小人女子高生の異世界冒険譚~転生したらグロースとミニマムが使えない件~

異世界サボテン

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第28話 クラウディアの憂鬱

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「・・・・それで?」


「お前はどうして任務の場を離れたのだ?」


「そ、それは・・・・」







目の前の兵士に私が問いかけると、彼は気まずそうに目線を下げ口ごもってしまう。

騎士団詰所にある応接間の一室は現在取調室と化していた。

背後ではサラサラとペンを走らす音が流れ、入口ではグレースとアイナが兵士の動向に目を光らせていた。







「・・・その、小隊長殿が交代の時間だって言ったからです・・・」


「嘘じゃありません!俺以外にも小隊長殿の言葉を聞いて会場から離れた仲間がいるんですよ」


「他の第1小隊の奴らに聞いてみたら分かります!」


「・・・・・」







彼の弁明を聞くと同時に、私は横に置いてある“ミーミルの泉“に視線を移した。

ミーミルの泉は無色透明のままだ。

どうやら嘘は言っていないようだな・・・

しかし、だからこそ不可解な部分もある・・・







「・・・“クルト“と言ったか」


「私は別にお前を責めているわけではない」


「あの時1階で何があったのかをただ知りたいと思うだけだ」


「ルーン結界が破られた経緯を辿れば、犯人に近づけるかもしれん・・・」


「私はあの時2階の会場の警備を担当していたが、1階は商人ギルド連盟が担当していたので詳細がよく分からないのだ」








ルーン結界の警護に充てがわれたのは北門警備連隊の兵士達と聞いている。

あの日、カーラ王国軍から出向という形で商人ギルド連盟に一時的に兵士が派遣されていた。

商人ギルド連盟総帥マイアー殿からの強い要望もあり、来賓者の気分を害さないような配慮ある警備体制の実現。

そして、神遺物アーティファクトの保管場所を完璧に隠蔽するため、

出向した兵士達にしか金庫の場所は明かされておらず、兵士の配置も連盟の担当者に一任されていた。

もちろん何かあったときはお互い情報共有はしていたが、1階の警備体制に基本私は関わる事が出来なかったのだ。

唯一関わることが出来たのは2階席へ登る階段くらいなものだ。







「・・・連盟の警備担当者は襲撃に巻き込まれ既にこの世にいないという」


「そして、お前たちの隊長、“ゲイル殿“も残念ながら会場で遺体が確認されている・・・」


「正直、お前たちだけでもよくぞ生き残ってくれたと私は感謝しているくらいだ」


「だから、そんなに畏まらずに落ち着いて状況を振り返ってほしい」


「お前たちだけが頼りなのだ・・・どうか、頼む」







私は彼の手を掴み、頭を下げた。

今の私は文字通り藁にもすがる思いだった。







「・・・ク・クラウディア団長!わ、分かりました!」


「とりあえず、手離して下さい!」


「貴方に手握られたんじゃ逆に落ち着きやしませんよ!!」


「・・・あ、ああ。すまない」







私が手を離すとクルトはパッと手を引いた。

彼は一息「はぁ」と深い溜息を付く。







「・・・それで?何を聞きたいんですか?」







落ち着きを取りした彼が再び私に顔を向けてきた。







「・・・ああ、不可解な点があってな・・・」


「報告によると、ゲイル殿は巨人との戦いで戦死したわけではないようなのだ」


「発見された遺体には後ろから刃物で刺された傷があった」


「・・・これは恐らくルーン結界を破ろうとした内部犯の犯行と見ていいだろう」


「つまり彼はお前たちに交代を告げた後、会場に残り、襲撃犯の一味によって殺されたという事になる」


「・・・私が不可解に感じているのはここだ」


「お前たちに交代と告げて退勤させたことや、その後自分だけ会場に残り続けた理由が不明なのだ」


「・・・お前にはこの理由が分かるか?」







私の言葉にクルトは首を捻りながら考え込む。

しばらくして、彼は難しい顔をしながら答えてきた。







