浮かべた。
「乾先輩、すごくえっちな顔してますよ。こんなにめちゃくちゃにされて、気持ちいいんですか?」
「ちんこガチガチのままっすよ?先走りやべぇ。響先輩、見た目と違ってドMなんすね」
 前と後ろの両方から2人の声が落ちてくる。
 あれ、どっちが海渡でどっちが空翔だ?前で俺を意地悪な顔で見下ろしてるのはどっちだ?
 一瞬どちらがどちらかわからなくなった。思考がぼやけてきている。
 動揺して視線をうろうろさせていると、後ろで海渡が身動ぎした。
「響先輩、腹、落ち着いてきたっすか?」
 腰に添えられていたグリス塗れの手がぬるりと腹を這う。その内側にあるものの存在を強く意識させられて、意識の隅に追いやられていた圧迫感が蘇った。
 それがずるり…とゆっくり腹から抜け出していって、またずぶん!と勢いよく取って返してくる。
「うぅっ」
 勢いに押し出されるように声が漏れる。擦られた縁と抉られた奥から言いようのない痺れが腹に込み上げた。
 そのまま、止める間もなく海渡が抽挿を開始する。引き抜かれると引き波に攫われるように背筋を寒気にも似た弱い電流のような感覚が駆け下りてきて、それを押し込むように性器が腹の奥に戻ってくる。尻の縁から溢れた緩いグリスがとろとろ溢れて太ももを伝った。
「…大丈夫そう、っすね」
 大丈夫ではない。
 苦しいのが腹の腹の中を行ったり来たりして、そこがじんじんと疼く。
「うっ、あっ、ぁんっ…」
 疼いて、その疼きが性器に直結し始める。
 動きに合わせて妙な声が出てきて堪えるように浅く唇を噛むと、その様子をただ眺めているだけだった空翔が動いた。
「海渡、乾先輩の腕、持ってて。肘引っ張っるみたいに」
 持ち上げて仰け反らされていた喉が解放されて、固定されたように動かせなかった背中の筋肉が緩む。緊張が解けて唾液を溢れさせるクッションに縋り付くとその手を自由になった空翔の手がぐいっと後ろに引っ張り上げた。海都がそれを受け取る。
「んっ、んっ、んく…っ」
 その間も緩まることなく後ろを捏ねられて、唇を噛んだくらいでは抑えれない声が鼻からこぼれ出た。
 海渡に腕を引かれることでまた身体を無理矢理起こされて、腰のキツさに身体が丸まりそうになったのを空翔が顎を高く持ち上げるようにして阻んだ。
 俺は全身で快感と苦痛を感じているのに、コイツらはほんの少し、腕を引っ張るだとか顎を持ち上げるだとか、ちょっとの労力で俺の身体を支配してしまう。
 全部の自由を握られているというのに、背筋がぞくぞくと痺れた。
「この体勢、響先輩キツいぞ」
「気持ちよさそうだし、大丈夫でしょ」
 海渡が心配気に言うのとは正反対に、無責任な声で言い放って空翔が俺の喉を撫でる。
「ほら、乾先輩、お口あーんってしてください。奥の気持ちいいとこ突いてあげますから」
 見上げた空翔の顔は涙でぼやけて滲んで見えた。


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