小人女子高生の異世界冒険譚~転生したらグロースとミニマムが使えない件~

異世界サボテン

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第25話 クラウディアの決意

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「・・・・・・」


「・・・お・様」


「・・・お嬢様」







・・・ユサユサユサ







・・・ん・・・だれだ・・・?

私を揺さぶって、起こすのは・・・?







「・・・・お嬢様起きてください」







呼び覚ます声に導かれるように私は眼をゆっくりと開いた・・・







「お目覚めになられましたか、お嬢様?」


「んっ・・・ああ、おはよう」







目を開ければ凛とした佇まいで立っているメイド服姿の妙齢の女性が立っていた。







「おはようございます。クラウディアお嬢様」


「昨日は大変な目に合われたとお聞きして正直心臓が止まると思いましたわ・・・」


「こうしてお嬢様の無事な姿を見れてほっと致しました・・・・」







そう言って胸を撫で下ろしたのは“リディア“だった。

彼女の名前は“リディア・バシェ“。我がマリュス公爵家の侍女だ。

長年我が家に仕えてきたメイドであり、若い頃に母が早逝した私にとって乳母のような存在だ。

騎士団長という身分になって私が家を離れる事にあっても、こうして律儀に身の回りの世話をしに来てくれている。







「・・・ああ、すまない。リディア」


「幸いなことに私は特に怪我をするようなことはなかったよ」







目が覚醒した私は寝ていたソファからもそりと起き上がった。

・・・ソファに寝て軽く休憩を取ろうとしたら、いつの間にか寝てしまったらしい。







「だが、昨夜は流石に疲れたよ・・・」


「殿下自から逃げ遅れている者や負傷者の救助に行くと言い始めた時は、私と“リーファ“殿でお止めするのに必死だった・・・」


「私が足手まといになるとはっきり申し上げて、しぶしぶ了承して頂いたが、あのままだったら爆発で燃え盛る兵舎の中に突っ込みそうな勢いだったよ」


「まぁ・・・!王妹殿下がその様な事を・・・」







リディアは驚きの表情をして、口元に手を当てた。

彼女の驚きも理解できる。

殿下はどちらかと言えば寡黙な方で、人とも積極的に関わろうとなされない方だ。

その物静かな普段の振る舞いからは中々想像が付かない言動だろう。







「ああ、それで代わりと言ってはなんだが、殿下の護衛を割いてでも騎士団が救助に回ることになってしまってね」


「殿下の護衛は“エミリア“に任せて、それ以外の人員はすべて負傷者の救助と消火活動に回ったというわけだ」


「私は回復魔法ヒーリングが使えないから、一晩中負傷者の搬送に手を貸すことになってしまったんだ」


「良い鍛錬にはなったが、流石に疲れたよ・・・」


「まあ、そうだったのですね・・・それは、お疲れ様でございました」







リディアの労いの言葉に私の疲れも癒される。

彼女はその顔に上品な笑みを湛えながら、ホットタオルを私に手渡してきた。

蒸されて熱々のタオルの中に私は顔をうずめる。







「うぅ・・・気持ちいぃ・・・」


「疲れたぁ・・・もっと寝てたぃ・・・」







寝起きの頭に暖かな温もりと刺激が伝わってくる。

そのあまりの気持ちよさに心の声が漏れ出してしまう。

こんな愚痴のような事を言えるのは彼女の前くらいだ。

騎士団員の前ではこんなことは口が裂けても言えない。

そういう意味では、リディアは唯一私の素の姿を打ち明けることが出来る人間と言っていいだろう。







・・・コンコン







ホットタオルに埋もれて癒やされていると、執務室の扉にノック音が聞こえてきた。







「・・・団長、いらっしゃいますか?ディーナです」


「至急のご報告がございます」


「・・・少し待て!」







私は扉の外にいる団員にそう告げると、リディアにタオルを返却して立ち上がった。

そして、急いで身だしなみを整え始める。

リディアもこの光景に慣れているのか、私が何も言わずともスッと手鏡や櫛を手渡してくれる。

幼少の頃より付き合ってきた仲だからこそできる阿吽の呼吸だった。

簡単に身なりを整えると、私は外にいる団員を招き入れた。







「よし、いいぞ。入れ」


「はっ!失礼いたします!」







夜も明けて間もないというのに、気力十分な返事とともにディーナが入ってきた。







「団長。おはようございます!ご命令された件で至急のご報告があります」


「・・・うむ。聞こう」







団員を応接間に通した私は彼女の報告を聞く。







「・・・はい。まずはマルバスギルドへの依頼の件ですが、ギルドマスターの“ジェラルド“殿に直接お会いすることが出来ました」


「至急、Lv100以上の大冒険者を含めた傭兵集団を編成し、“ミンツの町“へ派遣するとの返事を頂きました」


「また派遣の際、王妹殿下からの緊急の勅令と言う事で、緊急条項の第5項を適用」


転送魔法陣テレポーテーションを使わせて頂くのでご承知願いたいとのことです」


「・・・分かった。それで問題ない。それで肝心の襲撃犯の方はどうだ?」