「うーん・・・今、パッと思いついた理由ではあるんですけど・・・」


「ゲイル隊長がその内部犯の一味に交代があると騙されたとかはどうですかね?」


「小隊長殿は仕事が終わると、酒場に飛んでいくくらい誰よりも酒が好きだったんですよ」


「あの時会場には豪華な料理と酒が山のようにありましたから、飲みたい衝動は相当なものだったはずです」


「交代があると聞いたら喜んでその話に飛びつくと思うんですよね」


「・・・なるほど。そこを内部犯につけこまれ、騙されたんじゃないかとお前は言いたいわけだな?」


「はい。俺たちは正装スーツの着替えがなかったから街の方に出ちまいましたが、小隊長殿はこっそりと持ってきていたかもしれません」


「それだったら会場に残り続けていた理由も分かりますよ」


「・・・・ふむ」







彼の言葉を吟味する。

一瞬ありえなくもない話だと思ったが、他の事情を考慮すればこの説は説得力に欠ける。

理由はゲイル殿の遺体が発見された状態だ。

スーツ姿で発見されていたら今の話にも少しは信憑性が出てくるのだが、

彼は鎧を着たまま後ろから刺し殺されていたという。

当然、鎧を着たまま飲み歩く兵士がいたら他の兵士に気づかれないはずがない。







「・・・クルトよ。少し考えたが、今の話は考えにくいな」


「彼は鎧を着たまま刺し殺されていたそうなのだ・・・」


「・・・ああ、そうだったんですかい」


「それなら今の話ちょい無理ありますね・・・」


「クラウディア団長には申し訳ないんですが、自分じゃ他の理由は正直見当つかないっすわ・・・」







クルトが首を振りながら残念がる。

これ以上彼に理由を聞いても何も出てきそうになかった。

仕方ない・・・







「分かった・・・とりあえず理由はもういい」


「他のことを聞くとしよう」


「・・・お前たちが会場を離れる前の事をもっと詳しく知りたい」


「その時のゲイル殿の様子はどうだ?彼に何か変わったところはなかったか?」


「変わったところですか?うーーん・・・・・」







腕組をしながらクルトは考え込む。







「・・・そうですねぇ、ちょっと無愛想だったですかねぇ~」


「・・・無愛想?」


「ええ、まあ任務中だったからかもしれないですが、交替だと言った時の小隊長殿の顔は無表情でしたよ」


「いつも退勤時間が来た時は表情が緩んでだらしない顔になるんですけどね」


「あの時だけはあまり喜んでいない印象を受けましたよ」


「・・・・・」







それだけではなんとも判断しづらいな・・・

国の威信をかけたオークションの警備を任されたのだ。

警備に力も入るし緊張もしよう。

いつもと違う感情が起こったとしても何ら不思議ではない。

まあ、いい・・・

今は手当たり次第聞くしかあるまい・・・







「・・・では、会場の様子はどうだ?」


「違和感や疑問を感じたことなら何でも良いから言ってくれ」


「・・・違和感や疑問ですか?うーん・・・」







私が再度尋ねると彼はまた唸りながら回想を始める。







「・・・と言っても俺たちは長時間小さな部屋の前で突っ立ってただけでしたからねぇ」


「正直あまり話すような事はないんですよ」


「・・・あっ!でもそういえば・・・」







その時彼は何かを思い出したかのように、高い声を上げた。







「違和感というか、ちょっとドン引きしたようなことがありましたよ」


「・・・俺たちの仲間である“ラルフ“が目撃したらしいんですがね」


「会場に設置されている化粧室で泥酔して倒れていた兵士が何人かいたらしいんですよ」


「連盟職員に介抱されていましたが、よく任務中に酒を飲めるものだと逆の意味で感心したのを覚えてますよ」


「・・・なに!!?」







今の情報は私にとって衝撃的だった!

兵士が酒を飲んでいたということにではない。

事件後、化粧部屋の更衣室の中から何人もの兵士の遺体が発見されたからだ。

実はゲイル殿の遺体もその中から出てきたものだった。

目撃された場所が化粧室というのが引っかかる・・・

偶然にしては出来すぎている・・・

何か関連性があるのは間違いないだろう。

介抱していたという連盟職員に後で尋問しなければなるまい!

