76 / 140
第4章 ミシディア共和国
ミシディア共和国海軍副司令官ヒルヴァ01
しおりを挟む
わたしは今回の海軍の副司令官であるヒルヴァだ。
最近までわたしは海軍大将を務めていた。
それがあの大統領ヴィルヘルムがあのフェルマンのやつを司令官に吸えたのだ。
なんの戦いも経験したことのない素人にこの大海軍を委ねたのだ。
わたしを司令官にしてフェルマンを補佐にするのならわかる。
しかし、大統領はフェルマンを総意司令官に据えたのだ。
やってられるか。
あのヴィルヘルムのやつ、軍部の力を徹底的に押さえたいのだ。
他の国が軍部のクーデターによって政権がひっくり返るなんてこともあったしな。
民主主義の憲法には国の指導者は文民であることが求められる。
しかし、本当に国に必要なのは武力だ。
なんでも話し合い、多数決で決めればいいというが、そんなもの幻想だ。
普通の会議では声の大きいものが勝つ。
それと同じで国どうしの決めごとでは武力の強い国のいうことが通るのだ。
そのために我らは日々命を張っているのだ。
それなのに、これからは科学の時代だ?
戦争にテクノロジーの進化は必要だ。
魔導力も元々は戦争のために発明され、進化してきたという歴史もある。
小舟より大型船、木造の船より鉄の船、人力の船より魔導力船。
それはたしかだ。
しかし、あくまでそれは道具にすぎない。
道具を使うのは人間なのだ。
そこにはきちんとした軍略や経験が必要となるのだ。
碁にも定石といったものがある。
とくに初手にとってはいけない手というものがある。
このように大船団で一気に攻めるなんていうのがそれだ。
港を攻めるなら、半分くらいの戦力で攻めるべきなのだ。
このような大船団、小回りが利かない。
後ろから攻められたら、逃げ場がなくなる。
港に閉じ込められてしまうのだ。
そうなれば、船であることが足かせとなる。
陸に逃げることができないのだ。
フェルマンはわたしを副司令官に任命した。
たぶん、わたしの力を利用しようとしたのだ。
中枢でともにニャール王国を打倒しようと。
しかし、わたしは後方の警備を引き受けた。
素人と一緒に戦えるか。
手旗信号により上陸成功の報告がある。
まあ当然だな。
これだけの艦隊を見て相手も怯んだのだろう。
やつらはこの港を戦場として選ばなかったのだ。
たぶん王都で防衛戦をするつもりなんだろう。
それでは海軍の出番はない。
遠くの方に船影が見える。
10隻くらい。
漁船か。
いや違う。あれはニャール海軍だ。
我々が来る前に逃げた敵の船だろう。
もしかして、後方から襲うつもりなんだろうか。
いちおう、少しの危険でも安心はできない。
今のうちに叩いておこう。
わたしは船長に敵船のほうに向かうように命ずるのだった。
最近までわたしは海軍大将を務めていた。
それがあの大統領ヴィルヘルムがあのフェルマンのやつを司令官に吸えたのだ。
なんの戦いも経験したことのない素人にこの大海軍を委ねたのだ。
わたしを司令官にしてフェルマンを補佐にするのならわかる。
しかし、大統領はフェルマンを総意司令官に据えたのだ。
やってられるか。
あのヴィルヘルムのやつ、軍部の力を徹底的に押さえたいのだ。
他の国が軍部のクーデターによって政権がひっくり返るなんてこともあったしな。
民主主義の憲法には国の指導者は文民であることが求められる。
しかし、本当に国に必要なのは武力だ。
なんでも話し合い、多数決で決めればいいというが、そんなもの幻想だ。
普通の会議では声の大きいものが勝つ。
それと同じで国どうしの決めごとでは武力の強い国のいうことが通るのだ。
そのために我らは日々命を張っているのだ。
それなのに、これからは科学の時代だ?
戦争にテクノロジーの進化は必要だ。
魔導力も元々は戦争のために発明され、進化してきたという歴史もある。
小舟より大型船、木造の船より鉄の船、人力の船より魔導力船。
それはたしかだ。
しかし、あくまでそれは道具にすぎない。
道具を使うのは人間なのだ。
そこにはきちんとした軍略や経験が必要となるのだ。
碁にも定石といったものがある。
とくに初手にとってはいけない手というものがある。
このように大船団で一気に攻めるなんていうのがそれだ。
港を攻めるなら、半分くらいの戦力で攻めるべきなのだ。
このような大船団、小回りが利かない。
後ろから攻められたら、逃げ場がなくなる。
港に閉じ込められてしまうのだ。
そうなれば、船であることが足かせとなる。
陸に逃げることができないのだ。
フェルマンはわたしを副司令官に任命した。
たぶん、わたしの力を利用しようとしたのだ。
中枢でともにニャール王国を打倒しようと。
しかし、わたしは後方の警備を引き受けた。
素人と一緒に戦えるか。
手旗信号により上陸成功の報告がある。
まあ当然だな。
これだけの艦隊を見て相手も怯んだのだろう。
やつらはこの港を戦場として選ばなかったのだ。
たぶん王都で防衛戦をするつもりなんだろう。
それでは海軍の出番はない。
遠くの方に船影が見える。
10隻くらい。
漁船か。
いや違う。あれはニャール海軍だ。
我々が来る前に逃げた敵の船だろう。
もしかして、後方から襲うつもりなんだろうか。
いちおう、少しの危険でも安心はできない。
今のうちに叩いておこう。
わたしは船長に敵船のほうに向かうように命ずるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる