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第2章 少年期 剣術・魔術成長編
第20話 お父さんVSアコイス・ルード
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「お前……うちの子どもに何してんだ!!」
お、お父さん!?
響き渡る金属音と共に魔力どうしがぶつかり合う。
バチバチと赤と水色の光がぶつかり合う。
「……あなたもまた名乗らないの?」
「お前なんかに名乗る義理はねぇぞ」
両者一度後ろにステップを踏み、距離をとる。
俺はこの状況に唖然としてしまった。
アコイスさんは僕たちの恩人だ。
でも、確かにこの状況だとお父さんが勘違いしてしまうのも無理はない。
早く何とかしなきゃ……ってやばい!!
二人はもう戦闘態勢に入っていた。
二人とも強く踏み込み、両者とも相手に向かって走り出した。
「お父さん! 待って!」
そんな小さな俺の声は聞こえる訳もなく、二人がぶつかり合う寸前の事だった。
ブウォン!!
「やめて!!!」
リュー……ネ?
大きな風を起こし、リューネはお父さんとアコイスさんの間に両手を広げて立っていた。
「ちょ、おいリューネ。どういうことだ」
「この人は私たちの命の恩人なの! グランディスさん早とちりすぎ!」
「そ、そうなの……か?」
「え、ええ。まぁ……」
.......
アコイスさんとお父さんの目が合う。その時、アコイスさんは、「ははは……」と、手を振った。
「誠に申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁあ!!」
お父さんは一瞬にして剣をしまい、ダイナミックに土下座した。
困るアコイスさんの顔なんて1ミリも見ずに、ただ地面に頭を擦りつけていた。
「あー、いや、大丈夫ですので、顔あげてください」
それからお父さんにも事の経緯を説明し、アコイスさんについても説明をした。
「え、コセオ魔法学校ってあのコセオ魔法学校か!?」
「え、ええ。そうだけど……」
「やっぱ凄いと思ったんだ! 俺はコセオの第一期卒業生なんだぜ!」
お父さんはすごい自慢げに話し始めた。
話し出したらキリがない……そう思った俺とリューネは目を合わせ、頷きあった。
「グランディスさん、そろそろ戻りましょう。アコイスさんにも迷惑ですし」
「あ、確かにそうだな。アコイスさん。本当に申し訳なかった。あと、本当にありがとうございます」
お父さんは深々と腰を曲げ、頭を下げた。
「いえいえ。モンスターの討伐もこちらの仕事でしたので助かりました」
さっき話の中でモンスターの話になった時、「あ、俺がそいつ倒しといたぞ」と、簡単に言っていた。
お父さんはちょっと抜けてるけどやっぱり実力者だ。
それを改めて実感した。
「では、私は学校に戻りますので。またいつか機会があれば」
「ありがとうございました! アコイスさん!」
アコイスさんはニコッと、笑いながら手を振って裏路地を出ていった。
「ところでお父さん。あのお花屋さん……」
「あぁ……ぶっ壊れた……」
「え、じゃあ……お花は買えないってこと?」
お父さんはうんうんと腕を組んで頷いた。
「どうしましょうか……エイミーさんの二十歳記念の贈り物……」
リューネが頭を傾げる。
どうしよう。このまま何も渡さないのもあれだ。成人だって言うのに言葉だけじゃそりゃダメだ。
……あ、いいこと思いついたぞ!
「お父さん。この後まだ付き合って貰えますか? あと、家にペンと便箋のようなものってありますかね?」
「両者とも大丈夫だぞ」
「分かりました! 急ぎましょう!」
「ちょ、ちょっと! どこ行くのよグラリス!」
俺は街を出て家の近くへと走って行った。
お、お父さん!?
響き渡る金属音と共に魔力どうしがぶつかり合う。
バチバチと赤と水色の光がぶつかり合う。
「……あなたもまた名乗らないの?」
「お前なんかに名乗る義理はねぇぞ」
両者一度後ろにステップを踏み、距離をとる。
俺はこの状況に唖然としてしまった。
アコイスさんは僕たちの恩人だ。
でも、確かにこの状況だとお父さんが勘違いしてしまうのも無理はない。
早く何とかしなきゃ……ってやばい!!
二人はもう戦闘態勢に入っていた。
二人とも強く踏み込み、両者とも相手に向かって走り出した。
「お父さん! 待って!」
そんな小さな俺の声は聞こえる訳もなく、二人がぶつかり合う寸前の事だった。
ブウォン!!
「やめて!!!」
リュー……ネ?
大きな風を起こし、リューネはお父さんとアコイスさんの間に両手を広げて立っていた。
「ちょ、おいリューネ。どういうことだ」
「この人は私たちの命の恩人なの! グランディスさん早とちりすぎ!」
「そ、そうなの……か?」
「え、ええ。まぁ……」
.......
アコイスさんとお父さんの目が合う。その時、アコイスさんは、「ははは……」と、手を振った。
「誠に申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁあ!!」
お父さんは一瞬にして剣をしまい、ダイナミックに土下座した。
困るアコイスさんの顔なんて1ミリも見ずに、ただ地面に頭を擦りつけていた。
「あー、いや、大丈夫ですので、顔あげてください」
それからお父さんにも事の経緯を説明し、アコイスさんについても説明をした。
「え、コセオ魔法学校ってあのコセオ魔法学校か!?」
「え、ええ。そうだけど……」
「やっぱ凄いと思ったんだ! 俺はコセオの第一期卒業生なんだぜ!」
お父さんはすごい自慢げに話し始めた。
話し出したらキリがない……そう思った俺とリューネは目を合わせ、頷きあった。
「グランディスさん、そろそろ戻りましょう。アコイスさんにも迷惑ですし」
「あ、確かにそうだな。アコイスさん。本当に申し訳なかった。あと、本当にありがとうございます」
お父さんは深々と腰を曲げ、頭を下げた。
「いえいえ。モンスターの討伐もこちらの仕事でしたので助かりました」
さっき話の中でモンスターの話になった時、「あ、俺がそいつ倒しといたぞ」と、簡単に言っていた。
お父さんはちょっと抜けてるけどやっぱり実力者だ。
それを改めて実感した。
「では、私は学校に戻りますので。またいつか機会があれば」
「ありがとうございました! アコイスさん!」
アコイスさんはニコッと、笑いながら手を振って裏路地を出ていった。
「ところでお父さん。あのお花屋さん……」
「あぁ……ぶっ壊れた……」
「え、じゃあ……お花は買えないってこと?」
お父さんはうんうんと腕を組んで頷いた。
「どうしましょうか……エイミーさんの二十歳記念の贈り物……」
リューネが頭を傾げる。
どうしよう。このまま何も渡さないのもあれだ。成人だって言うのに言葉だけじゃそりゃダメだ。
……あ、いいこと思いついたぞ!
「お父さん。この後まだ付き合って貰えますか? あと、家にペンと便箋のようなものってありますかね?」
「両者とも大丈夫だぞ」
「分かりました! 急ぎましょう!」
「ちょ、ちょっと! どこ行くのよグラリス!」
俺は街を出て家の近くへと走って行った。
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