想いの言の葉

忍原富臣

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自救慈息―ジキュウジソク―

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  人に疲れた心 生きる事に疲れた心

  揺れ動く心が地の底へと沈んでいく



     傷付くことが怖い
    他者への干渉が恐ろしい
  自分なんて生きている意味がない


  何も出来ない自分に他者の目が向く

  ―他人の視線が槍の如く突き刺さる―


 
    己の語り手は居ない
   差し出される手も存在しない

  自己防衛 他力本願 生存本能
   助力   懇願   慈悲


  ――人は生きる事に精一杯だ――


  暗闇の中――目を閉じて思考する

   ――体は生きろと命じる――
   ――心は死にたいと願う――



   自身を救えるのは自分であり
  己を慈しみ救えるのも自分である


  息を吸え 息を吐け 繰り返せ
  力を込めろ 前を向け 目を開けろ

 ――自分自身も世界も恨むにはまだ早い――


 両手両足 動かせる身体があるならば
    自分の為に生きなさい


 他人の視線の槍が降ろうとも

      心を見失いそうになっても



       決して

   ――生きる事を諦めないで――
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