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対抗戦編
対抗戦
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「さあ、対抗戦が始まってすでに十分が経過しております。ここまで、いかがでしょうか」
「三人とも動きはいいです。まだ、本気ではないだろうけど」
「えっ、あれで本気じゃないんですか。私には、全力でやっているようにしか見えませんが」
「異能の発動もなしなんだから当然でしょ」
あれが本気だと思っているならこの国の将来は不安だ。
ルミ?はよくやっている。格闘戦《・・・》においては互角かそれ以上だ。
異能社会において異能の強弱は格闘がいくら強くても簡単にひっくり返される。だから、教育現場では異能が重視される。あのクラス分けは差別《・・》ではない安全に配慮した区別《・・》だ。例外が出てしまうのは難点だが。
その差をどう埋めるかはあなた次第だけど。
「おーっと!!ここで会場に動きがあったようです」
一方ルミは現状にやきもきしていた。
いつ攻めてくる、いつ異能を発動する。
いつだ、いつだ、いつだ。
今だ!!
「ああ!もう!らちが明かない。金剛拳!!」
「サツキ!!」
とりあえず、サツキを飛ばして距離をとる。
一対一に持ち込めば楽になる。サツキにはガードされたが数分間は動けないはずだ。
「今のうちに!」
「なめるな!竜炎斬!」
ルミはすんでのところでよける。
さすが、この国に三人しかいない龍の契約者の一人だ。技の威力が桁違いだ。これで、私たちと同じように修行されていたら危なかった。
「よけたからっていい気になるな!次で当てる」
「やれるもんなら、やってみなさい!金剛斬!!」
金剛を刀に乗せて斬撃を放つ。これも、修行の成果だ。
「その程度の斬撃波で俺に勝てると?なめるのもたいがいにしろ!!竜炎斬!」
金剛斬はあっさりと砕け竜炎斬が地面にあたり土煙が舞う。
「ええ、そうね。でも、いくら刀とはいえそんな大振りではあたらない!それに、左脇ががら空き!金剛系爆砕拳!!」
竜生がボールのように競技場の端まで飛んでいく。
「これは、強烈な一撃!竜生選手が吹っ飛ばされます。メイさんいかがでしょうか」
「今のは、いいタイミングだったと思います。
相手が大振りになっていたところを確実に仕留めましたから。ただ、その前のサツキ選手に入った一撃あれは・・・」
「あれは、異能戦に切り替えるにはいいタイミングでしたね。それがどうかしましたか?」
「あれはまずいかもしれない。今すぐ大会を中止したほうがいい。死人がでる前に」
「まさか、さすがにそんな状態にはならないでしょう」
実況員は全く相手にしようとしない。
だが、私にはなにが起こるか想像がつく。サツキってこのおばさんにあたるミツキの戦っているところをずっと見てきたのだ。鬼島家特有の異能の恐ろしさを知っている。
たぶん、金剛拳で口を切った。とすれば、”血”がトリガーとなって発動する鬼島家の異能はすでに発動していることになる。そうなれば、止まらない。
今の、私は非武装だ。最悪、間に合わないかもしれない。
私は急いで電話を掛ける。
「はいもしもし。どうしたのメイ?」
「つながった!!真澄急いで私の全武装持ってきて!あと、ルアとミツキとにかく同世代で集められるだけの人それもS、Aランクの人を急いで!!」
「どうしてそんなに慌てているの?今日は対抗戦の解説員の仕事のはずでしょ。そんなに興奮する試合だった?」
ああ、もうこういう緊急事態の時ぐらい空気を読んでくれてもいいのに。
「違う、さっき対抗戦で鬼島の子にガードはしてたけど吹っ飛ばされるくらいの一発が入って・・・」
「・・・わかった。急いで準備して連絡するよ。」
さすがに、全部は言わなくても伝わったようだ。「わかった」っていうときのトーンが急に緊張感が増していた。
「まさかと、思うけど <暴走> する感じではないんだね」
「今のところはないと思う。ただ、相手の子も結構強いから場合によっては・・・」
「わかった。すぐに行く」
頼むから、はやく。ほんとうに死人がでる前に。
そのころサツキは
「いったー。急に異能戦に切り替えなくてもいいでしょ。まったく、こっちにも準備ってものがあるんだから」
私は、体中くまなく見てけがをしていないか確認する。特に目立った外傷はない。
異能で自然治癒能力は高いからけがをしたところで問題はないが血を摂取してしまうと大変なことになる。
いくら復讐を望んでいるとはいえ殺したいほど憎んでいるわけではない。仕返し程度で満足できるものだ。
もう一度ケガがないかを確認する。
「いてっ」
目で確認できないところを確認していなかった。
「ああ、口切った。これはまずいなあ・・」
だんだん、目が熱くなっていく。
異能が鬼島の鬼が目覚める。
「三人とも動きはいいです。まだ、本気ではないだろうけど」
「えっ、あれで本気じゃないんですか。私には、全力でやっているようにしか見えませんが」
「異能の発動もなしなんだから当然でしょ」
あれが本気だと思っているならこの国の将来は不安だ。
ルミ?はよくやっている。格闘戦《・・・》においては互角かそれ以上だ。
異能社会において異能の強弱は格闘がいくら強くても簡単にひっくり返される。だから、教育現場では異能が重視される。あのクラス分けは差別《・・》ではない安全に配慮した区別《・・》だ。例外が出てしまうのは難点だが。
その差をどう埋めるかはあなた次第だけど。
「おーっと!!ここで会場に動きがあったようです」
一方ルミは現状にやきもきしていた。
いつ攻めてくる、いつ異能を発動する。
いつだ、いつだ、いつだ。
今だ!!
