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二
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次の日屋上への扉を開けると昨日の生徒がいたので驚いたが相手は驚いてなかったので安心した。
「本当に来たんですね。教えてくれるんですか」
「おう、そのつもりで来たけど、俺は一体何を教えればいいんだ? 分からないことが分からなければ教えようにも教えらんねえよ」
確かに。それもそうだな、と言っても僕は授業は真面目に聞いているから理論はほぼ完璧に理解してる。
いつも点数が低いというかゼロに近いのは1番大事な魔術を使う実技試験だからこれを教えてもらいたいが出来るのだろうか。ここ屋上だし。
「うーん、そうですね、魔術が使えるようになりたいときは何をしたら良いんでしょうか。あ、理論的には完璧なんですけど教科書通りにしても上手く出来ないんですよね」
「それはお前、全く魔術が使えないってことか? この学校にいるってことは魔力がないわけでは無いよな……。実技の授業は何をしているんだ? ……色々分からんがとりあえず杖を出してみろ」
杖……。最初の授業のときにお前は魔術を使うのに値しないとかなんとか言われて上流階級の坊ちゃんに折られたんだよな。実技の教師は権力が怖いのか何も言ってこないしそれ以来僕はひたすら話を聞くことしか出来ていない。
一応杖が無くても出来るらしいがそれは酷らしく形を真似て呪文を唱えるだけで毎回授業は終わってしまう。
「あー、忘れてきたみたいです。昨日の今日であなたがいると思わなくて。すみません」
持って来れなかったんだから忘れたと言っても本当のことだ。嘘は吐いてない。
それで、そんなにびっくりすることか?この人はこの表情がデフォルトなのかもしれないな。
「そっか、杖を持ち歩かないやつは初めて見たけどお前変わってるもんな。んー、そうだ俺の杖やるよ。新品ではないけど使えないことは無いはずだ。おまけにテストで満点を取った経験もあるぞ」
と言って相手が渡してきたので受け取る。
条件反射で受け取ってしまったが杖はかなり高価だ、この人は特に高価な物を使ってる気がする。こんなホイホイ渡して良いもんじゃない。
第一この人はどうやって魔術を使うんだ。おまけにNoirってこの人の名前入り? じゃないか!
「いやいやいやいや! こんな高価そうなもん貰えませんよ! あなたはどうやって魔術を使うんですか!? おまけに名前も入ってるし!」
「良いんだよ、それもう古いヤツだから。新しいの買おうと思ってたとこだし丁度いい。それに俺、杖無しで魔術使えるしな。そうそう、それ俺の名前な。言ってなかったなノアだ。家名は好きじゃないから言わん。そういや聞いてもなかったな、お前、名前は?」
「あなたはそうサラッと凄いことを言ってくのなんなんですか! アルですよ! 家名は平民なので無いです! 杖はありがとうございます!」
「昨日会ったときは生気無さそうな声してたのに今日は元気なんだな。まあ元気なのは良いことだ。感心感心。んじゃ、アル、始めんぞ」
何か雰囲気が変わったような気がする。まだ何もしてないのにもう魔術を使ってるような気分になってきたな。
「魔術を使えないって全く使えないってことか? 構え方は分かるよな、魔術はイメージが重要なんだ。形がしっかりしてればイメージもしやすくなるんだよ、いつもはどんな感じで構えてるんだ?」
先生とか他の生徒の魔術を使ってるところは見たことがあるから大体の構え方は分かるし真似してたこともあるが自分は魔術を使ったことがないため合ってるかは分からないけど……。
確か足は45度くらい、腕はこのくらいの高さでこのくらい開いて……
「ぶはっ、ぎこちねえな、ロボットみてえだぞ。おもしれえ、でも中々良いと思うぞ、腕をもっとこっちに持って来てっと、くくっロボットに近づいたなっ、ごめんごめん、そんで肩の力を抜いて杖の方に自分の魔力を流し込むことをイメージするんだ」
人の体で遊ばないで欲しい、ロボットとか意味分からないし。杖の先に魔力を? 魔力の流れがそもそも分からない……。
「ああ、魔力の流れを掴むことが先かもしれねえな、ちょっと手借りるぞ。……そんな警戒すんなって。悲しいなー」
自業自得だ。
でも教えてくれる気があるのは分かるので耳を傾けて相手に集中する。
だんだん手が温かくなってきてそこから身体中に熱が駆け巡るのを感じる。
びっくりして手を引っ込めそうになるも掴まれたまま離せない。
「その顔は上手くいったっぽいな、これが魔力の流れだ、あーちょっと待て、大丈夫だから。安全第一だから。そのまま魔力に集中して流れてる感覚を覚えろ」
そうか、これが魔力なのか、自分の中に魔力があることを初めて感覚的に知れて嬉しい。
魔力の流れもありぽかぽかして何だか温かい気持ちになってきて、眠くなってきたな……。
「おい、大丈夫か? 暖かくなって寝るとか子供じゃあるまいし。そんな幸せそうな表情されると起こしづらいじゃないか。今日はやめとくかー? おーい、本題に入れないぞー」
眠気には抗えないんだ、ごめんなさい。お昼休みだし、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだから。
