妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜

橋本 悠

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第1章

第11話 ケイトのお家

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 今、俺とケイトは座れる場所を探して歩いている。

「バッド君……何したらそんなんになるの?」

「ちょ、ちょっとね……」

「もしかして……他に友達が出来たの!?」

「え、え?」

「だから!  バッド君に新しい友達が!?!?」

「待って待って!  そんなことないから!」

 キラキラ目を輝かせながら、ケイトは俺に詰め寄ってきた。

 ケイトのやつ……俺が友達できるなんて奇跡だと思ってないか?  そんなに驚くことか?

 ……まぁ、できてないんだけどな。あ、一応師匠はできたな。

「じゃーどうしてなの!」

「ま、まぁ……魔力使った修行してて」

 隠す理由もないなと思いゆっくりと歩きながら昨日までの修行とその経緯を話そうとした。その時だ。

「あ、じゃあさ……うちくる?  その話ゆっくり聞きたいし……前お家お邪魔させてもらっちゃったし……」

 初めは普通だったのだが徐々に恥ずかしそうな顔をするケイト。

「え、いいの?  ケイトがいいならお邪魔させてもらっちゃおうかな」

「ひゃ、ひゃい!」

「なんだよそれ」

「い、いや……ちょっとびっくりしちゃって……」

「なんでそんなに驚くんだよ」

「ま、まぁ……い、意外な反応だったなぁ……って思いまして……」

「意外ってなんだよ!  特に断る理由もないだろ?」

「た、確かに……誘ったの私だしね」

「そうそう。ケイトのお家は近いのか?」

「遠くは無いかな。隣町だから20分もかからないよ」

「じゃあゆっくり向かおうか」

「あ、でもうちたくさん人いるけど……それでもいい?」

「うん。そんなの全然大丈夫だよ。あ、まだ俺が襲うとか思ってるのか?」

「そ、そんなことない!  あー、もう!  早く行くよ!!」

「あ、ちょ、引っ張るなって!  身体に響くから!!」

 こうして俺はケイトのお家にお邪魔させていただくことになった。こんな当たり前の会話がとても心地よかった。

 そして、この時はまだ、うちに沢山人がいるということの意味を知る由もなかった。

 ☆☆☆

 そんなこんなでゆっくり歩んでいき、約20分が経った。小さな森の道を抜け、街が見えてきた。大きく広がる景色と街をを眺める。

「この街がケイトの住んでる街?」

「うん。そうだよ。そんでもってあれが私の家」

「……?  あれって言っても小さくしか家は見えてないよ」

「違う違う。あれだよ。いっちばんでっかく見えるあれ」

「……え、もしかしてあれって……あの宮殿に立ってる……あれ?」

 恐らくケイトが指しているあれとは、紛れもない高級貴族が住むような宮殿に建つお城であった。そのお城は純白で美しく、俺とは正反対だ。

 まぁ、お城と言ってもそんなめちゃくちゃでかい訳では無い。でも、俺からしたら十分立派な、いや、めちゃくちゃ立派すぎる家だ。

「……そう。言ってなくてごめんね。私……この街の領主の娘なの」

 えー!?  まてまてまてまて!!  領主の娘!?!?

 俺はそんな子と仲良くしてたのか!?!?
 てか、前世の俺こんな御身分の人と結婚してたのか!?!? 知らなかったよ!!??

 前世の俺も知らない事実と共に、ただ目の前の宮殿を見つめることしか出来なかった。
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