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しおりを挟むおかしい状況だ。
ありえない状況だ。
よくない状況だ。
早く振り払ってすぐに今夜の分の薬を飲まなきゃって思うのに、トーマのじわりと伝わる体温に擦り寄っている自分がいる。
昨日から着替えられていないからか、トーマの匂い……いや、フェロモンが包み込むように僕に絡みついて……
項に触れる息がくすぐったいと思うのにそこから広がる痺れに抗えない。
「 とても、君は、美味しそうだ」
譫言のように掠れた声で呟くと同時に耳たぶをぱくりと噛まれて、「びゃっ」って声が出た。
絶対! こんな時に出す声じゃなかった! せめて「キャッ」とか可愛らしい声を上げるべきだろって思ったら、ちょっと頭が冷えて冷静になった。
「トーマさま、お疲れなんですね、ですか っ⁉︎ ⁉︎」
知ってる! 僕知ってる! 同じ男だからよくわかる、すごく疲れた時ってこうなっちゃうの、知ってる!
「あっ、ぇ、あっ……ですからっ」
ゴリゴリと尻に押し付けられる感触は疲れマラだってわかっているのに、トーマは僕をそう言った目で見てるんじゃないかって誤解してしまいそうになる。
「ですから?」
顎を捕らえられて覗き込まれると、ソーダ色の瞳が欲を滲ませて僕を見つめていた。
落ちていきそうなほど澄んだ青い瞳に、カコン ってグラスの中の氷が立てるような音がして、僕の胸の中に一つの感情がこぼれ落ちる感覚がした。
じゅ と胸を吸われて「あっ」って大きな声が出た。
いつも飾りだって思ってたし、そこが性感帯になるんだって言われても何も感じないから自分はここもポンコツなんだって納得していたのに……
「ト、トーマさ……そこ、はっ 」
吸われて、舐められ、ゆるく歯を立てられ……その度に僕は耐えられなくてソファの背を強く握りしめる。
「ピンク……小さい……愛らしい……」
ちゅ とリップ音を立てながら赤い先端にキスされて、僕はどうしていいのかわからなくて唇を噛んで首を振った。
欲望にとろりと蕩けた目がそんな僕を見て柔らかに細められる。
「噛んだら、可愛い唇に傷ができるだろ?」
熱い親指が歯に虐められている唇を救い出し、労り、ゆっくりと表面を撫ぜていく。
散々擦り合わせたからか少しひりつく唇を行き来して、窺うように口の中に入ってくる。
歯を軽く引っ掻かれて……素直に顎の力を緩めると、長い指が入ってきて当然のように口の中を蹂躙して……僕は舌をどこにやっていいのかわからずに、懸命に避けようとした。
でもトーマは微笑みながら僕の舌を捕まえて、表面をカリカリと刺激する。
「ん゙…………」
「しっかり舐めて、濡らして」
「? ひゃ、い」
くすぐられるように咥内を撫で回されて、溢れた唾液をかき混ぜられてしまともう頭の中は水音でいっぱいになってしまう。
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