私が驚愕している中でクルトはさらに驚きの話を続ける。







「・・・あと強いて言えば、ルーン結界の部屋に見慣れない坊主が来たことくらいですかね」


「・・・坊主だと?」


「ええ、シルクハットを被った眼鏡の坊主が来たんですよ」


「背は160cmくらいと小柄で、15・16歳くらいの好奇心旺盛なマセガキって感じのやつですよ」


神の酒ネクタルとその落札者についてやたら聞いてくる奴でしてね」


「俺たちが交代を小隊長殿に告げられる直前まで話していたからよく覚えていますよ」


「・・・・・!」







今の特徴を聞いて私の頭にあの少年の姿がパッと思い浮かんだ。

エノク・フランベルジュ・・・

彼が生存者の1人だという報告が来た時は、驚きと同時に安堵の気持ちでいっぱいになった。

彼が知己の弟子だということもあるし、個人的にあの少年の事は嫌いではなかった。

自分が信じるものへ真っ直ぐに情熱を傾けることが出来る少年。

私からとうに失われた純朴さを彼は持っていた。

そういう意味で応援したくもあったのだろう。

先日彼が囚われた時には王妹殿下の大赦を利用して、一晩だけ地下牢に拘留という形にしたのだった。

だが、それが彼の命を脅かすことになるとは思わなかった・・・

地下牢からの脱出者で生き残ったのは僅か“2名“という報告を受けた時、私はショックを隠しきれなかった。

私の裁断によって結果的に彼を殺してしまったのではないかと後悔の念が私を襲ったのだ。

幸いなことに彼がその2名のうちの1人だと分かった時は、思わず安堵のため息を盛大に漏らしてしまう。

あの時周囲にいた団員達が驚きの表情で私を見ていたのは内緒だ・・・







「・・・その少年のことは少し気になるな」


「一応確認なのだが、その少年の髪の毛は栗色だったか?」


「さらに、着ていた服は前袖が短いフロックコートで、下に履いていたズボンは白だった」


「え、ええ・・・その通りです。よくご存知で」


「・・・もしかして、お知り合いの方ですか?」


「ちょっと心当たりがあったものでな・・・その少年については私の方でも後で調べるとしよう」







やはりエノクで間違いない。

それにしてもまさかあの少年がこんな所にも顔を出しているとはな・・・

先日の尋問でエノクは事件と関係ないことをミーミルの泉が示してくれている。

ルーン結界の部屋に来た理由も、ネクタルの落札者の情報を得るためと見て間違いないだろう。

彼は事件の貴重な生還者であり目撃者でもある。改めて事件当時のことを色々と聞かねばなるまい。

エノクには既に通達を出しており、今日の午後に出頭してくるはずである。







「・・・クルトよ、最後にもう1つ確認しておきたいことがある」


「ゲイル殿を含め、更衣室で発見された遺体には“巫女の腕輪ヴォルヴァ・バングル“がなかったそうだ・・・」


「あの日ゲイル殿は腕輪を身につけていなかったか?」


「え?・・・いえ、そんなはずありませんよ。小隊長殿含め俺たちは全員身に付てたはずです」


「巫女の腕輪は王国軍の支給品ですし、腕の立つ魔法技師に作らせた特注品ですからね」


「あれがなきゃ俺たちの持ち味を活かせないし、任務のときには肌身離さず身に付けてましたよ」


「・・・多分、犯人に奪われちまったとかじゃないですかね?」


「・・・うむ、そうだな。私もそう思う」







クルトの言葉に私も頷く。

・・・確かに、当初から身につけていなかったとは考えにくい。

ルーン結界は王宮の警備レベルが高い施設では漏れなく張られている。

重要施設の警備の際、腕輪を身につけることは王国の兵士にとって日常的なことだ。

遺体となって発見された者全員が忘れたとも考えにくい。

やはり内部犯に奪われたと見るのが妥当だろう。







「・・・クルトよ、質問は以上だ」


「貴公のおかげで事件の真相が少し掴めた。協力感謝する!」







私は感謝の言葉を口にしながら、彼に握手を求める。







「いえ、そんな・・・俺は大したことはしてませんよ」


「・・・でも、クラウディア団長の御役に立てなんなら、俺も鼻が高いですよ」







彼は頭の裏をかきながら、もう一方の手で私の手を取る。

私達は握手を交わすとそのまま席を立った。







「アイナ!彼を入口まで送ってやれ」


「はっ!」







アイナにそう命じた後、私とクルトはお互い敬礼を交わした。

彼はアイナに連れられそのまま部屋を出ていく。







ガチャン!







