変彩の宝石譚

Kokonuca.

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「嫌か? 涙の粒がどんどん増えてるぜ」
 
 ゴウは朱雀の肢体を逞しい腕で拘束し、泡で滑る肌を道具のように使って己の欲望を押し当てる。その巨体に相応しい剛直は、先走りを溢れさせながら朱雀の腹を汚していく。

「んっ……早く入れろって」

 まるで目測をしているように腹に擦りつけられる熱に焦れ、朱雀は強請るように腰を動かす。
 ゴウだけでなく、自分も同じように感じきって後ろの穴から蜜が溢れ出しているのだと、口から出そうになるのをグッと飲み込む。

「だーめだ」
「っ⁉︎ お前っ隣国で変な遊びを覚えてきたんじゃないだろうな!」

 ゴウの赤い髪を鷲掴み、朱雀はその目の奥に焦ったさと嫉妬を浮かべて睨みつける。
 いつも求めれば腹の奥底まで満たしてくれるゴウの逸物、それが未だ挿入されない虚しさに朱雀はポロポロと宝石の涙を流した。

「違う違う。乳でこんだけ小さくなっちまったんだ、こっちだってすぐにゃはいらねぇだろ?」
「はいる」
「自分で慰めてたか?」
「…………そんなこと、しない」

 ペチ とゴウを叩き、朱雀はつんとそっぽを向いた。
 大人しく、自分が帰るまで触れないようにと言った言いつけを守っていたのだと、ゴウはデレデレと脂下がった顔で泡を洗い流す。

「ちゃんと準備してからな?」
「それまで、もつのか?」

 揶揄うような朱雀の言葉にゴウはニヤリと笑ってみせる。

「暴発するほど若くねぇよ」
「勃ち続けるほど若くもないだろ?」

 挑むように言われて、ゴウはくつくつと喉の奥で笑いながら朱雀を抱き上げて寝台へと向かった。
 上等の寝具が濡れることも気にせずにゴウは朱雀を下ろすと、大きな体を窮屈そうに曲げて跪く。

 一代で大商人に成り上がり、どんな商人も一目を置くような男が一人の宝石人の前で膝をつくことを厭わず、さらに朱雀に向かって深く首を垂れる。

 商人と言うよりは剣闘士のような体を持つゴウが、小さく華奢な朱雀に心酔している様子は、この部屋だけ……朱雀のみが知る姿だ。
 ゴウは朱雀の脚を片方抱え上げ、剥き出しになった太腿の付け根に舌を這わせ、奥にある最も敏感な場所を熱い吐息と唇で執拗に攻め立てた。
 肉厚の唇が柔らかく愛撫し、思いの外器用に動く舌が皺一つ一つを丹念にほぐしていく。溢れ出した蜜が舌に絡むと、糖とも蜂蜜とも違う柔らかな甘味が口内に広がり、ゴウは機嫌良く笑い声を漏らす。

「これに勝る甘露はねぇな」
「んっ……も、いいだろ? 入れて……」

 ぽとぽとと小さなルビーの涙を流し、朱雀は意思の強そうだった瞳を蕩けさせながら甘い声を出す。

「まだ味見しただけだろう?」
「  ~~~~っ」

 一際大きな真紅の涙がこぼれ落ちる。
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