お気に召しませ···(仮)

綾辻

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快楽に溺れる

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「えーっ!いいなぁ。良樹は?」

「俺は、議事堂とサンシャイン水族館。お前は?」

 良樹が、修学旅行のパンフレットを見ながら聞いてきた。

「浅草と築地···。かぶってるの、ランドだけかぁ」

 3人丸くなって、それぞれのパンフレットを見比べる。三つ子と言えど、クラスが違う。


「最近は、みんな行く場所が違うのね。私の頃なんて···」

 今度は、ママを交えて話すもところどころパパが出てきたのには、笑えた。

「必要な物とかあるのか?」

 ママが昔の話をしたから、機嫌の良くなったパパは、いつもよりデレデレしていた。

「「「あるっ!」」」

 三人一致し、翌日買いに行くことになった。


 うちみたいな家庭が多いのか、ショッピングモールで何人かのクラスメイトと会い、それぞれ挨拶したりした。

「良樹、女の子の友達いっぱいいた」

「······。」

「僕、男にしかモテない」

「ゲーム絡みだろ?」

❨私の知らない良樹の顔···❩

 ポンッ···

「なんも心配すんな···?俺は俺だ」

 頭を叩かれ、小さく良樹が言った。

「俺は、お前がいればいい」

 肩に乗せた良樹の手に力が入った。

「うん···」

 ボストンバッグは、みんな持ってるから向こうで着る服とか使う物を買って貰ったのはいいんだけど···

「な、あとで履いたの見せて」

「僕も見たい」

❨何故、二人はわかったんだろう?ママとコッソリ買いに行ったのに❩

「見るだけ···なら」

 そうは言っても、それだけですまないのは知っていた。ほら···

 良樹と晃樹は、ニヤニヤ笑って、隠れてじゃんけんしてるし···

 一通り買い物を終えて、少し早めの夕飯をレストランで済ます。見えないように良樹と手を繋げたのはいいけど、晃樹は晃樹で足でアソコを押してくるから、ある意味落ち着かなかった。


「えっち!」

「喜んでた癖に···」

「······。」

「俺もやれば良かった」

 っ!?

 家に帰って、買ったものを出して、1つ1つに名前を書く。

「でもさ、ホテルだけは同じで良かったよね」

 晃樹が、嬉しそうに言った。

「他のクラスは、違うとこだったけどな」

 マンモス学校で有名な学校だから、受け入れてくれるホテルが少なく、3組ずつ違うホテル。

「先生は、大変だ。終わったぁ!」

「俺も」

「僕も」

「じゃ、あとで楽しみにしてるから···。今日は、俺が勝った」

 着替えを手に、バスルームへと降り立った良樹。

「由依···」

「ん?」

 振り向いた瞬間、キスされて倒された。

「だめ···見られる」

「いいさ。僕とアイツは、ライバルだから···」

 晃樹の手は止まらず、服の中に手を入れてきた。

 プチッ···

「あ···」

 服をめくられ、胸に晃樹の顔が···

 チュパッ···チュウッ···

 んっ···あ···んっ···

「由依···。僕、負けないから···」

 晃樹の手は、下にさがりスカートをめくり、下着の中に入ってきた。

「クスッ···。ね、誰か想像した?濡れてる」

 そう言われるだけで、熱くなる。

「ちが···ぁ···んっ」

 カーペットの上で足が擦れる。

「いじるだけだから···。するのはあとだけど」

 ゴクッ···

「ちょっとだけ、ちょっとだけ···」

 下着を脱がされ、顔を埋める晃樹···

❨こんなとこ良樹に見られたら···❩

 あぁっ!!

 クリの上を舌が小刻みに動いては止まる。

 んっ···んっ···あっ

「いいね。今すぐにでもヤリたくなるよ、由依」

 中に指を入れられて、グチュグチュとかき回しながら、胸を吸い続ける。

「だめ···あっ···イッちゃう···だめ」

 手に触れる晃樹の柔らかな髪···頭から背中に手を回そうとしてるのは、何を物語っているのか。

 あっ、あっ、あっ···

 んぅぅっ!!!

 声が出そうになるのを晃樹の唇で、塞がれた。

「ほぉっ!俺がいないとこで何してんだ?お前ら」

「あ···」

 笑う晃樹に、顔を背ける私。声からして、良樹怒ってる。

「······。」

「僕、お風呂入ってくるー」

 逃げるようにその場を立ち去る晃樹。

❨怖い。絶対怒ってる!!❩

「俺、後にしようかな?順番···。明日日曜日だし···。そしたら···」

「······。」

「思う存分、ヤれる!!」

 ニヤけた顔の良樹。

 その事を晃樹に言ったら、あっさりと変わってくれたらしく···


「僕、負けないから。絶対に!」

 新しい下着に身を包んだ私を、ジロジロ眺めながら、ブラを外し、ショーツを脱がしていった。

「可愛いね···」

 チュッ···

「さっき、どうだった?アイツに見られた時」

「えっ···」

 チュパッ···チュパッ···

 微かに聞こえた。廊下のギシッという軋み音。

❨いる。ドアの外に良樹がいる!❩

 はぁっ!んっ!んっ!

