王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

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第3章 ビリジアンテ連邦国

比留間明夫17

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「族長がご案内するようにとおっしゃっています」
 門番の男が戻ってくる。
 それについて奥のテントに向かう。

 それにしても、ビリジアンテ連邦ってえぐいよね。
 ギオルグ族というのは誇り高き遊牧民だ。
 馬や家畜の扱いがうまく、放牧によって生活をしている。
 その部族の中にダオウルフ1世というのが現れ周りの国を征服していった。
 それがビリジアンテ連邦の基礎となっている。
 むこうの世界でのチンギスハーンといったところだ。
 そのため、ビリジアンテ人からは恐れられ、今は農奴として被差別民となっている。
 もちろん、彼らの戦闘力は高く、戦争で使えれば相当な戦力になるはずだ。
 しかし、ビリジアンテ中央部は彼らに力を与えることはしなかった。
 それなのに今回、急にギオルグ族を使うとはね。
 もちろん、ビリジアンテの考えていることはわかっている。
 ギオルグ族や他の種族の農奴を肉の壁に使おうというのだ。
 
 本当ならビリジアンテ軍の一部として敵認定してもいいのだけど。
 彼らを救いたいと思った。
 この戦争で負けたらニャールも彼らのようになるのだ。
 
 テントに入ると筋肉質の大男が中央にいる。
 あの人がダオウルフ3世だろう。
 ぼくは丁寧に挨拶をする。
 
 最初は怪訝そうな感じだったけど、信じてくれたみたいだ。
 ぼくに席を進めもてなしてくれる。
 すごく正直そうな人だ。
 この人となら手を結んで大丈夫だって感じる。
 たぶん、人事で働いていた人を見分ける能力が働いているんだろう。
 マジ、ビジネススキル最強じゃん。

「それで手を結ぶとは?」
 ダオウルフさんから聞いてくる。
 乗り気になってくれているみたいだ。
 
「ええ、ビリジアンテ軍を後ろから攻めてください」

「それは難しい。
 たぶん、やつらは我らに監視役をつけるだろう。
 それに十分な武器がない」

「大丈夫です。
 十分な武器を用意しましょう。
 馬も500頭ほど用意します。
 ギオルグ族は馬に乗ると最強ですからね」

「そうだ。我らは騎馬民族だからな。
 しかし、そんなものを与えて我らが裏切ったらどうするつもりだ」

「あなたはそんなことしません。
 誇り高き狼ですからね」
 ぼくは笑う。
 それにつられてダオウルフさんも。

「もうひとつ問題がある」
 ダオウルフさんは声をひそめて次の問題を話始めるのだった。
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