「・・・・ふぅ」







クルトの取調べが終わると、私は椅子にもたれかかった。

そのまま上体を大きくそらしながら一息つく。







「・・・団長お疲れ様でした」


「少しゆっくりされてはどうですか?」


「昨日も夜遅かったのですから・・・」







取調べ内容を筆記していたキースが私に労いの言葉をかけてくる。







「そうしたいのは山々なんだがな・・・」


「他の団員が必死になって手がかりを探している時に私だけのんびり休むわけにも行くまい」


「それに、犯人や神遺物の手がかりはまだ何も掴めていないのだ・・・」







目頭を押さえながら彼にそう返事をする。

遅々として進まない捜査の事が頭から離れそうもない。

休もうと思っても、目が冴えて勝手に起きてしまう。

まだ捜査を続けていたほうが気が休まるくらいだ。







「・・・有力な目撃情報はあれからあったか?」


「・・・いえ、残念ながら」







私の問いかけに、キースは浮かない顔をして首を振る。







「まともな情報はないに等しいです」


「王妹殿下の公示後、何人もの情報提供人がここを訪れておりますが、いずれも信頼に足るものはありません」


「比率としては3割が真偽が不明だが信頼性の低いもの。5割が明白なガセネタ」


「そして残り2割が襲撃犯を討ち取ったと申告してきて、魔物の一部や武具の一部を証拠として提供してくる者達です」


鑑定アナライズするまでもなく、報告にあった巨人の物とは全くの別物でしたが・・・・」







キースは眼鏡を押さえながら、やれやれと言った感じで嘆息をした。

情報提供者は一日当たり百人を超えているが、有力な情報は未だに得られていない。

100人来たら70人は一目で嘘だと分かる情報を提供してくる者たちばかりだ。

しかし、エレオノーラ様が情報提供者を厚く遇するという告知をした手前、彼らを門前払いするわけにもいかない。

彼らには食事などで丁重に持て成した上でお帰り願っているが、対応する方はたまったものではない。

現在、我が騎士団の半数以上は情報提供者の応対に追われている状態だ。

キースが嘆息するのも当然だろう。







「すまないなキース。情報の取りまとめを一任させてしまって・・・」


「お前にはいつも苦労をかける」


「・・・ふふっ。いいんですよ」


「私が好きでやっていることですから・・・」







キースが私の言葉に微笑みながら、眼鏡のブリッジをクイッと上げた。

彼の名前は“キース・モールディング“。

我が第9近衛騎士団の書記官兼法務官兼財務官である。

女性の団員で構成されている我が騎士団の唯一の男性職員だ。

彼は輜重部隊である第5小隊の隊長でもあり、

文字通り我が騎士団の事務・兵站を一手に引き受けているエリート官僚である。

私もエミリアも外で動き回っていることが多いため、騎士団の運営は事実上彼に委ねられていると言っていい。

私がいなくなってもエミリアが職を代行できるだろうが、彼の代わりとなる者はいない。

そういう意味でいえば騎士団の最重要人物はこのキースと言えるだろう。

正直我が騎士団には勿体ないほどの人物である。

キースだったら内務省で大臣の補佐官としてもやっていけると思うのだが、

何故かその地位を蹴ってまで、彼はここに志願してきたのだ。

私としては願ってもない事だったのだが、彼の将来を考えたら引け目を感じてしまうことがある。







「・・・では、団長。私はこの後来客の応対に回らせて頂きます」


「午後の筆記はディーナに任せておりますので、後のことは彼女にお尋ね下さい」


「・・・分かった。お前も無理はするなよ」


「私に構わず適度に休め」


「はっ!ありがとうございます。失礼いたします」







ガチャン!







キースが敬礼をして部屋を出ていった。

後に残されたのは私とグレースのみだ。

私は懐中時計を取り出して現在時刻を確認した。







12:15







エノクが来訪するまで少し時間があるな・・・

今のうちにリーファ殿に会って、今後のことを相談しておこう。

クルトが先程話していた連盟職員の件もある。

連盟とのやり取りは配慮を要することが多々あるため、彼女を通したほうが良い。

私はそう思い立つと席を立った。







「・・・グレース。これからリーファ殿に会いに行く」


「お前もついて来い」


「はっ!お供いたします!」













ガチャン!







グレースを伴い騎士団詰所を後にして、ヘルヴォルの館へ向かう。

今日のリーファ殿は侍従長へ経過報告に行っているはずだ。

王族の側近として使えている侍従は逐一その統括である侍従長に報告する義務がある。

侍従長は国王陛下の顧問大臣と同格であり、王族の情報は全て侍従長に集まる構造になっているのだ。

リーファ殿に話す内容を思い浮かべながら、ふと気になっていたことを私は思い出す。







「そう言えばなんだが・・・」







私は振り返り、後から付いてきていたグレースに声を掛けた。







「兄君の所在はその後分かったのだろうか・・・?」







グレースの兄、確かアラン・ホーカンソンと言ったか・・・

彼は現在行方をくらましていた。

・・・グレースの心情を考えると、兄の所在を尋ねるのは少し気が引ける。

これから実の兄に尋問する事になるかもしれないからだ。

しかし、まともな情報が得られていない現況の中では、生還者の証言は何よりも貴重だ。

グレースの兄君はエノクと同じく地下牢からの生還者だと言うし、彼の証言は必ず聞いておかねばならなかった。

私の問いかけにグレースは眉をひそめると渋々と言った感じで言葉を返してきた。







「兄ですが・・・正直とてもではないですが隊長の力になれるとは思えません」


「あれはハッキリ言って阿呆の極地に位置している男です」


「まともな人間が相手してはいけない人物なのです」


「例え事件の重要参考人だとしても、兄の証言は信頼に足るものではありません」


「また、兄だったら自己暗示をかけてミーミルの泉にも引っかからないかもしれません・・・」


「あれに会うだけ、正直時間の無駄かと思うのですが・・・・」







グレースは自分の兄のことをボロクソにこき下ろしてきた。

いったい何があったというのだろうか・・・?







