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1.ベルディア峠でつまみぐい

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  話し声がする。女の人たちの声。たぶんお母さんとお姉ちゃんだ。人が寝てるというのに・・・。寝てる?あれ、僕いつ寝たんだっけ?ん?寝る前は何をしていたんだっけ・・・。
  ハっと目を開く。視界は濃い緑色で埋めつくされている。草と木と土と湿気の臭いに包まれている。僕の部屋じゃない。というか、ここはどこ?
「おや、お目覚めかな小僧」
  色っぽい大人の女性の声。明らかにお母さんでもお姉ちゃんでもない。声だけで絶対キレイな人だとわかる。
  何が何だか分からないまま、身体を起こそうとすると、強い力で抑え込まれる。
「まだ動くなよ。頭に怪我してるんだ」
  さっきとは違う女性、というか少女の声がした。
  頭に怪我を?そう言われてみれば、確かに頭が痛い。そっと手を伸ばすと、濡れた布が当てられている。
「話は出来るか?お主はどこの子じゃ?」
  さっきのキレイな人の声。澄んだ若い声なのに、話し方はおばあちゃんみたいだ。
「ん?声は出せんか?」
  キレイな、ものすごくキレイな人が僕の顔をのぞき込んできた。こんな美人を間近で見たのは初めてだ。心臓がバクバク鳴り始め、一瞬で顔が赤くなったのがわかった。
「あっ、だ、大丈夫です。ここは?あれ?お姉さんは誰?ですか?」
「ワシが聞いておるのじゃが、まぁよかろう。ここはベルディア峠の東の森じゃ。森の名が付いているかは知らん。ワシは通りすがりの旅の者じゃ」
「・・・」
「どうした?」
「ベル・・・?」
「知らんのか?お主、この辺りの子ではないのか?そもそも子供が一人でこんなところで何をしておるのじゃ?迷子か?それとも誰かにかどわかされてきたのか?」
「・・・」
「おいっ!御方さまがお聞きになってるんだぞ!ちゃんと答えろ小僧!」
「こらこら~アトミちゃん、この子、怪我してるんだから~優しくしてあげなきゃだめよ~」
「んっ、あ~、こっ小僧!まずは名前だ!名前!」
「・・・」
  寝たままで、頭を少し動かす。ズキッと痛みが走る。視界には三人の女の人がいた。
  すっごいキレイな、鋭い目。そして、銀色の髪。おばあちゃんみたいな話し方の人。「御方さま」だ。
  それからアトミちゃんとよばれた子。僕と同じぐらい。くりくりした瞳。髪の毛はくせっ毛なのか、寝癖なのか、ピンと跳ねてる。女の子だよね・・・?男の子なのかもしれない。
  そして、「御方さま」とは違うタイプのキレイな人。見るからに優しいお姉さん。ややふっくらとした頬に、柔らかそうな唇。そして、やたらと肌を露出した服。もうたわわな胸が服からこぼれ落ちそうで、そこから目が離せなくなる。
「僕ちゃん?お名前は?」
  そのたわわなお姉さんが優しく聞いてくる。
「名前・・・」
  頭が痛くなる。思い出せない。名前、何だっけ?お母さんって誰だっけ?あれ?思い出せない。家はどんなんだっけ?何もわからなかった。
「おいおい、小僧大丈夫かぁ?」
「御方さま・・・これって、もしかして?」
「う~む、聞いたことはあるが、頭の怪我のせいかのぉ」
「おそらく・・・」
「小僧、慌てず聞け。お主、原因は分からんが頭に怪我をして、どうやら記憶を失ったようじゃ」
  !
「まだ動くな。なぁに、傷はたいしたことない。記憶のことも一時的なことかもしれん。安心せいワシらがしばらく面倒を見てやろう」
「ちょっ!御方さま!我々は旅の途中でっ!」
「も~うアトミちゃん、困っている子をほっておけないでしょ~」
「サーサまで!そりゃぁそうですけどぉ」
「急ぐ旅でもない。そうじゃろアトミ」
「うっ!わっかりましたよ!じゃぁ今日はここで野宿でいいんですねっ!」
「まぁ仕方なかろう。二人で薪をあつめて夕餉の支度をしてくれ」
  なんか、自分の知らない間になにやら話が進んでいった。
  お母さん・・・顔が思い出せない。でも、大好きなお母さん・・・。

「ん、寝たか」
「気を失ったのかもしれません」
「まったく、何者じゃ?」
「御方さま」
「ドミルか。どうじゃ?」
「はっ、周りに人の気配は一切ありません。足跡も我々のものだけです」
「我々のだけ、か」
「はい。この子供の足跡、歩いてきた痕跡はどちらの方にもありません」
「なんだよっそれ」
「木から木へお猿さんみたいに?それとも空を飛んできたのかしらねぇ~?」
「ドミル、すまんがもう一回見回ってくれ」
「はっ」