ディーナからの報告を聞くと、今度はもう一つの重要案件についても私は尋ねた。







「はい。オークション品を奪った“あの巨人達“の動向ですが・・・・」







そこで彼女の顔は曇る。







「ゴールド通りから王都の北門を破った後、そのままミンツ方面に逃走した所までは確認できております」


「しかし、その後の行方は分からないそうです。追跡部隊も振り切られる程奴らは速かったとのことなので・・・」


「ふむ・・・そうか。ご苦労だった」


「案ずるな。奴らを捕捉する手は他にも考えてある」


「巨人達の対処については一旦マルバスギルドに任せるとしよう」


「はっ!承知致しました!」







そう言って、ディーナは私に敬礼をした。







「ディーナ。最後に悪いがグレースとアイナを私の部屋に呼んできてくれ」


「30分後、私の部屋に来るようにと」


「お前は夜通し駆けずり回って大変だっただろう。それが終わったらゆっくり休んでくれ」







しかし、私の労いの言葉を受けた彼女は再度顔を曇らせてしまった。







「団長!?まだ、私は大丈夫です!」


「今は王国の一大事です!こんな時に休んでなんかいられません!」


「どうかさらなるご命令を!」







意気盛んにまだまだやれるとディーナは私に嘆願してきた。

そんな彼女を宥めるように私は言った。







「ディーナ。これから我が騎士団はますます忙しくなる」


「それこそ今後いつ休めるか分からなくなる程にだ」


「休める時に休んでおくのも仕事のうちだ」


「そんなに意気込まなくとも、明日からまた死ぬほど働いてもらうことになる」


「今日は帰ってすぐ休め。これが命令だ」


「・・・団長。そこまで仰るのなら・・・」







ディーナは渋々と言った感じで私の言葉を受け入れた。

我が騎士団の団結心と忠誠心はカーラの王国軍の中でも指折りに高いと私的に思っている。

職務怠慢な者はもちろんいないし、任務とあらば自分の身を呈して火の中、水の中に飛び込んでいく勇者ばかりだ。

近衛騎士という名誉ある職に就いている自尊心もあるだろうし、

その警護対象がカーラの英雄として名高いエレオノーラ殿下だというのも、彼女らの意気込みに拍車を掛けているだろう。

だからこそ時に心配になることもあるのだがな・・・・







「・・・団長。それでは失礼いたします」


「うむ。ご苦労だった」







お互い敬礼をしてその場を分かれる。







さてと・・・殿下に会わなければならないな・・・







私はこれからの行動に思案を巡らすと、行動を開始した。

まず、別室に備え付けてあるシャワー室に向かう。

そこには既にバスタオルと洗面用具を持ったリディアがいた。







「お嬢様・・・こちらを」


「ああ、すまない・・・」


「もし、私が浴びている間にグレースとアイナが来訪したら外で待つように言っておいてくれ」


「畏まりました」







リディアが頭を下げると、私は洗面用具を受け取ってシャワー室に入った。







シャアアア・・・・・







「・・・・・んっ」







全身に降り注ぐ温水が私に覚醒を促してくる。

ふぅ・・・気持ちいい。

やはり寝起きの後はこれがないと頭が冴えない。

・・・だが、今日はこれからの事を考えると気が重くなってしまうな・・・

エレオノーラ様への報告。

その後は事件の調査に、襲撃犯の排除。

そして、奪われた神遺物の探索・・・

やることが山ほど出来てしまった・・・

我が騎士団の主要任務はエレオノーラ様の警護であり、

通常だったら他の任務など受けることはないのだが・・・

・・・今回ばかりは無関心でいるわけにもいくまい。

殿下が主催するオークションであのような事件が起こったのだ。当然、引責問題になる。

幸いなことに殿下を始めとした要人たちに被害はほとんどなかった。

オークションが襲撃されたのは殿下達が退席した後に起こったからだ。

襲撃が起こったタイミングが気になる・・・・・

自分に被害を受けぬタイミングで襲撃を計画していたとしか思えない。

・・・ほぼ、間違いなく要人の中に内部犯がいる。

王宮や会館に事前に潜り込むことが出来て、この惨たらしい事件を引き起こすことが出来た黒幕。

まず、思いつくのはエレオノーラ様に敵対する王族による犯行という可能性だ。

殿下の名声に嫉妬し、よく思わない王族ももちろんいる。

王太子の“アーダルベルト“殿下とかな。

さすがに自分が将来治めるであろう国を危機に陥れるような事はしないと思いたいが・・・

他にも王家に反逆を企てようとする貴族の線もあるし、オークションを共同主催した商人ギルドの連中も容疑者候補だ。

いや、他国から招かれた使節という可能性も全くないわけではないか・・・







・・・正直、こればかりは今後の調査次第だな・・・







・・・だが、どこの誰が企てたのか知らないが、絶対に許さぬ・・・!!

今回の件でエレオノーラ様はカーラの英雄という立場から一転して窮地に追い込まれるだろう。

これまで以上に身命を賭してお支えしなければなるまい。

殿下に頂いた接辞名“友情フィリア“の名に誓って・・・!

必ずやカーラの秘宝を・・・そして殿下の名誉を取り戻す!!!







