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藍我 side
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しおりを挟むとはいえ、どうしてオレとまことが付き合っているなんて話になっているのかを聞かなきゃいけない。
オレとしては、教室でいきなり押し倒しちゃったりしないようにするために、接触は可能な限り控えめにしていた。どうしても触らなければならないって時は、迷子対策とかその程度で……だから周りは、オレが必要以上にまことに絡みついているところを見ていないはずだ。
なのになぜバレた?
「いやいや、お前らの空気感、おかしいからな?」
呆れ顔のクラスメイトに言われたけれど、オレとしては昔のままの感覚で側にいるだけだ。
ただ、前の日に寝ているまことにいっぱいキスしてしまった時とか、やらしいキスをしちゃった時とかはオレの罪悪感のせいでちょっとギクシャクはしてしまったかもしれないけれど。
そんなのバレるはずないし。
「いやいやいや、いい加減にしろよ?」
そいつに言わせると、まことはオレと目が合うとパッと笑って顔を赤らめるんだそうだ。
何バカなこと言ってんだ、まことはいつも笑顔だし、ほっぺはピンクで可愛いんだからそれはデフォの顔だ。
あんな可愛い顔を常時発動できるまことって凄くね?
「俺達と藍我に対する表情が全然違うんだぜ? 気づかない方がおかしいだろ?」
「そう言う割に、女子からの呼び出しの手紙持ってくるよな?」
オレとまことができてるって思うなら、そんなもん持ってくるはずかない。あれを毎回、禍根なく断るのってなかなか大変なんだぞって言っても、このクラスメイトにはピンと来ないんだろう。
「あー……まぁね、儲けさせてもらってます」
「オレで賭けしてんの⁉︎」
「お昼に飲んでるジュースはだいたいそれ」
まったく悪びれもせずに笑顔でふざけてみせる友達に冷たい目を向ける。
こいつはこんなくらいじゃやめてはくれないんだろうって思うと、ついため息が出てしまう。
オレは真剣にまことのことが好きだから、好きって感情がちゃんとわかる。その後の関係がギクシャクしたり、振られたり、最悪嫌われたりしたらって思うと怖くなってしまう状況で、それでも告白できるって凄いことだし尊敬する。
そんな尊敬する相手を傷つけ続けるなんて胸糞悪いこと、したくないのに。
「とにかくっオレは……」
まことが好きだって言おうとしたところに桃路がトイレから戻って来てしまう。
桃路の前で宣言してもいいんだけど、そしたらこいつも宣言しだして収拾がつかなくなることはよくわかっている。
幾らオレの友人は理解があるって言っても、ここは田舎の狭い空間だ。
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