王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

第5章 ガルバン帝国

エピローグ01

　わたしは光につつまれた空間にいた。
　激務の途中で寝てしまったのかな。
　でも、この空間って見覚えがある。
　そう、あの時と同じ。

　目の前には、私と同じ猫を抱いた男。
　そう、わたしに瓜二つの男。
　でも、服装は違う仕立てのいいスーツを着ている。
　なんかぼくよりも貫禄がある。
　同じくらいの歳、背格好なのに。
　なんかまとっているオーラみたいなものが違う。

　猫たちはぼくたちの腕をすり抜けて、二匹でじゃれている。

「ひさしぶりだね。
　比留間明夫くん」

「あ、キャルロッテ王。
　お久しぶりです」

「そちらの世界はどうだね。
　なんとか断頭台は免れてくれたみたいだね。
　礼を言う。
　一番苦しいところを任せてしまってすまん」

「ええ、なんとか乗り越えました。
　それもみんなコヨミのおかげですが」

「そうだな。
　わたしもむこうの世界で猫に大変助けられた。
　それで、今、どうなっているんだ。
　いろいろと教えてくれないか。
　さあ、あちらの席に」
　光の空間にあるテーブル席にぼくを誘う。

「わかりました」
　ぼくはキャルロッテ王にいままでのことを報告する。
　断頭台をちゃぶ台返しで逃れたこと。
　ビリジアンテ連邦をダオウルフさんの力を借りて退けたこと。
　ミシディア共和国との海戦。
　ガルバン帝国を巨大ロボと花粉症で撃退したこと。
　そして、大陸から戦争がなくなったこと。

「それは大変だったな。
　感謝する
　わたしではそんなことできなかった」
　キャルロッテ王はわたしに頭を下げる。

「いえ、全部キャットGPTさんのおかげですよ」

「そうだな。わたしもコヨミにはだいぶ助けられた」
　ぼくたちは二匹で仲良く顔を突き合わせている猫たちを見る。
　こっちも瓜二つだ。
　ぼくたちも自然と笑顔になる。