キュ・・・







お湯を止めて私はシャワー室を出た。

バスタオルで身体を拭きながら、別室にある化粧台の前に座る。

その横にはやはりリディアが控えていた。

彼女は何も言わずとも椅子に座った私の髪を櫛で梳いでくれる。

私は私で身支度を整えていく。

我が第九近衛騎士団は神話の戦乙女をモチーフとした部隊だ。

一部の書記官を除き、50余名いる団員は全員女性。

儀礼的な場でも我が騎士団は催事を司る事が多々あるため、容姿の面でも手抜かりすることは許されない。

気高く、美しく振る舞うことが我が近衛騎士団の至上命題だ。







「お嬢様。グレース様とアイナ様が既に執務室の外でお待ちです」


「・・・ああ、分かった」







準備を整えた私は、執務室の扉の前まで来ると「・・・ふぅ」と一息ついた。

心を落ち着かせ、今日から起こるであろう嵐のような毎日に備える。







「・・・よし、行ってくる」


「はい、行ってらっしゃいませお嬢様」







ガチャ・・・







執務室から出て行く私をリディアは穏やかな笑みとともに見送った。

外に出ると既にグレースとアイナが直立不動で私を待っていた。







「隊長、おはようございます」


「ああ、おはよう」







敬礼をする彼女たちに、私も敬礼を返して朝の挨拶を済ませる。

グレース・ホーカンソン。

アイナ・テグネール。

彼女たちは我が近衛騎士団の第1小隊所属。

そして私は第9近衛騎士団長の他に、第1小隊の隊長という肩書も持つ。

つまり、彼女たちは私の直属中の直属の部下ということになる。







「待たせたな。今日からさらに忙しくなる。二人とも覚悟しておくように」


「畏まりました」


「お任せを。望むところです」







頼もしい二人の言葉を受けた私は、二人を連れ立ってそのまま歩き始める。

・・・今日も長い一日になる。

新たな決意を胸に秘め、私は王妹殿下の元へと向かった。













騎士団の詰所を出た時には、太陽は完全に昇り眩しい光を大地に照らしていた。

私達は今、王妹殿下が住まう離宮へと向かっている。

足早に歩いて出来るだけ意識しないようにしているが、

周辺の建物の様子が嫌でも視界に入ってきてしまう。







「ひどい・・・」


「おのれ。テロリストどもめ・・・」







グレースとアイナが顔をしかめ、身体をわなわなと震わせている。

暗闇の中では分からなかった昨夜の惨状の大きさが今はハッキリと認識できる。

数多くの兵舎棟が剥き出しの状態で倒壊しており、壁の内側の方が“焦げ“による損傷が激しい。

内側から爆発でも起きない限りはこの様な形状にはなり得ない。

魔力結晶体マジカル・コアが保管されている軍の倉庫区画ならともかく、

寝室しかないはずの居住区画までこの有様だ。

昨夜の爆発が事故ではなく“事件“だと物語っている明確な証拠だろう。







「お前たち・・・表情と態度に出ているぞ。その怒りは今後にとっておけ」


「我々が公に姿を見せる時は、常に気高く優雅に振る舞うよう心がけろ。特に王宮内ではな」


「・・・はっ!失礼致しました」







グレースとアイナは私の言を受けて、気を引き締め直した。

私は彼女たちを先導しながら離宮へと足を運んでいく。

常に胸を張り、視線は前を見て、顎は地面に対して垂直を保つ。

そして、決していきり立たずに、余裕のある表情で冷静に行動をする。

甲冑を身に着けていても、優雅に上品に。

周囲の憧憬の視線を受けながら私たちは王宮内の街路を進んでいく。

この街路の先には“ヘルヴォルの館“が一際大きな存在感を放っている。

芸術の都とも謳われているカーラの王宮にふさわしく、その壮麗さは諸国の使節団も感嘆の声を上げる。

ヴァルファズル5世陛下が住まう王宮の主となる建築物であり、

意匠を凝らした大理石で作られた館は太陽の光を浴びて白く輝いている。

館へ通ずる長い街路には彩り鮮やかな花壇が造園され、入口前には巨大な噴水と楯の乙女であるへルヴォルの銅像が訪問者の目を奪う。

館内も数多の芸術作品と絵画が所狭しと並べられており、カーラの栄華と威風を世に知らしめていた。

だが、今回進むべき場所はヘルヴォルの館ではない。

私は館の正面をチラリと横目にしながら街路を右折した。

そのまましばらく進んでいくと、緑の屋根が付いた石造りの建物が見えてくる。

あそこが目的地、エレオノーラ王妹殿下が住まう離宮だ。

離宮の周辺にもやはり花壇が植えられており、落ち着いた情緒ある風景が私達を癒やしてくれる。

しかし、建物の佇まいはヘルヴォルの館と比べたらとても質素だ。

よく手入れはされてはいるものの、所々補修された跡があり、風化して全体的にくすんだ色合いが年季を感じさせる。

これはこれで風情があると言えなくもないのだが、

王妹殿下の華やかな風聞しか知らない人間が見たら、住んでいる場所に驚くかもしれない。

いくら先代王の末子とはいえ、殿下の名声とその影響力を考えればヘルヴォルの館に住んでいると思うのが当然だろう。

実際、陛下は兄妹の中でもエレオノーラ殿下を一番高く買っており、ヘルヴォルの館の一室に殿下の部屋を用意させている。

しかし、殿下は兄妹間の序列を壊す恐れがあるとして一度もその部屋を利用していない。

人里離れたこの離宮で今も暮らされている。







「敬礼!!」







入口の見張りの兵士に敬礼を受ける。

私達は答礼をしながら、そのまま離宮の中に入っていく。

館内もやはりシンプルな内装だ。

目立つ装飾や絵画が応接間の一室にあるくらいで、他は観葉植物が置かれている程度。

質実剛健な殿下の気質がよく表れているお住まいだ。

建物の2階へ階段で上がり、廊下の一番奥にある部屋へ私達は歩いていく。

途中メイド服姿の給仕たちとすれ違いお互い挨拶を交わす。







「おはようございます。クラウディア様」


「ああ、おはよう」







王妹殿下に仕える侍女達だ。

朝の給仕は既に始まっており彼女たちは忙しく動き回っていた。

彼女たちの姿を尻目に私たちはさらに奥へと進んでいく。

すると王妹殿下がいる部屋の前に設置された椅子に誰かが座っていた。







「リーファ殿・・・」







部屋の前にいたのは“リーファ殿“だった。

彼女は私を認識すると、緊張の面持ちを見せていた表情を崩す。

そしてその場を立ち上がり、足早に近づいてきた。







「・・・ああ!!良かった。クラウディア団長・・・!」


「無事な姿を見れて安堵致しました」


「昨夜は心配で満足に眠れませんでしたわ」


「・・・ご心配をお掛け致しました、リーファ殿」


「幸いなことに、私と私の部隊も賊に襲われることはありませんでした」







私の返答を聞くと、リーファ殿は嬉しそうに気品溢れる笑みを浮かべた。

彼女の名前は“リーファ・クロイツェル“

年齢はエレオノーラ殿下や私より9つ上の32歳。

殿下が幼少の頃より仕えており、殿下の侍従秘書官を勤めている。

彼女は異色の経歴を持ったお方で、異世界からの“転生者“だ。

異世界の歴史や世情に詳しく、その豊富な知識で殿下や我が騎士団の相談役も勤めてくれている。

これまでに何回も彼女の助言に助けられて来ており、殿下も私もとても頼りにしているお方だ。







「・・・そう。それは不幸中の幸いでしたね」


「貴方の身に何かあれば、殿下も平静ではいられないでしょうから、本当に良かった・・・」


「偉大なるリーヴ神と楯の乙女ヘルヴォルの加護に感謝致しましょう」







リーファ殿はそう言うと、大神殿のある方に頭を向け静かに黙祷を捧げた。

私も“形だけ“は彼女を真似て黙祷を捧げる。