「グレース・・・お前たち兄妹の間柄に私が口を出すのもあれだが、そんなに兄君のことを悪く言うものではない・・・」


「お前にとっては唯一の肉親だろう」


「あの日、兄君が何をしたかは知らないが、特に問題を起こしたという報告もない」


「流石に牢獄に入れたというのは、兄への感情を少しスネらせ過ぎていないか?」


「もう少し、兄に対して素直になったらどうなのだ?」


「・・・は・・・はっ!申し訳ありません・・・」







私の叱責にグレースが肩を落とす。

事件の事を調べているうちにグレースの兄の事も私は知った。

彼は何か犯罪を犯した訳でもなく、グレースに牢に入れられたという。

その理由をグレースに聞いたら兄が問題行動を起こす前に閉じこめたという話だった。

やれやれ・・・いくら肉親の間柄だとはいえお騒がせなことだ。







「それで話を戻すが兄君の行方は分かったのか?」


「私としては是非とも事情聴取をさせて貰いたいのだが・・・」







グレースに再度私は尋ねた。

アラン・ホーカンソンは地下牢からの生還者の2名の内の1人だった。

あの襲撃事件が起こった翌日、会館の外で吟遊詩人の格好をした見慣れない男の姿が目撃された。

近くにいた兵士が詰問をしたところ、グレースの兄だということが判明したらしい。

彼はしばらく王都の宿に滞在していたのだが、1週間ほど前にふらりと何処かに消えてしまった。

彼には出頭令が下ることは通達していたし、国外への渡航を禁止していたにも関わらずだ。







「それが、大変申し上げにくいのですが・・・」







グレースは浮かない顔をして話を続けてくる。







「・・・実は、昨日兄から手紙が送られてきました」


「それによると、やはり兄はすでに国外に脱出してしまったようなのです・・・」


「・・・うっ、やはりそうか」







グレースの言葉は私の予想の範疇だった。

私はグレースの兄とは面識がないが、会場で吟遊詩人の格好をした者がいた事は覚えている。

あれだけ目立つ格好をした者が消息を断ったのだ。

既に国外にいる可能性のほうが高い。







「隊長!本当に申し訳ありません!」


「兄の不手際は私の責任でもあります!」


「お暇を下されば、今すぐにでもあの大うつけを追いかけて連れ戻しに行く所存です!」


「そして、そのままもう一回牢にぶち込んでやりますので!!」







グレースがずいっと私に近づき、鼻息荒く私に上申してきた!

彼女の瞳が髪色と同じく赤く燃え上がっていた・・・

私は彼女を落ち着かせるべくポンポンと肩を叩く。







「・・・おいおい。落ち着け!流石にそこまでしなくていい!」


「あくまで重要参考人として聴取をしたいだけなのだ」


「彼はカーラ王国の人間でもないし、既に国外に脱出しているというのなら話は別だ」


「無理にしょっぴいてくれば、それこそ現地の法に引っかかるだろう」


「・・・そ、そうですよね。捕まえちゃ駄目ですよね・・・・」







グレースは私の言葉を残念そうに反芻する。

捕まえたかったのか・・・?







「代わりと言っては何だが・・・お前の兄君から来たという手紙を見せてもらっても構わないか?」







私が手紙を見たいと述べるとグレースは眉をひそめて、首を縦に振らなかった。







「え?あ・・・そ、それは、見せないと駄目なのでしょうか?」


「正直、隊長の気分を害するのではないかと気が引けます・・・」







・・・まあ、自分宛の手紙を他人に見せるのは気が引ける。

グレースの気持ちも分からんではないのだがな・・・

今は公私を問わず是非協力してもらいたい。

私はグレースを見据えると、彼女を説得した。







「そんな事で気分を害すことはない」


「それに、事件に関わることが書かれているかもしれんから、是非見せて欲しいのだ」


「これは命令でこそないが、私からの強い要望だ」


「・・・うっ・・・わ、わかりました。そこまで隊長が仰るのなら・・・」







グレースが渋々と受け入れる。

彼女は手甲の中から折りたたまれた手紙を出すと、それを広げ私に手渡してきた。







「ど、どうぞ・・・」


「うむ。すまない・・・」







手紙を受け取った私は、早速手紙の内容を読み始めた。







ペラ







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親愛なる我が妹へ



この胸の焦燥は恐らく終末の訪れが近いことを意味しているかも知れぬ。

今私はカーラの地から離れ、孤高なる未知の旅に出ている最中だ。

原罪を償うために私は太陽が上るあの地平線の彼方を今まさに目指している!

ああ・・・なんて罪深いのだ、私は。

我が最愛なる肉親。赤き薔薇の乙女を残して私は立ち去らねばならない・・・

生まれて此の方、こんなに苦しくなった事はない!

こんなに足が重たくなったことはない!

こんなにも誰かを愛おしく思ったことはない!

運命の女神が再び私達を交わせてくれる事をただ願うのみだ。

どうか止めないでくれ妹よ!

