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1章 火の魔石
暖炉
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記憶を取り戻して12年、16歳の誕生日を迎えた。この世界でも誕生日という物は迎えるたびに次第に行われなくなっていくものらしい。いや、それは家庭によるのかな。とにかく誕生日に16歳の青年が欲しがるようなものを揃えて誕生日を行うような経済的な余裕はうちの家庭には相変わらずないようだ。
父のジョブスはここオラガ村の猟師。とはいっても、1日に2~3度しか会えない野生動物を安定しない原始的な弓矢だけで狩って肉を売るのでは生活できないため、もっぱら稼ぎの大半は野草摘み。朝日が昇る前に家を出て夕日が落ちた後に帰ってくる。ちなみにたまに森の中に出てくる魔物を狩るのも父の仕事だ。
母のロールは昼は村役場に併設された学舎で教師をし、夜は父の獲物の皮を加工して衣服を縫う。優しくわかりやすい先生だと評判だが、前の世界にして14世紀ヨーロッパの田舎程度の文化レベルだと教育は重要視されていないようで、ほぼボランティアで稀に役場から気持ちばかりの給金が出るだけだ。
こうして二人で働いても3人で贅沢をするには程遠く、自分も12歳ごろから父の手伝いをしてやっとこさ生活を保っているのが我が家の経済状況。
だが、俺は学ぶ手を止めてはいない。
「あらヤミー、また新しい本?」
夕食を用意する母が椅子に座って分厚い本を広げる私に向かって声をかける。
「あー…うん、そうだね」
「小さい時から毎日読んでるのに、まだ新しい本があるのね、あの役場」
「う、うん、まぁね」
少々どもりながら答えても読む手はやめない。
両親を騙すのは少し心苦しいが、この本は村役場で借りたものではない。5年前に村役場の図書館の本は全て読破してしまった。今は2週目をするよりも新たな知識を身に着けるべく、別の場所から本を買ってきている。そのお金を稼ぐために多少の小遣い稼ぎもしている。
稼ぐ手段とそれを秘密にしている理由は…これ以上は言葉より先に反吐が出て言えない。
ただ、それもこれも転売ヤーを駆逐するため。そこだけは変わらない。
「あなたは頭がいいし、努力家だからね。もしかしたらこんな村でくすぶったまま猟師を継ぐより、王都に行った方がいいのかもね」
母として子を思いやるよな優しい言葉が暖かく私の心を突き刺す。温厚な母は幼い頃から私が勉強する姿を見て、何かやりたいことがあるのではとうすうす感じ取っているのかもしれない。ことあるごとにこのような言葉で諭してくる。
「ただいま。いやひどい吹雪だ」
父が吹雪吹き荒れるドアの向こうから帰ってきて、雪だらけの毛皮のコートを椅子に掛けた。
「今日はヤミーを連れて行かなくてよかった。積雪時の狩りの方法はあるがこんな吹雪の時は狩りに出ないのが一番だからな」
私に自由な道を選ばせようとする母に対し、父は私を一端の猟師として鍛え上げようと熱心になっている。しっかりとこの自然多い世界の中で一人でも生きていける力を身に着けさせようという意図が見えての指導だ。それは厳しくも確かに身になる事ばかりで実用的。すでにある程度の狩りなら私一人でもできるようになっている。私も猟師になること自体は嫌ではない、嫌ではないが…。
「お疲れ様、大変だったでしょう」
「森を少し見てきたが、もう年内に野草は摘めない。干し肉のと漬物の備蓄は?」
「年内なら切り詰めればなんとか…」
「そうか…」
そう言って、父がこちらに目を向けると、首を振ってそれを否定した。
「…いや、食べ盛りの男児がいるのに切り詰めた食事なんてな」
「父さん、俺のことは気にしないでも…そんなに食べないし…」
「子供が気にする事じゃない。ロール、明日村長さんのところに行って俺のローブをお金に換えてきてくれ。その金でゲイトさん所で食料を分けてもらうんだ」
「わかったわ。ヤミー、あなたは気にしなくていいのよ。さぁお食べなさい」
子ども扱いされているようで少しむっとする。だがまぁここは抑えるんだ。私は今、あくまで16歳の青年。40代だった前世とは自意識を切り離すと決めたんだ。