私は正直そこまで信仰に篤い訳ではない。







「リーファ殿・・・殿下のご様子はいかがですか?」







目を開いた私は殿下の様子について聞いた。

緊急事態ということもあり、昨夜は一晩中リーファ殿とエミリアが殿下のお側にいたはずだ。







「今は寝室で“エミリア副団長“と一緒におられます」


「私の方はここで来訪者の取り次ぎをさせて頂いておりましたの」


「・・・そうだったのですか!それはご足労をお掛け致しました・・・」







そう言って私は頭を下げた。

通常なら、来訪者の取り次ぎは殿下を警護する近衛騎士の管轄任務だ。

わざわざ侍従秘書官という殿下の右腕となるお方がする様な業務ではない。

だが、昨夜は副団長のエミリア以外の騎士は全て救助任務に当たることになってしまった。

結果的に取り次ぎをリーファ殿がやらざるを得なかったのだろう。

彼女には毎度頭が下がる。







「いいえ・・・私の苦労など殿下とクラウディア団長に比べれば大したことはありません」


「私にも戦える力があればと、どんなに思ったことか・・・」


「この身に宿ったスキルが戦い向きのものであれば、貴方のサポートも出来ましたでしょうに・・・」







リーファ殿は静かに首を振りながら残念がる。

彼女に宿ったプライマリースキルはいずれも文官向きのものだったはずだ。







「そんな事仰っしゃらないでくださいリーファ殿」


「私に事務官としての才能が無いように、人には向き不向きがあります」


「戦いや荒事は我々にお任せください」


「貴方の迅速な事務能力と的確な助言があるからこそ、殿下や我々が安泰でいられるのです」


「今は王国の危急の時。これまで以上にリーファ殿のお知恵に頼ることになることでしょう」


「どうか私達を支えてくださいませ」







私はリーファ殿の前に手を差し出し、握手を求める。







「・・・ありがとうございますクラウディア団長」


「そう言って頂けて少し胸のつかえが取れましたわ」


「私でよければ、今後も殿下と貴方をお支えいたしましょう」







リーファ殿ははにかんだような笑みを浮かべながら、私の手を取る。

そして、お互い固く握手を交わした。

私より年上のお人なのに、たまに妙に無邪気で可愛らしい一面を見せるところがこの人のチャームポイントだ。

王妹殿下もそんな彼女だからこそ、幼少の頃より彼女を秘書官として任命し続けているのだろう。







「・・・さて、それでは早速ですが王妹殿下にお会いできますか?」


「至急、殿下にご報告があるのです」


「・・・分かりました」







私の声色が厳しくなったことを感じ取り、リーファ殿の表情も引き締まる。







コンコン・・・・







リーファ殿が殿下の部屋の扉をノックする。

しばし間を置いた後、中から声が聞こえてきた。







「・・・・だれだ・・・?」







中から外を警戒するような声が聞こえてきた。

殿下の声ではなかった。この声はエミリアだな・・・







「私です。リーファです」


「クラウディア団長がいらっしゃいました。扉を開けてください」


「・・・分かりました。今開けますので扉から後ろに下がっててください」







彼女の言葉に従い私とリーファ殿は扉から少し離れた場所に下がる。







ガコン・・・







内側のかんぬきを外す音が聞こえた。







ギィ・・・







そして、扉は外側に向かってゆっくりと開いていく。

私が中を伺おうと、目を凝らした瞬間・・・







・・・これは・・・殺気!!?







「リーファ殿!!下がって!!」







シャキン!







私はリーファ殿の腕を強引に引いた!

彼女を下がらせると同時に、腰元の剣を瞬時に抜刀する!

