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第3章 ビリジアンテ連邦国
ギオルグ族長 ダオウルフ三世03
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キャルロッテ王、こいつは信用できる男だ。
我々に馬と武器を提供するという。
それもビリジアンテとは全然違うレベルでだ。
馬500頭と槍や剣や盾は5000個は用意するという。
しかし、そんなことをして、我らが裏切ったらまずいだろう。
いくらわたしでもそんな博打はしない。
それなのに、あなたはそんなことしません、そう即答して笑う。
わたしはこの男に好感をもった。
ただ、部族全体のことだからな。
それにもうひとつ問題がある。
それは我らの家族のことだ。
我らの家族100人が王都で人質にされているのだ。
我らが裏切ったら、それを盾にしてくるのだろう。
わたしは戦果をあげればいいと考えていた。
ただ、この男についたら家族を見捨てることになる。
その中にはわたしの妻や息子もいる。
どうすべきか。
「もうひとつ問題がある」
わたしは声のトーンを落としてキャルロッテ王に言う。
「わかっています。
家族のことですよね」
「そうだ、家族が人質にとられている」
「それも救い出します。
特殊部隊100人がそこに向かっています。
たぶん大丈夫でしょう」
「しかし、どこにいるのかわからないのだ」
「ビリジアンテの首都グリゴーの北部の収容施設です」
「そうなのか」
「間違いありません。
我らの諜報部隊は優秀です。
あなた方を使うというビリジアンテの作戦もわかっているのですから。
安心してください。悪いようにはしません」
キャルロッテは胸をたたく。
この王はどこまで底知れないんだ。
「あと、戦争が終わったらどうなる」
戦争はいいが。そのあと、農奴のままというのはだめだ。
「我が国の国民となっていただきます。
もし、勝ったら、ビリジアンテの北部の草原をいただこうと思っています。
そこを治めていただくよう考えています。」
キャルロッテは重要なことを簡単に口にするのだった。
我々に馬と武器を提供するという。
それもビリジアンテとは全然違うレベルでだ。
馬500頭と槍や剣や盾は5000個は用意するという。
しかし、そんなことをして、我らが裏切ったらまずいだろう。
いくらわたしでもそんな博打はしない。
それなのに、あなたはそんなことしません、そう即答して笑う。
わたしはこの男に好感をもった。
ただ、部族全体のことだからな。
それにもうひとつ問題がある。
それは我らの家族のことだ。
我らの家族100人が王都で人質にされているのだ。
我らが裏切ったら、それを盾にしてくるのだろう。
わたしは戦果をあげればいいと考えていた。
ただ、この男についたら家族を見捨てることになる。
その中にはわたしの妻や息子もいる。
どうすべきか。
「もうひとつ問題がある」
わたしは声のトーンを落としてキャルロッテ王に言う。
「わかっています。
家族のことですよね」
「そうだ、家族が人質にとられている」
「それも救い出します。
特殊部隊100人がそこに向かっています。
たぶん大丈夫でしょう」
「しかし、どこにいるのかわからないのだ」
「ビリジアンテの首都グリゴーの北部の収容施設です」
「そうなのか」
「間違いありません。
我らの諜報部隊は優秀です。
あなた方を使うというビリジアンテの作戦もわかっているのですから。
安心してください。悪いようにはしません」
キャルロッテは胸をたたく。
この王はどこまで底知れないんだ。
「あと、戦争が終わったらどうなる」
戦争はいいが。そのあと、農奴のままというのはだめだ。
「我が国の国民となっていただきます。
もし、勝ったら、ビリジアンテの北部の草原をいただこうと思っています。
そこを治めていただくよう考えています。」
キャルロッテは重要なことを簡単に口にするのだった。
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