これは私の悲願であり、使命であり、宿命なのだ!

私は暗い闇が宣告されたこの世界を見守る為に旅立たなければならないのだ。

恐らくこれが今生の別れになるだろう。

だが、悲しむことはない。我々の魂は常にこの世界に留まりそして流浪する。

それはすなわち我々が同じ空、同じ大地、同じ空気を共にしている事を意味するのだ。

ゆえに私は常にお前とともにある。

旅行く先でお前の事を想って詠うとしよう。

例えどんなに離れていようとも私の詩が風とともにお前に言伝を知らせるだろう。

詩は悠久な時を超えて語り継げる不滅なる風の記録である。

これを持って私は“ネフィリムの山脈“の向こう側へと挑み、失われた伝説の解明に挑むとしよう。

私の身は滅びるかもしれないが、私と我が父“ホーカン“の名は不滅のものとなる。

お前も偉大なる父の名に恥じぬよう己が宿命を果たすべく生きろ。

さらばだ我が妹よ。

お前のこれからの人生に幸あらんことを。



ドレイクスレイヤーホーカンの子 アラン・ホーカンソン







✁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈(切り取り線)┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





↑こっから上を切り取って上司の人に渡してね♪

これを渡せばお兄ちゃんが居なくなった理由も上司の人が納得してくれると思うから(^_-)パチン-☆

グレースちゃんに被害が及ばないように配慮したんだ♪

お兄ちゃんの完璧な演出の手紙凄くな~い?( *´艸`)ウフフ

ところでグレースちゃんは、アランお兄ちゃんの事をきっと心配してくれていると思いますが、僕は大丈夫です。(*´꒳`*)

今、ミンツの町を出港し船の上からこの手紙を書いていますが、とっても元気にやっているよ♫

ちょっとうっかりしてカーラ王国から間違って出ちゃったのはご愛嬌(・ω≦) テヘペロ

なお、行き先は秘密です♪



麗しのお兄ちゃんより。愛を込めて♪(´ε` )♡



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グシャ!