後ろに控えていたグレースとアイナも異常を察知し、剣を抜刀した。







「この反応の速さ・・・やはりクラウディアか」







扉が開いて姿を現したのは短髪黒髪の女剣士・・・エミリアだった。

彼女はいつでもこちらを刺し殺せる体勢で剣を構え、

上段から冷たい殺気を放ってこちらを見下ろしていた。







「エミリア・・・えらく厳重な警備だな」


「当たり前だろ・・・あんな事件があった後なんだからな」


「きちんと姿を確認せんと安心なんかできん・・・不満か?」


「いや・・・それでいい。それでこそ殿下の近衛だ」







シャン・・・







私はエミリアに肯定の言葉を返すと、抜剣した剣を鞘に納めた。

それを見てエミリアやグレース達も剣を納める。

彼女は“エミリア・ハンネセン“

我が近衛騎士団副団長を勤めており、第2小隊の隊長も兼務している。

年は私より7つ上の30歳。

185cmの上背とキリッとしたクールな容貌も相まって、同性にやたらとモテる凄腕の女剣士だ。

元々は精鋭の第1近衛騎士団に所属していたが、上官といざこざを起こして追放されてしまった。

そこを彼女の能力を見込んで私が勧誘したという経緯がある。

第9近衛騎士団では団員の訓練も担当しており、鬼教官として恐れられている。

もっとも、厳しさの裏返しは面倒見の良さを意味しており、任務にも忠実。

王妹殿下や他の騎士団員からの信頼は非常に厚い。

私も彼女に全幅の信頼を寄せている。







「殿下の警護ご苦労だったな。殿下は今どちらに?」


「・・・向こうにいらっしゃる」







エミリアはクイッと首を向けると寝室がある部屋の扉を指さした。







「早く行ってやれ。お前の事を一晩中心配されていたぞ」


「・・・分かった」







私は頷くと、後ろに控えていたグレースとアイナに向き直る。







「・・・グレース、アイナ。お前たちは私の報告が終わるまでここで待て」


「はっ!」







二人は敬礼をして、その場に留まった。

私とリーファ殿、そしてエミリアの3人で殿下のいる寝室に向かう。







コンコン・・・







私は寝室の扉をノックして、中に向かって厳かに声を発した。







「・・・殿下。クラウディアただ今戻りました」







・・・ガタッ!!







私が声を掛けた瞬間、部屋の中から椅子を引く音が響いた。







「・・・フィリア!!?」


「無事だったのね!?すぐに中へ!」


「はっ!」







・・・ガチャ







「殿下。失礼いたします」







私は扉を開けて中を覗いた瞬間、赤く目を腫らしたエレオノーラ様の姿が映った。

殿下はこちらに小走りに走ってくると、そのまま私に抱きついてきた!







・・・ガバッ!







