変彩の宝石譚

Kokonuca.

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「ひ、ぐ、ぅううッ‼︎ あ、あぁああッ!」
 
 容赦のないピストンが、三日月の内壁を削るように掻き回す。
 三日月は首をのけ反らせ、震える指先を空に彷徨わせる。何度も何度も強制的に絶頂の淵へと叩き込まれ、脳内は真っ白に塗り潰されていく。

「あ、ぁあッ、や、だ……も、う、いっちゃ、う……ッ!  あっ、あぁあ‼︎」

 激しい痙攣と共に三日月の瞳から、再び涙が溢れでる。
 地味な色味だと思った次の瞬間にはギラリとした鮮烈な青を見せ、そして幻のように姿を晦ます。まるで蜃気楼を見ているような気分にさせるラブラドライト。

「なるほど、人気なのも頷ける」

 その神秘的な輝きは貴族の女性に人気が出るだろう と、ヴィクトールは冷めた目で大粒のラブラドライトを掴み上げる。
 明かりに透かせてもあの青は出ず、離せば現れるその様子に、ヴィクトールは指輪を矯めつ眇めつ眺める貴婦人の気分とはこういったものかと感想を漏らす。

「ぅ、あ……んッ」
 
 絶頂の余韻で、三日月の膝は生まれたての小鹿のように小刻みに震え、射精しきってもなお敏感になった先端からは透明な密液が絶え間なく溢れ出している。
 ヴィクトールがまつ毛を彩る小さな石を払ってやると、三日月はうっとりとした目でその手に頬を擦り寄せた。
 縄で拘束されて自由にならない体で媚を売る様に、ヴィクトールふと正気に引き戻された顔になる。

 乱れて、喘ぎ、乞い、快楽に沈む。

 正しい宝石人としての姿なのに、鮮烈な赤にすべて塗り替えられていく。

「あれを採掘できれば良かったんだが……」

 現在、最上級ルビーの流通は朱雀一人に支えられていると言って過言ではなかった。
 今回のゴウとの繋がりをきっかけに、ゴウが独占している朱雀の採掘権をわずかでも借りることができれば と。ヴィクトールは商人の目で冷ややかに三日月を見下ろしながら、そうすれば得られたであろう莫大な利益を考えて溜息を吐く。

 ゴウがルビーを独占しているのは、宝石商なら知らない者などいない有名な話だ。

 それを覆すなんらかの手がかりが掴めればと思ったが……と唸り、ヴィクトールはまるで目の前にいる艶姿の三日月が見えないように立ち上がる。

「適当なところで休ませてやれ」

 ドアの側に立ててある衝立の向こうに声をかけて部屋を出ていってしまう。
 自国であるルミナス・ヴェインと娼館のシステムも道具も違うことに興味を惹かれていたヴィクトールは、廊下に出ると煌びやかすぎる建物の光に目を細める。

「少し眩しすぎるな」

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