言えない言葉

Kokonuca.

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「話すほどの事ではないからです」 
「そんなわけないだろ」 

 誤魔化されたくなくて体を離すと、ふぅと溜め息を吐かれて… 

 気だるげなその表情が鬱陶しがっているような… 

 そうでない、ような… 

「………」 

 きゅっと、唇を噛む。 

 言いたいことや問いたいことはある。 

 けれど、それが章の心離れの切っ掛けになるのではと思うと言い出せなかった。 

「私は、院長と貴方がナニもないと言うから信じています」 
「……」 
「信じていますが、それと嫉妬とは別でしょう?」 
「章が…一緒に飯を食ってくれないからだろ…」 

 まるで小学生の我が儘のようだと思うも、頬が膨らむのを止められない。 

「その事に関しては、もう言いましたね。貴方との関係がバレて大事になるのを避けたいんです」 
「……」 

 筋は通っているように思うも、一抹のちぐはぐな感覚が胸をざわめかせる。 

 昼を食べるくらい、誰とだってするもんだろ? 

 そう言い返せば済むモヤモヤが吐き出せず、険しい顔になるのを感じながらも俯いた。 



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