  明るい日ざし。カーテン閉め忘れたのか。朝だ。変な夢を見たなぁ。あれこの毛布、触り心地がいつもと違うなぁ。でも、すごく良い香りがする。あぁ起きなきゃ・・・。
  森の中だった。
「夢じゃなかった・・・」
「あら目が覚めた?もう起きても大丈夫かな?」
  たわわなお姉さんが長い金髪を結いながら、こちらをうかがってる。両腕に挟まれ強調されたたわわが、ものスゴイことになっている。白いおっぱいがユッサユッサと僕を呼んでいるような気がした。
  だめだ見ちゃいけない。そ、そうだ。頭に怪我をしていたんだったけ。恐る恐る傷があったところに手を伸ばしてみると、少し腫れているが、痛みはそれほどでもなかった。
「ふふっ。大丈夫どころか元気一杯ね」
  え?っと顔を上げると、お姉さんの目線は僕の頭ではなく、下の方に行っていた。
  一瞬で顔が沸騰する。
  僕のズボンの中が膨張していた。朝だからか。それともお姉さんのおっぱいのせいかはわからない。何を言っても誤魔化せないぐらいの見事な勃起具合だった。
「元気になってくれてよかったわぁ」
  そう言いながら、お姉さんは僕のズボンをさっさとはぎ取って、元気なモノをペロンと露出させてしまった。
  本当に一瞬のできごとで、抵抗する余地なんて全くなかった。
「うふふぅ元気元気。う~ん良い匂い」
  僕のちょっと皮を被ったナニに顔を寄せ、クンクンと臭いをテイスティングしている。恥ずかしい。もの凄く恥ずかしい。
「じゃぁむきむきしましょうねぇ。んんん~んっ!はぁぁぁぁ童貞くんの香り~あぁぁんもうたまんないわぁぁ」
  えっ?分かるの?と思いながらも口には出せず、もう為すがままだった。優しく丁寧に、でも強引に余っている皮を剥き、赤くふくれている亀頭を完全に露出させられた。お姉さんは顔をギリギリまで寄せて、その臭いをかいでいる。恥ずかしい。でもなぜか興奮してきた。
「んふふっビクンビクンしてるよ。僕ちゃん。お姉さんがたっぷり気持ち良くさせて上げるねぇ。あん。でも、二人がすぐ戻ってきちゃうから、手早くしないとね!」
  右手で僕の竿を上下に扱きながら、すでに溢れ出てきている先走りをペロッといく。
「あっ!!」
「ビンカンくんだねぇ。すぅ~ぐ気持ち良くなっちゃうからねぇ。大丈夫よぉ」
  唾液タップリの舌で、浮き出た血管をなぞるように少しずつ舐める面積を増やしてゆく。ざらついた赤い肉が隅から隅まで撫で回す。

「おちんちん舐められるのは初めてかなぁ~」

  お姉さんの唾液でベチョベチョになったペニス。それを細い指で撫で回す。グジュグジュ音をあげならが亀頭を撫でられる。

「んんんんっ」
「先っぽ撫でられるの気持ちいいねぇ」
「はっはいっ気持ちいいっでっすっあんっ」

  僕のナニを楽しそうにもてあそんでる。
  そして、パクっと亀頭をくわえ込んだ。温かくヌルヌルの口の中で、僕のペニスは、いや僕自身が溶けだしちゃうじゃないかと思うぐらいの快感だった。

「あふぅぅ」

  変な声がでちゃう。
  その反応を見たのか、お姉さんの動きが速くなる。幹をしっかりと上下にシコシコしつつ、顔は前後に動き亀頭を刺激する。口のなかでは舌が別の動物のように複雑に動いて、裏筋を攻めてくる。空いている左手は、僕の太ももやお腹をいやらしく撫で回している。

「あぁんどーてーおひんひんっすっごくガチガチっ」

  ズチュ!グチュ!グチャ!チュパ!ジュル!