「静かに、ね」

 ヌプッ···ヌチュッ···

 晃樹が、中に挿ってきてさらに掻き回していく。

「グチュグチュだ···」

 あっ···あっ···

 はぅっ!!

「クリもビンビンだし···」

「やめっ···あっ···」

 パンッ···パンッ···

 腰を掴まれ、強く打ち付けられ声が洩れる。

「ふふっ。凄いよ、中がヒクヒク動いてるのわかる」

 あっ···んっ···んっ···

「気持ちいい。しまる···由依」

 奥まで突きながらも、私の様子を愉しんでる晃樹。

「イクよ、イクよ···由依っ!!」

 晃樹の動きが止まり、中がピクピク動いてる。

「アァッ···アァッ···ウゥッ···」

 拭いて貰いながら、晃樹は私のアソコを見てるのがわかる。

「えっち!」

 ガシッ···

 そう言いながら、わざと足で顔を挟む私。

「じゃぁね。可愛いかったよ···」


 晃樹が部屋を出てくと、入れ替わりに良樹が入ってきて、鍵を締めた。

「良樹?」

 良樹は何も言わず、私を見下ろす。

「···寝ろ。きれいにしてやる」

 パジャマを脱ぎ、裸になった良樹は、私を押し倒し、荒々しく唇を塞いだ。

「ムカつく···。けど、好きだ···」

 首筋を強く吸われ、良樹の手が乳房にかかる。

 んあっ···

「これ、咥えろ」

 近くにあったタオルを口に咥えさせられた。

「前戯なんて省略だ」

 良樹のが一気に挿ってきた。

「いい声出してた」

 んぅっ···んっ···んっ···

 ガンガン打ち付けるように突かれる。

 んっ···んっ···

「俺の方が···いっぱい好きなのに」

 パンッパンッパンッ···

 んぅっ···んっ···

 パンッパンッパンッ···

 んぅっ!

❨イキそう···❩

「由依!由依!」

 良樹は、私の名前を何度か呼んで、止まった。

 ハァッ···ハァッ···

「俺、どうかしてるわ。お前がアイツに抱かれてると思うと···ハァッ···」

「······。」

「よし、次だ!由依、四つん這いになれ」

「······。」

 四つん這いになって、お尻を良樹に向けた。良樹は、新しいゴムをつけて、

 ズッ···ズブッ···

 挿ってきて、ゆっくりと腰を動かす。

「お前は、俺のものだ。いつか、お前を嫁にするから!!」

 ズチュッ···ズチュッ···

 繋がった部分の音が、伝わる。

 んっ···んっ···

 ペチンッ···

 っ!!

 いきなりお尻を軽く叩かれて驚いた私は、タオルを外して、良樹の名前を呼んだ。

「咥えてろ、タオル」

 腰を掴む手に力が入り、ガンガン突きながらも、お尻を叩く···

「どうだ?由依···」

 んぅっ···んぅっ···

❨なんか···んっ!気持ちいい?❩

「アァッ、ピクンピクンうごいてらー」

 肌がぶつかる音の合間に、お尻を叩く音···

 んっ!!

「尻、叩くと余計に絞まるー」

 パンッパンッパンッ···

 んぅっ!!

 パンッパンッパンッ···

❨イッちゃう。良樹、良樹···❩

「いいね、いいね。悦んでる」

 パンッパンッパンッ···

「出すからな···由依」

❨待って!待って!待って!❩

 パンッパンッパンッパンッパンッ···

 ゴチンッ···

❨痛い···❩

「アァッ···アァッ···アァッ···」

 良樹の体重がのしかかった拍子に、頭をベッドにぶつけた私は、身動きが取れない。

「ははっ。ごめんな。わからんかったわ。音がしたのは、なんとなく聞こえてはいたけど」

 私の頭を触りながらも笑う良樹。

「声、出せなかったもん」

「ごーめん、ごめんっ!で、どうだった?」

「なにが?」

「前と後ろ、どっち良かった?」

「えーっと、後ろ。なんかお尻叩かれた時、変な感じだった」

 これは、正直本当だ。

「そか···。良かった。俺、ある意味Sだから···」

❨S?Lの間違いでは?❩

 それが、身体のサイズでないことを知ったのは、かなり後だった。


 良樹や晃樹達は、友達とえっちな話をしたりしてるらしく、私の知らない言葉を時々言ったりする。

「竿兄弟?」

「あぁ。おちんちんの事を竿とか言うらしいよ」

「男だと竿だし、女だと穴兄弟?なんか変な言葉」

 二人して笑って言い合う。えっちなことに関しては、仲良しになる。こと、私の事になると···


「今回は、俺に譲れ」

「い、や、だ!じゃんけんだ!」

「······。」

 とまぁ、こんな調子になる。ママ達の前でもやってるから、見てるこっちはヒヤヒヤする。
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