「ああ!もう!らちが明かない。金剛拳!!」
「サツキ!!」
とりあえず、サツキを飛ばして距離をとる。
一対一に持ち込めば楽になる。サツキにはガードされたが数分間は動けないはずだ。
「今のうちに!」
「なめるな!竜炎斬!」
ルミはすんでのところでよける。
さすが、この国に三人しかいない龍の契約者の一人だ。技の威力が桁違いだ。これで、私たちと同じように修行されていたら危なかった。
「よけたからっていい気になるな!次で当てる」
「やれるもんなら、やってみなさい!金剛斬!!」
金剛を刀に乗せて斬撃を放つ。これも、修行の成果だ。
「その程度の斬撃波で俺に勝てると?なめるのもたいがいにしろ!!竜炎斬!」
金剛斬はあっさりと砕け竜炎斬が地面にあたり土煙が舞う。
「ええ、そうね。でも、いくら刀とはいえそんな大振りではあたらない!それに、左脇ががら空き!金剛系爆砕拳!!」
竜生がボールのように競技場の端まで飛んでいく。
「これは、強烈な一撃!竜生選手が吹っ飛ばされます。メイさんいかがでしょうか」
「今のは、いいタイミングだったと思います。
相手が大振りになっていたところを確実に仕留めましたから。ただ、その前のサツキ選手に入った一撃あれは・・・」
「あれは、異能戦に切り替えるにはいいタイミングでしたね。それがどうかしましたか?」
「あれはまずいかもしれない。今すぐ大会を中止したほうがいい。死人がでる前に」
「まさか、さすがにそんな状態にはならないでしょう」
実況員は全く相手にしようとしない。
だが、私にはなにが起こるか想像がつく。サツキってこのおばさんにあたるミツキの戦っているところをずっと見てきたのだ。鬼島家特有の異能の恐ろしさを知っている。
たぶん、金剛拳で口を切った。とすれば、”血”がトリガーとなって発動する鬼島家の異能はすでに発動していることになる。そうなれば、止まらない。
今の、私は非武装だ。最悪、間に合わないかもしれない。
私は急いで電話を掛ける。
「はいもしもし。どうしたのメイ?」
「つながった!!真澄急いで私の全武装持ってきて!あと、ルアとミツキとにかく同世代で集められるだけの人それもS、Aランクの人を急いで!!」
「どうしてそんなに慌てているの?今日は対抗戦の解説員の仕事のはずでしょ。そんなに興奮する試合だった?」
ああ、もうこういう緊急事態の時ぐらい空気を読んでくれてもいいのに。
「違う、さっき対抗戦で鬼島の子にガードはしてたけど吹っ飛ばされるくらいの一発が入って・・・」
「・・・わかった。急いで準備して連絡するよ。」
さすがに、全部は言わなくても伝わったようだ。「わかった」っていうときのトーンが急に緊張感が増していた。
「まさかと、思うけど <暴走> する感じではないんだね」
「今のところはないと思う。ただ、相手の子も結構強いから場合によっては・・・」
「わかった。すぐに行く」
頼むから、はやく。ほんとうに死人がでる前に。
そのころサツキは
「いったー。急に異能戦に切り替えなくてもいいでしょ。まったく、こっちにも準備ってものがあるんだから」
私は、体中くまなく見てけがをしていないか確認する。特に目立った外傷はない。
異能で自然治癒能力は高いからけがをしたところで問題はないが血を摂取してしまうと大変なことになる。
いくら復讐を望んでいるとはいえ殺したいほど憎んでいるわけではない。仕返し程度で満足できるものだ。
もう一度ケガがないかを確認する。
「いてっ」
目で確認できないところを確認していなかった。
「ああ、口切った。これはまずいなあ・・」
だんだん、目が熱くなっていく。
異能が鬼島の鬼が目覚める。
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