  キレイなおっとりしたお姉さんからは、決して出てはいけないようなイヤラシイ音を出しながら、唾液をまき散らかしながら、お姉さんは僕の股間にむしゃぶりつく。
  必死に声を抑えながらも、余りの刺激に耐えられず

「あんっ」

とか女の子みたいな声が出てしまう。
  ニコニコと上目遣いでこちらを見ながら、楽しそうに美味しそうに美人のお姉さんが僕のペニスを味わってる。
  お姉さんはますますヒートアップして攻めてくる。

「グチュおひんひんジュパジュパおひひいんジュルん」
「ああっそれすごいっイイっ」
「んんんジュルっほほがひひのねっズリュっジュパっあふっんっ」
「んんジュルジュジュんっおくひきもひひ?ズズジュリュリュっおひんひんがっジュパジュパっあふいよぉ」

  からだが腰が自然に浮かび上がろうとしてきた。でも、お姉さんが意外なぐらいの力で僕を押さえつけ、激しく攻めてくる。

「ふふグジュルルっもほぉいひそうジュジュっいっひゃいそうねっジュパジュパジュパっ!ひひよっ!いっひゃってっジュルジュズゥだしひゃってグチュっだひってっ」

  身体が自然に震えてくる。

「あっイっイっイクっっっっっっっっっ」

  ドピュっっっっっっっっドピュピュピュっっっっっっ!!ドピュピュピュピュっっっっっ!!!!

  激しく口の中に出しまくる。もう止まらないんじゃないかと思うぐらいの射精感だ。
  その間もお姉さんは、もっと出せと言わんばかりに僕を上下に扱き、吸い上げる。

「ンンングンンンっンンンっっっっっングンっン」

  ようやく出きった出し切ったところで、お姉さんは僕から顔を上げ、喉を鳴らして口の中のモノを呑み込んだ。
  そして、顔中の唾液を拭きながら

「すっごい濃くって喉に貼りつく良いせーしいっぱい出たね」

  唇の周りに溢れた精液を指でぬぐって、見せつけながらいやらしく舐め取る。

「んふっおいしいっ、あっまだ出てるっもったいない」

  そういって、亀頭に口づけ。
  ズリュリュリュリュリュっと尿道に残っている精液を吸い上げる。

「あひぃぃぃ」

  尿道を駆け上る全く未知の快感に、恥ずかしい声を思いっきり出してしまった。
  お姉さんはニコニコ僕を見つめながら、

「おちんちんキレイにしなきゃねぇ」

  そう言ってチュパチュパと精液を吸い上げ、やさしく丁寧に隅から隅まで舐め上げた。
  出したばかりのビンカンな僕のペニスだったけど、もっとして欲しくってどんどん硬く膨らんでゆく。
「もっともっ~と、できそうだねぇ、イイおちんちん。ずっと可愛がってあげたいよ~。ほうらシコシコっ気持ちイイねぇ~。でも、もう二人が帰ってきちゃうの~」
  チュっと先っぽにキスをして、さらに僕の唇に軽くキスをした。
「あっもう来ちゃった。はやくはやくっ」
  僕にズボンを放り投げ、お姉さんは大慌てでヨダレを拭いてる。
  するとガサガサと足音が聞こえてきた。
「おっ起きたようじゃな。どうじゃ気分は」
「元気そうじゃないかっ。魚釣ってきたぞ!すぐ焼いてやるからな!」
「あっ、はい」
「ん?なんだ?このニオイは?」
  少年っぽいたぶん少女が、クンクンと鼻を鳴らしてキョロキョロする。
「あ~っ!サーサ!お前つまみ食いしただろ!」
  釣り竿を振り回しながら、サーサとよばれたたわわなお姉さんを責めはじめる。
「何とつまみ食いとわな。ワシらが働いておったのに、それはイカンのぉ」
  銀髪のおばあちゃんしゃべりのキレイな人は、ニヤニヤしながら、僕のことを見る。これはバレてる雰囲気だ。
「ごめんなさいねぇ美味しそうだったから、つい、ねっ」
「で、どうじゃったんじゃ?」
「うん!もう!とっても美味しゅうございましたわぁ」
「ほ~それはワシも食してみたいもんじゃのぉ」
  二人の目は完全に僕の股間に固定されている。
「えぇ、御方さまにも是非味わっていただきたいわ。もう他のモノなんて目に入らなくなるぐらいの一品ですわよ」
「はぁ?何言ってんだサーサ。そんなもの隠し持ってたんか?しっかし、ひっどいニオイだなぁ~全然うまそうじゃないけどなぁ」
  あ、この子は全然わかってない。良かった。
「まぁアトミちゃんも、大人になったらわかるわよ。これがないと生きて行けないって」
「あ~もう、俺をガキ扱いするな!もう充分大人だ!」
「カッカッカカ、真の大人とは何であろうなぁ、なぁ小僧」
「は、はぁ・・・」
  僕はただただ赤くなって下をうつむくだけだった。もうナニはすっかりと縮んでいた。