「・・・で・・・殿下・・・!?」







殿下の思わぬ行動に、私は不覚にも上ずった声を出してしまった。

人目があるのにこの様な行動を殿下が取るとは・・・

リーファ殿やエミリアも目を丸くして驚いている。







「良かった・・・フィリア、無事で・・・」







エレオノーラ様は私の胸の中で、静かに嗚咽をあげた。

目の前のアッシュブロンドの髪から漂うスズランの香りが私を包み込んでくる。

殿下とは幼少からの付き合いだが、この様に泣いている御姿を見るのは初めてだ。

昨夜は満足に眠ることが出来なかったのは容易に想像がつく。

私はエレオノーラ様を安心させるべく、そっと肩を抱いた。







「・・・っ・・・・う・・・」


「・・・・・殿下。ご心配をお掛けして申し訳ありません」


「私はご覧の通り無事です。どこも怪我はしておりません」


「我が騎士団も犠牲者は出ておりませぬ。どうか・・・ご安心を」







殿下の背中を優しくさすった。

私達はしばらくその状態で立ち尽くす。







「・・・フィリアありがとう、もう十分よ」







・・・やがて気分が落ち着いたのか、殿下は私からゆっくりと離れた。

いつもの透き通るような格調高い声が発せられる。







「情けない姿を見せました。3人ともこの事は他言無用に願います」


「“クラウディア“、昨夜は災害救助の任務ご苦労でした」


「報告があるのでしょう?応接間で聞きましょう」


「はっ!」







理知的な表情の中に気高い意思を宿した瞳が私を捉えた。

か弱く映った少女の姿はもはやどこにもない。

カーラの危機を幾度も救ってきた“英雄“の姿がそこにあった。

応接間に移動した後、私は胸に片手を当て殿下の前に跪いた。







「王妹殿下・・・昨夜の襲撃犯について、続報をご報告いたします」







殿下は私の言葉に黙って頷いた。

エレオノーラ様から了承を貰った私は立ち上がり、報告を始める。







「例の巨人共はゴールド通りから王都北門を破り、ミンツ方面へ逃走」


「カーラ王国軍の斥候と商人ギルド連盟の傭兵が奴らを追跡いたしましたが、残念ながら途中でロスト致しました」


「しかし、周辺の地理状況から奴らはそのままミンツの町へ到達する可能性が高く、」


「マルバスギルドにはミンツの町防衛の任務と、オークション品の奪還を依頼」


「既にジェラルド殿によって、大冒険者を含めた傭兵集団が転送魔法陣を使用して派遣されております」


「巨人共の進むスピードを考えると、間もなくミンツの町で傭兵集団と交戦が開始されるでしょう」


「・・・そう、さすがジェラルド殿ね」


「この僅かな時間で傭兵集団を派遣するとは。彼に感謝しましょう」







殿下がギルドマスターのジェラルド殿を称賛する。

マルバスギルドはLv100以上の大冒険者を多数擁している。

3人しかいないが、Lv200を超える“英雄級冒険者“の登録もある国内最大の冒険者ギルドだ。

国内貴族の反乱があった際も殿下の依頼に迅速に応え、鎮圧に加勢してくれた経緯がある。

王家、特にエレオノーラ殿下との繋がりはとても深く、我が騎士団もジェラルド殿と誼を結んでいる。







「・・・ふむ・・聞いてもいいか?」







なにか含むことがあるかのようにエミリアが私に呟いた。

彼女の方にちらりと視線を向ける。







「エミリアどうした?何か気になることがあるのか?」


「・・・ああ、ミンツの町だけに網を張っている理由を知りたくてな」


「ミンツの町以外にも、傭兵を派遣した方が良かったんじゃないか?」


「王都・ミンツ間の街道の四方を取り囲むように配置すれば、奴らを捕捉する可能性はより高くなると思うが」







エミリアの意見に同意するように殿下も頷く。







「エミリアの意見も分かります」


「何か理由があるんでしょう?クラウディア」


「はっ!申し上げます」







王妹殿下へ向き直ると、私は理由を述べ始めた。







「理由は3つございます」


「第1に、今回は時間の制約がございました」


「傭兵の数が十分揃う時間があるのならエミリアの意見は最もですが、」


「数が少ない傭兵をさらに分散させてしまっては、戦力の薄い場所を狙って巨人達に抜かれてしまうでしょう」


「現状の最善の手は奴らが通過する可能性が高い場所で、戦力を集中して待ち受けることだと判断致しました」







私の説明に殿下が静かに頷く。







「第2に、奴らがミンツの町へ行く理由です」


「ご存知の通りミンツの町はカーラ王国最大の貿易港がある北の玄関口です」


「奴らがもし財宝を他国に運び出すとしたらそこからの可能性が高いでしょう」


「神遺物が収められた宝箱は転送魔法陣を通ることが出来ぬ術法が掛けられており、魔法で飛ばすことは不可能です」


「あの巨人達はミンツまで宝箱を運び、そこから船で搬送させようとしていると私は見ました」


「奴らの仲間がいることもこの場合は考慮しなければなりません」


「・・・なるほどね」







殿下が再び賛意を示される。

リーファ殿やエミリアは無言のままだ。

とりあえず私の理由を最後まで聞こうとしているのだろう。







「そして、第3に地理的にミンツの町以外を通る可能性が低いからです」


「王都からミンツの町までは一本道の街道と荒野が広がるのみです」


「東は最大水深数百メートルの大河があり、西は標高5000メートルを超える“トール山脈“が気候すらも分断しております」


「いくら奴らが巨人だからといって、大河を越える事は出来ないでしょうし、」


「トール山脈はその斜面の険しさに加えて、山頂は雷神トールの名を冠する由来にもなった“サンダードラゴン“達の縄張りです」


「ここを超えることは、物理的にほぼ不可能と言っていいでしょう」