「もう夢の世界に居るのか? これ、今日は無理そうだし風邪引きそうだな。……。あーさむっブレザーは後で返せよ。授業遅れても俺のせいじゃないからな。疲れてんなら1日くらいサボればいいさ」
「本当に来たんですね。教えてくれるんですか」
「おう、そのつもりで来たけど、俺は一体何を教えればいいんだ? 分からないことが分からなければ教えようにも教えらんねえよ」
確かに。それもそうだな、と言っても僕は授業は真面目に聞いているから理論はほぼ完璧に理解してる。
いつも点数が低いというかゼロに近いのは1番大事な魔術を使う実技試験だからこれを教えてもらいたいが出来るのだろうか。ここ屋上だし。
「うーん、そうですね、魔術が使えるようになりたいときは何をしたら良いんでしょうか。あ、理論的には完璧なんですけど教科書通りにしても上手く出来ないんですよね」
「それはお前、全く魔術が使えないってことか? この学校にいるってことは魔力がないわけでは無いよな……。実技の授業は何をしているんだ? ……色々分からんがとりあえず杖を出してみろ」
杖……。最初の授業のときにお前は魔術を使うのに値しないとかなんとか言われて上流階級の坊ちゃんに折られたんだよな。実技の教師は権力が怖いのか何も言ってこないしそれ以来僕はひたすら話を聞くことしか出来ていない。
一応杖が無くても出来るらしいがそれは酷らしく形を真似て呪文を唱えるだけで毎回授業は終わってしまう。
「あー、忘れてきたみたいです。昨日の今日であなたがいると思わなくて。すみません」
持って来れなかったんだから忘れたと言っても本当のことだ。嘘は吐いてない。
それで、そんなにびっくりすることか?この人はこの表情がデフォルトなのかもしれないな。
「そっか、杖を持ち歩かないやつは初めて見たけどお前変わってるもんな。んー、そうだ俺の杖やるよ。新品ではないけど使えないことは無いはずだ。おまけにテストで満点を取った経験もあるぞ」
と言って相手が渡してきたので受け取る。
条件反射で受け取ってしまったが杖はかなり高価だ、この人は特に高価な物を使ってる気がする。こんなホイホイ渡して良いもんじゃない。
第一この人はどうやって魔術を使うんだ。おまけにNoirってこの人の名前入り? じゃないか!
「いやいやいやいや! こんな高価そうなもん貰えませんよ! あなたはどうやって魔術を使うんですか!? おまけに名前も入ってるし!」
「良いんだよ、それもう古いヤツだから。新しいの買おうと思ってたとこだし丁度いい。それに俺、杖無しで魔術使えるしな。そうそう、それ俺の名前な。言ってなかったなノアだ。家名は好きじゃないから言わん。そういや聞いてもなかったな、お前、名前は?」
「あなたはそうサラッと凄いことを言ってくのなんなんですか! アルですよ! 家名は平民なので無いです! 杖はありがとうございます!」
「昨日会ったときは生気無さそうな声してたのに今日は元気なんだな。まあ元気なのは良いことだ。感心感心。んじゃ、アル、始めんぞ」
何か雰囲気が変わったような気がする。まだ何もしてないのにもう魔術を使ってるような気分になってきたな。
「魔術を使えないって全く使えないってことか? 構え方は分かるよな、魔術はイメージが重要なんだ。形がしっかりしてればイメージもしやすくなるんだよ、いつもはどんな感じで構えてるんだ?」
先生とか他の生徒の魔術を使ってるところは見たことがあるから大体の構え方は分かるし真似してたこともあるが自分は魔術を使ったことがないため合ってるかは分からないけど……。
確か足は45度くらい、腕はこのくらいの高さでこのくらい開いて……
「ぶはっ、ぎこちねえな、ロボットみてえだぞ。おもしれえ、でも中々良いと思うぞ、腕をもっとこっちに持って来てっと、くくっロボットに近づいたなっ、ごめんごめん、そんで肩の力を抜いて杖の方に自分の魔力を流し込むことをイメージするんだ」
人の体で遊ばないで欲しい、ロボットとか意味分からないし。杖の先に魔力を? 魔力の流れがそもそも分からない……。
「ああ、魔力の流れを掴むことが先かもしれねえな、ちょっと手借りるぞ。……そんな警戒すんなって。悲しいなー」
自業自得だ。
でも教えてくれる気があるのは分かるので耳を傾けて相手に集中する。
だんだん手が温かくなってきてそこから身体中に熱が駆け巡るのを感じる。
びっくりして手を引っ込めそうになるも掴まれたまま離せない。
「その顔は上手くいったっぽいな、これが魔力の流れだ、あーちょっと待て、大丈夫だから。安全第一だから。そのまま魔力に集中して流れてる感覚を覚えろ」
そうか、これが魔力なのか、自分の中に魔力があることを初めて感覚的に知れて嬉しい。
魔力の流れもありぽかぽかして何だか温かい気持ちになってきて、眠くなってきたな……。
「おい、大丈夫か? 暖かくなって寝るとか子供じゃあるまいし。そんな幸せそうな表情されると起こしづらいじゃないか。今日はやめとくかー? おーい、本題に入れないぞー」
眠気には抗えないんだ、ごめんなさい。お昼休みだし、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだから。
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