  普段から役割分担が決まっているのか、三人は手早く魚を焼きはじめた。
「改めて自己紹介でもしようかの。お主は、まだ名は思い出せぬかな?」
「は、はい・・・」
「ん、無理はするな。ワシのことは、まぁあんまり、名を呼ばれるのは慣れておらんでな。皆は御方さまと呼んでおるので、同じように呼んでもらえるとよいかな」
「あ、はい。わかりました、お、御方さま」
  名前を言えない事情でもあるんだろうか。でも、考えてみたら年上の女性の名前を呼ぶってことはちょっと恥ずかしいし、御方さまって呼ぶ方が呼びやすいかな。
「サーサとは、もう『親しく』なったようじゃな。で、こっちは」
「俺はアトミだ。アトミさんと呼べ」
「わかったよ、アトミちゃん」
「さんだ!」
「どうみても『ちゃん』であろ」
「『ちゃん』よねぇ」
「いや、俺の方が年上だって!絶対!アトミさんだからな!」
「まぁどうでも良いことじゃな。問題はお主をどう呼ぶかだ。僅かな付き合いかもしれんが、呼び名がないとな」
「はぁ・・・そうですね」
「御方さま!『ガキ』でいきましょう!でなければ『チビ』で!」
「それはお前のことじゃろう」
「いやいや、コイツの方がガキでチビじゃないですか!だから!もう俺のことはそう呼ばないってことで、コイツに譲りますよ!」
「う~ん、アトミちゃんの方がちっちゃいんじゃないかなぁ?」
「そっ!そんなことはないぞ!俺の方が!おい、お前!立て!背比べするぞ!」
「アトミ、食事中じゃ後にせい。それより、サーサ何か良い名はないか?」
「こう見えてもサーサは、すげぇ学者なんだぞ。異国の本とかも読めるんだぞ」
「そうねぇ、『頬被りの恥ずかしがり屋さん』とかどうかしらぁ?」
「呼びにくいよ!っていうか、名前じゃないだろっ!」
「はっはっはっ頬被りだったのか?」
「『襟巻きちゃん』の方が良いかもぉ」
  御方さまはニヤニヤと僕の下半身を見つめ、僕は赤面するだけだった。
「冗談はさておき、そうねぇ~」
  サーサさんが、ちょっとだけ真面目な顔でこっちを見た時だった。
「エイ・・・」
  思わず口から言葉が出た。
「ん、エイがどうした?」
「あ、いえ、名前を思い出そうとしてたんですけど、そしたらふとエイって言葉が・・・苗字か名前か分からないんですけど・・・」
「おい、お前苗字持ちか!」
「え?」
「育ちは良さそうだものねぇ」
  なんだか良く分からないが、三人はそれぞれ顔を見合って考えている様子だった。
「それはともかくじゃ。エイが全てか一部かわからんが、名前に関係する言葉なんじゃろうな」
「御方さま、エートという名はいかがでしょう」
「ほぉ、どういう意味があるんじゃ?
「はい。南方の言葉です。強く、硬く、太く、たくましいという意味です」
「はぁ?コイツのどこがたくましいんだよぉひょろひょろのチビスケじゃないか」
「アトミ、黙っておれ。サーサ、硬くて太いのか?」
「はい。まさにエートです」
  真っ赤になってとりあえず魚の焼け具合を見ている僕と、ちんぷんかんぷんな様子のアトミちゃんを他所にして、御方さまとサーサさんは楽しげに会話を進めていく。
「これから成長し、経験を積めば、将来が楽しみですよぉ。といいますか、もうコレだけあれば、ほかはいらないかなぁってぐらいです~」
「百戦錬磨のお主にそこまで言わせるか。ワシをたばかっておるのではないだろうな」
「ねぇアトミちゃん、これもう焼けたんじゃないかな」
「あぁそうだな、もう食っても良いと思うぞ。な、二人は何の話しをしてるんだ」
「さぁ僕にはさっぱり。ん~たき火で焼くと香ばしくって食欲をそそるね」
「御方さまも是非ご自身でご確認くださいませぇ」
「見境なく何にでも飛びつく気はないが、これは楽しみにせざるを得んな」
「初物はお譲りしますので」
「ありがたく譲られよう」
  なんか、僕の人生にとって大事なことのひとつが決められていってるような気がするけど、魚がおいしい。
「おい、なんじゃもう食っておるのか。名前が決まったぞ。エートじゃ」
「はい。もうおまかせします」
「その名に恥じぬ働きを期待しておるぞ」
「任せてください!俺がガンガン鍛えてやりますよ!」
「あ~アトミちゃんには、まだ無理かなぁ~」
  そんなこんなで、僕の新しい生活がここから始まってしまった。

つづく
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