王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

第5章 ガルバン帝国

ガルバン帝国 ベリアード大帝12

　早速、ローブの男が前に出る。
　そして、魔法を唱え始める。
　これが魔族の大規模魔法だ。
　この世界で最強の武器。
　我らのもつ魔法なんて児戯に等しい。
　あらゆる武器技術の進歩をあざ笑う最強の武器なのだ。
　この大規模魔法の前では最新の大砲でさえ、おもちゃに過ぎない。
　それが古代より受け継がれてきたものだというのだ。
　
　戦車の上に魔法陣が現れる。
　最初はひとつだったが、だんだんと何重にも積み重ねていく。
　魔法陣の大きさと数によってその威力が決められる。
　あれは今まで見た中でも最大級の魔法だ。
　緒戦で派手な花火を打ち上げようということだろう。
　多分最大火力。
　もし、中途半端な火力で戦って戦車を壊せなかったら意味がない。
　そういうことだろう。

　魔法陣から炎が落ちる。
　あれは炎というよりマグマ。
　火山の噴火口から噴火するやつだ。
　それが戦車を包み込む。
　しばらくして大爆発が起こる。
　あれは魔法の力だけではない。
　中に積んでいる爆発物が爆発したのだろう。
　戦車からの砲撃はこちらの砲撃とちがって爆発する。
　その爆発物に火がついたのだ。

　戦車は大破して鉄の塊となる。
　これなら勝てる。
　戦車さえ無力化できたら。
　
　その時、横の幼女が動きだす。
　彼女の近くの地面に魔法陣が現れる。
　これも巨大な魔法陣だ。
　その中央から何かが現れる。
　かなり巨大なものだ。
　だんだん、それが見えてくる。
　岩でできた巨大身体。
　ゴーレムだ。
　戦車より少し大きい。
　それが戦車の前に進む。
　その大きな手が戦車の砲を掴む。
　その怪力で砲を曲げていく。
　そして、戦車を殴る。
　戦車の装甲が歪む。
　そして持ち上げて投げる。
　戦車はひっくり返る。
　たぶんこれでまた一台無力化された。
　あと三台だ。
　それが破壊されたら全軍進軍だ。
　わたしは軍配を握って戦況をうかがうのだった。