王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

第5章 ガルバン帝国

比留間明夫56

　結局、ガルバン帝国とニャール王国は和平条約を結ぶこととなった。
　あの戦争の花粉症はなかなかひどいものであった。
　それにまだ花粉は始まったばかりだった。
　そのあと、本格的なものが訪れた。
　それにベリアード大帝が根をあげた。
　それから、あの薬が効いたのもひとつの要因となった。
　でも、停戦の原因はそれだけじゃないだろう。
　戦車や巨大ロボの存在。
　大軍での侵略を簡単に退けられたってこともあるのだ。
　もし、こっちが本気で反撃していたら、もっと犠牲が大きかったと判断したのだろう。
　
　和平条約はすぐに締結された。
　それから、４国の首脳会議を定期的に開くこととなった。
　そこで世界の問題を話し合うのだ。
　各国の利害を調整して世界をよりよくしていく。
　そういう会議にした。
　いちおう議決権は平等となっている。
　ただ、議長国はニャール王国ということになった。
　国同士が話し合いをする場合、もし約束を破った場合のペナルティが必要となる。
　それをいちばん力がある国が監視することとなった。
　
　そんなことがあって、ぼくは１年以上働き続けることとなった。
　もちろん、キャットＧＰＴさんもだ。
　ゆっくりしたいのに、そんなことは許してもらえなかった。

　それで国際関係がおちついたら、今度は内政の問題に奔走することとなった。
　ニャール王国の財政は破綻していた。
　でも、戦争が終わったから、いちばん大きい出費だった軍事費を削減することが出来た。
　それで産業を起こしていった。
　とりあえず、付加価値の高い商品を中心に貿易をすることになった。
　そして、食糧や素材を輸入した。
　ニャール王国の経済はだんだん回復していった。
　他の３国のＧＤＰも５％程度の成長をとげた。
　しかし、それにも２年の月日を費やした。
　その間、ぼくも馬車馬のように働くこととなった。
　まあ、こっちに来るときに身体は強化されているから、なんとか耐えられた。
　何度も引退を表明したんだけど、その度に強く引き留められた。

　こっちに来て５年が過ぎた。
　ようやく少し落ち着けるようになった。
　そこで、ぼくは長子である王子に王位を譲ることにした。
　もちろん、相当の引き留めはあった。
　しかし、ここでやらないとずるずるとぼくの政権が続いてしまう。
　そんなことをしたら、国にもぼくにもよくない。
　大統領とか総理大臣には任期があるのはそういうことだ。
　長い政権は腐敗する。
　もちろん、ぼくは佞臣を近づけるつもりはない。
　しかし、しらないうちに慢心することもあるかもしれない。
　今回の王位の禅譲だけど、王にも任期を設けることにした。
　そういうのを憲法として制定するのだ。
　キャットGPTさんの力を借りてだが。
　ぼくは全力で最期の仕事に挑むのだった。