「以上の理由からミンツの町で奴らを待ち構えることが得策と判断致しました」







私の説明を聞き終えると、殿下は満足気に上品に笑みを浮かべた。







「・・・さすがね。戦力分散は強敵相手には愚策」


「各個撃破される恐れもある以上、確率が高い場所で待ち構え、敵を確実に狩るという方策を採用したわけね・・・」


「・・・良い判断ですクラウディア。あの状況では最善と言える判断でしょう」


「はっ!ありがとうございます」







お褒めの言葉を貰った私は王妹殿下に敬礼をした。

さらに殿下は言葉を続ける。







「私から付け加える事があるとしたら、追跡部隊を今よりもさらに手厚くする事です」


「マルバスギルド以外の冒険者ギルドの反応はどうなの?」


「・・・はい。既に依頼を掛けております。しかし、反応が鈍いと言わざるを得ませぬ・・・」







マルバスギルドは王国直営の冒険者ギルドであり、

ギルドマスターのジェラルド殿も我々の知己であるから素早く対応して頂けた。

だが、他の冒険者ギルドは我関せずと言っていい程反応が鈍い。

奴らには王国に対する忠誠心など期待してはいけない。

奴らが求めているのは自らを儲けさせてくれる“強者“か“富“だけなのだ。







「そう・・・金庫が空になっても構いません。依頼の報酬額を3倍にしなさい」


「神遺物の奪還はカーラ王国の最重要案件です。それは他の何よりも優先されます」


「・・・私や貴方の命よりもです。クラウディア」


「傭兵部隊による奪還が失敗した場合、貴方の部隊に動いてもらうことになります・・・そのつもりでおりなさい」


「はっ!承知致しております!」







私は特に躊躇う事もなく承諾の言葉を口にする。

エレオノーラ様の為に使うと決めたこの命。

今更臆する物など何もない。







「リーファやエミリアはどう?」


「他に何か講じておくべき策や意見があるのなら遠慮なく申し出なさい」







殿下は私に下知を下されると、

後ろに控えていたリーファ殿とエミリアの方へ視線を移す。

すると、リーファ殿が前に進み出て意見を述べ始めた。







「・・・殿下。申し上げます」


「今回の件はカーラの存亡に繋がる重大事件です」


「万一、神遺物を速やかに取り戻す事が叶わぬ場合、イドゥン連盟の諸国はもとより、」


「亜人・獣人・魔族などの異種族が奪還に介入してくる可能性があります」


「陛下に力添えをお頼みなさいませ」


「面子を潰された商人ギルド連盟も今回ばかりは全力で殿下をサポートするでしょう」


「彼らに頭を下げ、惜しみない協力を求めるのです」


「これまでのように、決して殿下一人で背負い込もうとなさいますな・・・よろしいですね?」


「・・・そうね」







リーファ殿の諫言を受けて、殿下は目線を下げる。

しばらくそのまま思案をされた後、静かに一度頷いた。







「・・・リーファの言うことはもっともです」


「事件は既に私の手に余ると見て間違いない・・・」


「兄上の手を煩わせるのは気が引けるけど、そんなこと言っている場合じゃないわね・・・」


「・・・あなたの言う通りにします、リーファ。ありがとう」


「・・・ご賢察痛み入ります、殿下」







リーファ殿は一礼すると、さらに話を続けてきた。







「・・・では、方針が固まったということで、本日の予定をお知らせいたします」


「まずは、この後すぐに国王陛下へ事件のご報告。その後は顧問大臣との今後の対策についての協議」


「午後にはマイアー殿との緊急会合の予定が入っております」


「・・・本日から絶え間なく忙しい日々が続くでしょうが、どうかご辛抱下さいませ」


「・・・分かってますよ。もう、とっくに覚悟はしております」


「今回の事件で散った数多の兵士の犠牲を思えば、この様なこと苦難の内に入りませぬ・・・」







そう言うと、エレオノーラ様は目をつぶって一息ついた。







「・・・ふぅ、でも流石に兄上への報告は気が重くなるわね・・・」







・・・珍しく殿下が弱音を吐いていた。

いくら殿下を高く評価している陛下と言えども、

今回ばかりはエレオノーラ様の責を問わざるを得ない。

しかし、今殿下が気になされているのは兄君である国王陛下に負担を強いる事の方だろう。

国王陛下は生まれつき身体があまり丈夫な方ではない。

最近も病を得ては療養を繰り返すという日々を過ごされている。

殿下が自分一人で物事を解決しようとする行動の背景には、

陛下の負担を出来るだけ減らそうという心情があるからに他ならない。







「・・・殿下」


「・・・分かってます」


「泣き言を言うつもりはもうありません。参りましょう」







リーファ殿の呼びかけに、殿下は静かに相槌を打った。

そして、私の方へ振り返ると厳粛な声で話しかけてきた。







「・・・クラウディア。エミリアだけは護衛として連れて行きます」


「私はこれからしばらく身動きが取れませぬ」


「危急の用でなければ以後の報告は不要です」


「必要とあらば金庫の財宝やクレジットは好きに使って構いません」


「あなたと騎士団は引き続き神遺物の奪還を最優先に動きなさい」


「はっ!承知致しました。お任せを!」







私は殿下に敬礼をして命令を拝受した。







「・・・それでは急ぎますので、私はこれにて失礼いたします」







そして、すぐに行動を開始すべくその場を後にする。







ガチャ・・・







「・・・頼むわね、フィリア・・・」


「どうか貴方に楯の乙女ヘルヴォルの加護があらんことを・・・」







・・・殿下の祈りの声を背にしながら、私は自分の戦地へと赴いた。







To Be Continued・・・
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