perfect divide

丸ニカタバミ

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対抗戦編

こたえ

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 正直、今日の修練は気がのらなかった。あれ以来部活動にも顔を出せなかった。
ただ、部活でできた友達は変わらずに接してくれて「先輩のお願いはともかくできるだけのサポートはするから」と優しい言葉までかけてもらえた。いい人たちだとわかるからなおさら、私を悩ませた。今日会うにあたって一応は結論を出した。あとは、本人に伝えられるかどうかだ。
 今日の教官は、午前中はアンとお母さん、午後からアキと丸爺である。4人には、先輩と拓実、それから数名来ることは伝えてある。先輩たちはもうついているようだ。
「ルアさん今日はよろしくお願いします」
「ルミからも親父さんからも聞いているわ。理由が私怨であれ協力者を拒むほど懐は狭くないもの。試したいことがあれば何でも言ってね。可能な限り答えるから」
 そういって、お母さんと先輩はそれぞれの準備を始める。私も伝えることを伝えて準備しなくては。
「あの、先輩今いいですか」
「ああ、この前のことか。いいよ、こっちで話そう」とそういって準備している場所から少し離れた場所へ歩いていく。
「この前のことね。あれ気にしなくていいよ」
「えっ・・・」
「あのあと、拓実にものすごく怒られたんだ。これ以上あいつに無駄なものを背負い込ませないでくださいって・・・」
「そうなんですね・・・」
「理由もちゃんと聞いたよ。なんで、今のクラスにいるのかも、あなたの家族のことも昔の君のことも全部」
「でも、それは先輩と関係ないことで背負うなんて考えてもいないです」
「拓実も同じこと言ってたし、今日ついて来たあなたの友達みんな同じこと言ってた。あなたならそういうだろうって。そこまで理解してもらえる友達がいるなんて、正直うらやましいよ」
 みんなにそこまで気を使わしていたとは思ってもみなかった。先輩から話を聞いたとき、みんな下心があったのでは疑ってしまった。そんな自分が恥ずかしい。だからこそ、自分が決めたことをちゃんと伝えないと。
「実は私がやる気になったのは、見返してやりたいって気持ちからなんです。だから、最初に話を聞いたとき安心しました。私みたいな人がほかにもいたんだって。だから先輩も気にしないでください、むしろ目指すところは一緒なんで!じゃあ、わたしは準備してきます。今日はよろしくお願いしますね」
 そういって、颯爽と先輩のいた場所から離れた。これで、今日は集中してできる。みんなのためにも不安にさせないようにいいところを見せなきゃ。
 残されたあたしは、呆然としていた。拓実に怒られてから反省していた。いくら有望だからって私怨に巻き込むなんて先輩としても人としても最低だ。彼女の言う通りきっかけは、そうなのかもしれない。でも、決心させたのはあたしだ。あたしが余計なものを背負わしてしまった。
「ごめんなさい・・・ルミ」
 みんなの言う通りだ。彼女はすべて背負って全力でこたえようとする。
本当にあなたは、こっちが見ていて悲しくなるほどやさしい・・・・・・優しすぎる。
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