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第4章 ミシディア共和国
ミシディア共和国 ヴィルヘルム大統領08
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確かにキャルロッテ王のいうとおりだ。
彼の言う通りにやってみよう。
どちらにしても、わたしは終わった身だ。
任期がおわれば、逮捕される身かもしれない。
だが、任期の間に国のために尽くすことで、生き残る道はある。
それに賭ける以外の選択肢はないのだ。
「あと、捕虜は全員解放させていただます」
キャルロッテが指を鳴らすと、横の扉が開く。
そこには総司令官フェルマンと副司令官ヒルヴァが立っていた。
「ありがとうございます」
「身元の引き受けをお願いします。
もう彼らには十分に話をうかがいました。
もちろん捕虜は国際法に照らして、正当な取り扱いをさせていただいています」
総司令官と副司令官は特に焦燥した感じはない。
もちろん、ケガを負っているようには見えない。
きちんと国際条約に決められた捕虜の取り扱いを受けたのだろう。
拷問を受けたなんてことはなさそうだ。
しかし、拷問で吐かせることなんてないのだろう。
今回の作戦はすべて漏れていたと聞く。
「それと…
今回はこれで済ませますが、次にこのようなことをしたら…
全力でミシディアを叩き潰します。
次は容赦しません」
ニャルロッテは低い声で言う。
その迫力、いままでと全然違う。
前回会ったときと同じような覇気を感じる。
「承知しております。
二度とニャール王国と戦争はしません」
「そう願いたいものです。
そのためには経済協力が必要です。
両国は今まで以上に強く手を結ぶべきです」
キャルロッテ王は手を差し伸べる。
「わかりました。
わたしの力の及ぶ限り努力します」
わたしはその手を握る。
「それでは細かいことは外務大臣レベルで決めていきましょう」
「承知致しました」
「あと、経済的な協力体制ですが、ビリジアンテ帝国も加えてやりましょう。
ガルバン帝国も参加してくれたらいいんですけど。
少しむずかしいでしょうね」
この王はもっと先を見据えているのだ。
目先の国益しか考えられないわたしたちとは根本的に違うのだ。
わたしはこの王についていこうと決めたのだった。
彼の言う通りにやってみよう。
どちらにしても、わたしは終わった身だ。
任期がおわれば、逮捕される身かもしれない。
だが、任期の間に国のために尽くすことで、生き残る道はある。
それに賭ける以外の選択肢はないのだ。
「あと、捕虜は全員解放させていただます」
キャルロッテが指を鳴らすと、横の扉が開く。
そこには総司令官フェルマンと副司令官ヒルヴァが立っていた。
「ありがとうございます」
「身元の引き受けをお願いします。
もう彼らには十分に話をうかがいました。
もちろん捕虜は国際法に照らして、正当な取り扱いをさせていただいています」
総司令官と副司令官は特に焦燥した感じはない。
もちろん、ケガを負っているようには見えない。
きちんと国際条約に決められた捕虜の取り扱いを受けたのだろう。
拷問を受けたなんてことはなさそうだ。
しかし、拷問で吐かせることなんてないのだろう。
今回の作戦はすべて漏れていたと聞く。
「それと…
今回はこれで済ませますが、次にこのようなことをしたら…
全力でミシディアを叩き潰します。
次は容赦しません」
ニャルロッテは低い声で言う。
その迫力、いままでと全然違う。
前回会ったときと同じような覇気を感じる。
「承知しております。
二度とニャール王国と戦争はしません」
「そう願いたいものです。
そのためには経済協力が必要です。
両国は今まで以上に強く手を結ぶべきです」
キャルロッテ王は手を差し伸べる。
「わかりました。
わたしの力の及ぶ限り努力します」
わたしはその手を握る。
「それでは細かいことは外務大臣レベルで決めていきましょう」
「承知致しました」
「あと、経済的な協力体制ですが、ビリジアンテ帝国も加えてやりましょう。
ガルバン帝国も参加してくれたらいいんですけど。
少しむずかしいでしょうね」
この王はもっと先を見据えているのだ。
目先の国益しか考えられないわたしたちとは根本的に違うのだ。
わたしはこの王についていこうと決めたのだった。
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