そうして母親が食卓に出すのは暖かいスープ。具は筋張った干し肉としなびた根菜類。前の世界の豊富な食材を使ったポトフなんかと比べられるまでもない料理だが…。
「今日もおいしそうだな!では、今日も生きる糧を与えてくれた神と命に、感謝を」
「感謝を」
「感謝を」
父の食事の儀礼と共に家族の夕食は始まる。暖炉の火では到底補いきれない寒さの中、この見すぼらしいスープは確かに薄味のようにも思えるが、暖かさを感じる優しい塩味だった。これが何よりも代えがたい、命のための食事。本当のおいしさなのだ。
「ヤミー、おかわりもあるからね」
「あ、ロール!おかわり!」
すかさず手を挙げるのは皿を干した父。
「あなたの分はないわよ、ヤミーの分だけ」
「ええ…頼むよ、具は入れなくていいからさぁ」
「しょうがないわね…」
スプーンを加える父に対して仕方がないといった表情で皿を受け取る母。
こんなにも私を愛し思ってくれる二人に対して、私は隠し事をし、騙し、裏切っているのか。
「あら、火が…」
と母がスープの入った鍋を温めなおそうと、何度も文字が刻まれた石を振っている。いつもならその石の先から火の粉が飛び釜戸の薪に着火するはずなのだが、今回はなぜか何も出ない。
「魔力が切れたのか…。また買わないとな」
「また…?最近魔力が切れるの早くないかしら」
「さぁ…どうなんだろうな。俺らにはわからんよ」
あれは火の魔石。火のルーンを刻んだ石で魔力を蓄積されており、魔力を持たない人間でも振るだけで小さな火の魔法を使えるようにした魔法道具だ。とはいっても出力を上げて業火を出せるようなものではなく、用途としてはマッチと同じような感じだ。
この世界には魔法があるといったが、全員が全員使えるわけではない。魔法を使うには空気中に漂うこの世界固有の魔素というエネルギーを使うわけなのだが、それをどの程度使えるかは個人に備わっている魔素を操る力、魔力に依存している。(電子と電圧の関係に近いようだ)私や両親も含む大半の人はこの魔力をほとんど持っておらず、そういう人でも簡単に魔法を使えるようにしたのが物に魔力を付与した魔法道具だ。ちなみに魔法道具の魔力は他の魔法使いによって付与されたもので、使えば使うほど魔力は摩耗していくので永遠に使えるわけではない。
こうした魔法道具はこの世界ではいわば電化製品だ。火を簡単に起こすための火の魔石、薪を簡単に割る為の斬撃の魔石、水を浄化する清水の魔石。無くても生きてはいけるが、なければ不便極まりない。
「あら…火の魔石もうないわね…」
「そうなのか…うーん明日食料と一緒に買いに行くか」
「あなたのローブ、全部買えるほど高く換金してくれるかしら…」
うーんとうなる両親を前に、耐えきれなくなった私は自ら申し出た。
「ね、ねえ、そのローブ、俺に預けてくれないかな?」
自分からこんな申し出をするなんて初めてのことだ。両親も驚いているのか、きょとんとしてしまっている。だが、もちろん私には考えがあってのことだ。
「ヤミー?お前が持っていってどうするんだ」
「そのローブをもっと高く買い取ってくれそうな人を知ってるんだ」
ふうむと怪訝な顔であごひげを撫でる父。それに対して賛同してくれたのは母の方だ。
「あなた、ここはヤミーに任せてみましょう。何か考えがあるのよ」
その追い風もあって、父もよしいいぞと首を縦に振った。
「さて、今日のところは暖炉の火を絶やさないようにしないとな」
「あなた、スープはどうする?」
「暖炉から釜戸まで火を持ってくるのは危険だ。ヤミーには申し訳ないが、おかわりするなら温めなおさずに頼む。それより火の番についてだが、9時から始めて3人で3時間ずつ交代でやっていこう。最初にヤミーが火の番を、次に俺、最後にロールだ」
先程までの団欒からは考えられないほど的確な判断をテキパキと伝えていく父。頼りになる一家の大黒柱とはまさにこのことだ。
「明日の朝、一先ず俺は村役場に行って行商人さんと話して火の魔石を取り置いてもらうように言ってくる。その間にヤミーはローブを売ってきて、ロールは他に売れそうな物がないか物置をさらってみてくれ」
今の生活は前世のそれと比べてかなり不便だ。ネットもない、電気もない、学び場もなければ車もない。正直不便極まりないと思う事は何度もあった。だが、その不便さを協力して乗り越える家族がいる。そのせいか不便であっても不幸には感じなかった。
前世と今世、どちらの両親が良かったかなんて無粋な比較はしないが、エマを肉親のように扱った前世の家族に負けないくらい、貧しくても暖かい今世の家族も、私は好きだった。
恥ずかしくて絶対口には出せないけどな。
さて、明日はその家族の為に、一仕事だ。
父のジョブスはここオラガ村の猟師。とはいっても、1日に2~3度しか会えない野生動物を安定しない原始的な弓矢だけで狩って肉を売るのでは生活できないため、もっぱら稼ぎの大半は野草摘み。朝日が昇る前に家を出て夕日が落ちた後に帰ってくる。ちなみにたまに森の中に出てくる魔物を狩るのも父の仕事だ。
母のロールは昼は村役場に併設された学舎で教師をし、夜は父の獲物の皮を加工して衣服を縫う。優しくわかりやすい先生だと評判だが、前の世界にして14世紀ヨーロッパの田舎程度の文化レベルだと教育は重要視されていないようで、ほぼボランティアで稀に役場から気持ちばかりの給金が出るだけだ。
こうして二人で働いても3人で贅沢をするには程遠く、自分も12歳ごろから父の手伝いをしてやっとこさ生活を保っているのが我が家の経済状況。
だが、俺は学ぶ手を止めてはいない。
「あらヤミー、また新しい本?」
夕食を用意する母が椅子に座って分厚い本を広げる私に向かって声をかける。
「あー…うん、そうだね」
「小さい時から毎日読んでるのに、まだ新しい本があるのね、あの役場」
「う、うん、まぁね」
少々どもりながら答えても読む手はやめない。
両親を騙すのは少し心苦しいが、この本は村役場で借りたものではない。5年前に村役場の図書館の本は全て読破してしまった。今は2週目をするよりも新たな知識を身に着けるべく、別の場所から本を買ってきている。そのお金を稼ぐために多少の小遣い稼ぎもしている。
稼ぐ手段とそれを秘密にしている理由は…これ以上は言葉より先に反吐が出て言えない。
ただ、それもこれも転売ヤーを駆逐するため。そこだけは変わらない。
「あなたは頭がいいし、努力家だからね。もしかしたらこんな村でくすぶったまま猟師を継ぐより、王都に行った方がいいのかもね」
母として子を思いやるよな優しい言葉が暖かく私の心を突き刺す。温厚な母は幼い頃から私が勉強する姿を見て、何かやりたいことがあるのではとうすうす感じ取っているのかもしれない。ことあるごとにこのような言葉で諭してくる。
「ただいま。いやひどい吹雪だ」
父が吹雪吹き荒れるドアの向こうから帰ってきて、雪だらけの毛皮のコートを椅子に掛けた。
「今日はヤミーを連れて行かなくてよかった。積雪時の狩りの方法はあるがこんな吹雪の時は狩りに出ないのが一番だからな」
私に自由な道を選ばせようとする母に対し、父は私を一端の猟師として鍛え上げようと熱心になっている。しっかりとこの自然多い世界の中で一人でも生きていける力を身に着けさせようという意図が見えての指導だ。それは厳しくも確かに身になる事ばかりで実用的。すでにある程度の狩りなら私一人でもできるようになっている。私も猟師になること自体は嫌ではない、嫌ではないが…。
「お疲れ様、大変だったでしょう」
「森を少し見てきたが、もう年内に野草は摘めない。干し肉のと漬物の備蓄は?」
「年内なら切り詰めればなんとか…」
「そうか…」
そう言って、父がこちらに目を向けると、首を振ってそれを否定した。
「…いや、食べ盛りの男児がいるのに切り詰めた食事なんてな」
「父さん、俺のことは気にしないでも…そんなに食べないし…」
「子供が気にする事じゃない。ロール、明日村長さんのところに行って俺のローブをお金に換えてきてくれ。その金でゲイトさん所で食料を分けてもらうんだ」
「わかったわ。ヤミー、あなたは気にしなくていいのよ。さぁお食べなさい」
子ども扱いされているようで少しむっとする。だがまぁここは抑えるんだ。私は今、あくまで16歳の青年。40代だった前世とは自意識を切り離すと決めたんだ。
そうして母親が食卓に出すのは暖かいスープ。具は筋張った干し肉としなびた根菜類。前の世界の豊富な食材を使ったポトフなんかと比べられるまでもない料理だが…。
「今日もおいしそうだな!では、今日も生きる糧を与えてくれた神と命に、感謝を」
「感謝を」
「感謝を」
父の食事の儀礼と共に家族の夕食は始まる。暖炉の火では到底補いきれない寒さの中、この見すぼらしいスープは確かに薄味のようにも思えるが、暖かさを感じる優しい塩味だった。これが何よりも代えがたい、命のための食事。本当のおいしさなのだ。
「ヤミー、おかわりもあるからね」
「あ、ロール!おかわり!」
すかさず手を挙げるのは皿を干した父。
「あなたの分はないわよ、ヤミーの分だけ」
「ええ…頼むよ、具は入れなくていいからさぁ」
「しょうがないわね…」
スプーンを加える父に対して仕方がないといった表情で皿を受け取る母。
こんなにも私を愛し思ってくれる二人に対して、私は隠し事をし、騙し、裏切っているのか。
「あら、火が…」
と母がスープの入った鍋を温めなおそうと、何度も文字が刻まれた石を振っている。いつもならその石の先から火の粉が飛び釜戸の薪に着火するはずなのだが、今回はなぜか何も出ない。
「魔力が切れたのか…。また買わないとな」
「また…?最近魔力が切れるの早くないかしら」
「さぁ…どうなんだろうな。俺らにはわからんよ」
あれは火の魔石。火のルーンを刻んだ石で魔力を蓄積されており、魔力を持たない人間でも振るだけで小さな火の魔法を使えるようにした魔法道具だ。とはいっても出力を上げて業火を出せるようなものではなく、用途としてはマッチと同じような感じだ。
この世界には魔法があるといったが、全員が全員使えるわけではない。魔法を使うには空気中に漂うこの世界固有の魔素というエネルギーを使うわけなのだが、それをどの程度使えるかは個人に備わっている魔素を操る力、魔力に依存している。(電子と電圧の関係に近いようだ)私や両親も含む大半の人はこの魔力をほとんど持っておらず、そういう人でも簡単に魔法を使えるようにしたのが物に魔力を付与した魔法道具だ。ちなみに魔法道具の魔力は他の魔法使いによって付与されたもので、使えば使うほど魔力は摩耗していくので永遠に使えるわけではない。
こうした魔法道具はこの世界ではいわば電化製品だ。火を簡単に起こすための火の魔石、薪を簡単に割る為の斬撃の魔石、水を浄化する清水の魔石。無くても生きてはいけるが、なければ不便極まりない。
「あら…火の魔石もうないわね…」
「そうなのか…うーん明日食料と一緒に買いに行くか」
「あなたのローブ、全部買えるほど高く換金してくれるかしら…」
うーんとうなる両親を前に、耐えきれなくなった私は自ら申し出た。
「ね、ねえ、そのローブ、俺に預けてくれないかな?」
自分からこんな申し出をするなんて初めてのことだ。両親も驚いているのか、きょとんとしてしまっている。だが、もちろん私には考えがあってのことだ。
「ヤミー?お前が持っていってどうするんだ」
「そのローブをもっと高く買い取ってくれそうな人を知ってるんだ」
ふうむと怪訝な顔であごひげを撫でる父。それに対して賛同してくれたのは母の方だ。
「あなた、ここはヤミーに任せてみましょう。何か考えがあるのよ」
その追い風もあって、父もよしいいぞと首を縦に振った。
「さて、今日のところは暖炉の火を絶やさないようにしないとな」
「あなた、スープはどうする?」
「暖炉から釜戸まで火を持ってくるのは危険だ。ヤミーには申し訳ないが、おかわりするなら温めなおさずに頼む。それより火の番についてだが、9時から始めて3人で3時間ずつ交代でやっていこう。最初にヤミーが火の番を、次に俺、最後にロールだ」
先程までの団欒からは考えられないほど的確な判断をテキパキと伝えていく父。頼りになる一家の大黒柱とはまさにこのことだ。
「明日の朝、一先ず俺は村役場に行って行商人さんと話して火の魔石を取り置いてもらうように言ってくる。その間にヤミーはローブを売ってきて、ロールは他に売れそうな物がないか物置をさらってみてくれ」
今の生活は前世のそれと比べてかなり不便だ。ネットもない、電気もない、学び場もなければ車もない。正直不便極まりないと思う事は何度もあった。だが、その不便さを協力して乗り越える家族がいる。そのせいか不便であっても不幸には感じなかった。
前世と今世、どちらの両親が良かったかなんて無粋な比較はしないが、エマを肉親のように扱った前世の家族に負けないくらい、貧しくても暖かい今世の家族も、私は好きだった。
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