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薬
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しおりを挟む急に離れてしまった光彦の態度を『寂しい』と思いそうになってしまい、葉人は慌てて首を振る。
「!?」
ざわっと首筋を這う鳥肌に咄嗟に手をやろうとした。
ざわ…
動かした手に、甘い痺れが走る。
「な…に……?」
呟いた唇すら、言葉が滑り落ちる感覚を捕らえて戦慄く。
「せん…せ……」
「本格的に薬が効き始めたみたいだね」
悪寒にも似た痺れに体が反応する度に、そこからまた新たな痺れを生んで全身に広がっていく。
痺れはぽつ…ぽつ…と体に火を生み、じりじりと葉人の内側をあぶり始めた。
「ぁ…っ、ぁあつ……!!」
先程まで光彦が弄っていた孔が引くつく。
ナカから精液が溢れ出す感覚だけで葉人は悶える様に突っ伏した。
「ぁふ…っうぅっ」
「君が、俺のモノだってちゃんと分かったなら、イカせてあげるよ」
ゆったりと椅子に座る光彦の、先程まで自分を貫いていた杭を見ながら、震える唇を引き結んで葉人はきっぱりと首を横に振った。
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