「グレース!私が許可する!!」


「今すぐ追いかけて、奴を引っ捕らえてこい!!!」


「・・・ええっ!!?」













「・・・では、リーファ殿そういうことでお頼みいたします」







私はリーファ殿に軽く頭を下げた。

例の商人ギルド連盟の職員についての調査を進めるに当たり、

リーファ殿に根回しをしてもらう為だ。

カーラ王国の兵士に尋問するとは訳が違う。

商人ギルド連盟の全職員並びに加入している商人達は、その活動において高度な自治権を有している。

おいそれとそこらにいる職員や商人を連行して尋問なんて掛ければそれだけで問題に発展してしまう恐れがある。







「ええ、分かりました」


「今度マイアー殿が王妹殿下を尋ねられた際に依頼しておきましょう」


「恐らく数日のうちには返事が来るでしょうから、それまではお待ち下さい」







リーファ殿が柔らかい笑みをたたえながら私に返答をしてきた。







・・・流石リーファ殿だ・・・私も見習わなくてはな。







エレオノーラ様と同様リーファ殿も周囲から得も言われぬ冷たい視線や詰問に晒されているはずだ。

だが、お二人は何事もなかったかのように振る舞っておられている。

その胆力と忍耐力、そして冷静さは我が騎士団の団員たちにとって見本ともいうべきものだ。

私も公の場ではその様に振る舞っているが、緊張の連続と捜査の停滞さが私の行動に余裕を無くしていた。

・・・差し迫った時ほど、人は内面の人間力が問われるという。

私はそういう意味ではまだまだだ・・・

自分では上手くやっているつもりだったが、こうも簡単に化けの皮が剥がれてしまった。

いかなる時にも優雅に上品にが我が騎士団のモットーだというのに、これで団長とは聞いて呆れる。







ふっ・・・もっとも私の本性を考えたら、

騎士団の団長など端っから向いていないことは分かっていたのだがな・・・







自分の行動を振り返りながら自嘲気味に笑ってしまう。

・・・私は他者に対する哀れみや情と言った感情が人より欠落しているのかもしれない。

時に人の心が無くなってしまったのではないかと思うほど、何も思わないことがある。

痛覚が麻痺していると言ってもいい。

・・・なんせ“人を斬り殺しても“何とも思わないのだからな。

戦闘の時限定の状態ではあるのだが、あの状態の時の私は自分でも薄ら寒くなるほど何の感傷も湧かなくなる。

兵器として作り出された魔導人形オートマタのようにただひたすらに剣を振るって対象を切り捨てる。

人を光と闇の2属性に分類したら、私は間違いなく闇に属するだろう。

いつから私はこんな状態になったのか今では思い返すことも出来ない。







「リーファ殿ありがとうございます」


「それと最後にもう一つ・・・王妹殿下にご伝言をお願いしたいのです」


「“決してご無理はなさらぬように。御身の身体は御身だけのものではない事をご自覚ください“」


「“御身はカーラ全ての民達の拠り所であり、国としての体を成すために必要不可欠なのです“」


「“御身が倒れてしまったらカーラが倒れるも同然。それを肝に銘じご自愛下さいませ“」


「・・・そうクラウディアが言っていたとお伝え下さい」


「・・・分かりました。伝えておきましょう」







私の言葉に神妙な顔つきでリーファ殿が頷いた。

現在、殿下の護衛はエミリアが専任で務めている。

その為、私は殿下とお会いする機会が無くなっていた。

ここ最近の殿下は毎日顧問大臣や、商人ギルド連盟、そして各ギルドの長たちとの会議に忙殺されているようだ。

それこそ寝る間も惜しんで公務に打ち込んでおられると聞く。

体調を崩されないといいが・・・







「・・・お願い致します」







私は彼女に軽く一礼をすると、そのまま席を立った。







ガタッ







「では、リーファ殿。私はこれにて失礼いたします」


「お役目ご苦労様でした。クラウディア団長」


「・・・一刻も早く神遺物の手がかりが得られるよう、私も手を尽くしましょう」


「ありがとうございます」







私はリーファ殿にお礼を述べると、彼女の上品な笑みに見送られながら部屋を出た。







ガチャン







・・・さて。思いのほか長くなってしまったな・・・


もう、戻らねばならないな・・・







私が懐中時計を確認すると既に午後2時を回っていた。

騎士団詰所に戻るべく、ヘルヴォルの廊下を私は歩いていく。

廊下に数多の芸術品が並べられているにも関わらず今の私の視界には入ってこない。

頭の中はエレオノーラ様の事で一杯だった。

・・・殿下はカーラの為になるなら自分の身を犠牲にすることを厭わないお人だ。

ノブレス・オブリージュの概念で見たら、殿下はまさに理想の王族。

その気高い意志と行動力に多くの者から信奉を集めている。

私ももちろんその中の1人だ。







「殿下は自分の影響力の大きさをもう少し自覚すべきだ・・・」







ポツリとそんな愚痴を漏らしてしまう。

私にとってエレオノーラ様は自分の行末を指し示してくれる“標“のような方だ。

今殿下の身に何かあったら、それこそカーラは大混乱に陥るだろう。

殿下は自身を何人もいる国王の兄妹の内の1人としか見ていないのだが、民はそう思っていない。

民というのは王家の噂に想像以上に敏感なのだ。

だれが本当に英邁な君主であるのかは機敏に察することが出来る。

現在、カーラが国としての体裁を保っているのは間違いなくエレオノーラ様のおかげだ。

15年前のクレンヴィル家が起こした大反乱の後にカーラ国内は荒廃を極めた。

地方の貴族たちがその後続々と反乱を企てようとしたが、それを食い止めたのが文字通りエレオノーラ様だったのだ。

殿下がいなければ、今頃カーラは完全に分断されていただろう。







「なんとか殿下をお助けせねばなるまい・・・」


「その為には・・・多少の無理強いはやむを得ないか・・・」







誰もいない廊下をぶつぶつと呟きながら私は歩いていた。

もし、グレースやアイナがいたらきっと私をギョッとした顔で見つめたことだろう。

やはり最近の私は余裕がなくなっている。

胸の中に疼く焦燥感がいつまでも消えないでいる。

・・・こんな事は初めてと言っていい。

今の殿下の立場の危うさが、そのまま私の焦りを誘引していると言っていい。







早く結果を出さなければなるまい・・・!

王宮に巣食う悪しき者が、殿下に毒牙をかけようとする前にな・・・!!







