王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

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第3章 ビリジアンテ連邦国

ギオルグ族長 ダオウルフ三世01

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 わたしはゲオルグ族の増長ダオウルフ三世だ。
 ギオルグ族は遊牧民で、草原の狼と言われる勇猛な種族だった。
 ビリジアンテ連邦は我が一族のゲオウルフ一世が統一した国々を基礎としている。
 過去ニャール王国を征服する寸前まで追いつめたこともある。
 ニャール王国を攻め落とせなかったことから、我が一族の没落が始まった。
 遊牧民であるギオルグは広大な領土を維持する政治力にかけていたのだ。
 その一族であるギオルグは今は農奴にまで落ちぶれている。
 それはビリジアンテ連邦中央部がわが一族の力を恐れたことから始まった。
 ギオルグは徹底的に迫害されたのだ。

 わたしたちは軍部から完全に離され、農場でこきつかわれる一族となった。
 しかし、今回、我らはニャール王国との戦争の最前線で働くこととなった。
 我らの武を見込んでとのことだ。
 その日から訓練を開始した。
 基本、ギオルグ族は屈強な身体を持っている。
 今のように農業よりは軍隊に適している。
 それと馬術に秀でている種族だ。
 代々馬に関する技術は教えられてる。
 だから、馬を使った農業では力を発揮する。

 ビリジアンテは我々に期待しているというが、武器は十分に与えられていない。
 馬も数十頭だし、鉄の剣や槍も数十人にしかいきわたらない。
 あとは鍬や鋤、斧で武装するしかない。
 やつらは基本、我々を信用していないのだ。
 だが、今回の戦争には乗ることにした。
 どうせこのままではギオルグは終わりだ。
 この戦争で華々しい戦果をあげれば、それが変わる可能性がある。
 あくまで、小さな確率にすぎないが。
 それと、わたしの中の狼の血が騒ぐのだ。
 わたしもあの時代に生まれていれば、この世界を統一できたはずだ。
 父もその希望を込めてダオウルフの名をつけたのだ。
 農奴で一生を終わるつもりはない。
 散るにしても華々しく暴れまわってからだ。

「族長、客人が来てます」
 我々の野営地に来たものがいるらしい。
 ビリジアンテのやつらか。

「誰だ」

「ニャール王国のキャルロッテを名乗っています」

「まさか。何かの冗談だろう」

「ええ、どうしましょう」

「通せ。面白い冗談だ。その面を見てやろう」

「わかりました」
 部下は向こうに駆けていく。
 そして、王冠をかぶって猫を抱いた男と数名の付き人を連れてくるのだった。
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