自然と歩を進める足にも力が入る。

・・・私が歩くスピードをさらに速めようとした時だった。







「・・・おや?フィリアではないか」


「何をそんなに急いでいるのだ?」







私を“フィリア“と呼びかける声が後方から聞こえてきた。

私を接辞名で呼ぶのは、私と親しい人間か私より爵位が上の王族からしか呼ばれないはずである。

声のした方に振り返ると、そこには黒髪の貴公子が立っていた・・・







「・・・お前がヘルヴォルの館に来るとは珍しいな」


「ふふっ・・・ついに俺に抱かれにでも来たのかな?」


「・・・・・で、殿下!」







声の主は私がよく知る人物だった・・・

背は180cmと私より10cmほど高く、その眼光はギロリと獲物を狙うかのように私を捉えていた。

その衣服を見たらこの国で最も高貴な人物であることが一目で分かる。

白いコートにウェストコート、そしてブリーチズには金糸ブレードが惜しげもなく装飾され、

腰には宝石が万遍なく散りばめられた宝剣レガリアを帯びていた。

そして後ろに身につけている特別な赤い外套。国章であるヘルヴォルの楯が刺繍されている。

それはこの国を背負う証だった。

・・・彼は“アーダルベルト・デュナミス・フヴェズルング・カーラ“。

国王陛下の嫡男にして、次期王位の正統後継者である。







「・・・何をそんなに驚いている。相変わらずつれない奴だ」


「俺は悲しいぞフィリア」


「久方ぶりにお前に会えて俺はこんなに嬉しいというのに!」







アーダルベルト殿下が、首を振りながら大げさに落胆の色を示す。

それを見てオーバーリアクションだなと思いながらも、私は挨拶を返した。







「・・・王太子殿下。ご機嫌麗しゅう」


「いえ、突然お声掛け頂いたので驚いてしまっただけでございます」


「私も殿下に久方ぶりにお会いできて嬉しいですわ」


「それに以前より益々凛々しく、そして活力がみなぎられているご様子」


「“配下の一人“の身と致しましては、これに勝る喜びはございません」


「国王陛下も今の殿下のご様子をご覧になられて安心されていることでしょう」







敬礼をしながら、述べたくもない社交辞令を並べ立てる。

一番会いたくない奴に会ってしまった・・・・・くそっ!







「ふふふっ・・・分かるかフィリア?」


「ああ、俺は元気だとも!」


「長らく患っていた胸のつかえが取れたのかのように清々しい気分になったのだよ」


「・・・何故だか分かるか?」


「・・・いえ、恐れながら」







私は畏まりながら、首をゆっくりと振った。

殿下は私の反応を見てニヤリと口角を上げる。







「叔母上(エレオノーラ)の化けの皮がついに剥がれたからさ!!」


「俺はいつも苦々しく思っていた!」


「先王の末子の分際で身の程を弁えず、奴が国政に干渉しすぎていることをな!」


「あれでは正当性の序列が乱れるというのに、父上や周りの人間は誰も諭そうとしない!」


「・・・だが、今回のことで父上や大臣達もようやく目が覚めただろうさ!!」


「誰が本当にまつりごとを主導すべきなのかをな!!!」


「・・・・・」







殿下のヒステリックな声が私の耳に障る。

彼は勝ち誇った笑みを浮かべて優越感に浸っていた。

その器の小ささに私は呆れて何も言葉が出なかった。







国家の大事だというのに、同族の不幸を見て喜ぶとは・・・

これでは亡国の徒も良いところだ。

これがこの次の国王とはな・・・・・







呆然としていた私に殿下はさらに言葉を続ける。







「ふふっ!奴はもうおしまいさ」


「そのうち王族の席からも抹消されるだろう」


「お前も身の振り方をよく考えたほうがいいぞ?フィリア」


「・・・だが、安心しろ。叔母上と違い、お前の事は俺は気に入っている」


「改めて我が婚約者として。お前のことを迎え入れてやろう!」







そう言って彼は私に手を差し伸べてきた。

だが、私はその手を取らず首を横に振る。







「・・・それは以前、騎士団の勤めがあるからお断りしたはずです。殿下」


「それに今の私には果たすべき任務があります」


「・・・・・まだ、そんなおままごとをやっているのか!」







そう言って不快感を顕にすると、殿下は私の方にゆっくりと近づいてきた。

その歩みこそ遅いが、彼は途中で止まろうとしない。

そのまま私のパーソナルスペースに躊躇なく踏み込んできた!







「・・・・っ!」







ズサッ・・・







私は後ずさりながら、壁に追い詰められる。

突然の殿下の行動に驚き、私は満足に対応が出来なかった。







クイッ







殿下に見下ろされながら、私の顎が持ち上げられた。

お互い少し顔を近づけたらキスが出来る距離まで近づかれる。

殿下の狂気に満ちた瞳が私の顔を捉えた・・・・







「騎士団などもう辞めろ!お前の身体に傷が付いても困る」


「父上の退位の日も近い。俺の戴冠と同時にお前には我が后となってもらう」


「マリュス公には既に了解を貰っている。お前も覚悟を決めるのだな!」


「・・・えっ!!?」







そんな馬鹿な・・・!!

私に何の相談もなく父上がそんな事をお決めになるとは!







「ふふっ・・・お前と交わる日が楽しみだ・・・」


「その美しい顔がどのように喘ぐ姿を見せるのか、今から想像するだけで堪らなくなる」


「・・・・っ」







チュ







囁くようにそう言うと、殿下が私の首筋にキスをした。

その瞬間私の全身に悪寒が走る。







「ではな!フィリアよ!その日まで息災でいろよ!」


「お前はもう俺のものだ!」


「・・・あはははは!!」


「・・・・・」







高笑いとともに殿下は遠ざかっていった。







To Be Continued・・・
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