ちょっと魔王になって人類救ってくる

DetaRan

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魔界に泊まろう!

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「ところで話は変わるのですが」

 ガブリエルが思い出したかのように俺に聞いてくる。

「そのお体の調子はどうですか?」

「あーいや、今のところはなんともないよ」

 いや、ほんんと何もないんですわ。
 すっかり忘れていたけど
 考えてみたら何か魔力っぽいものは感じないし、自分の体や手を見てもあんまり変わってないような気がする。

「あ、あれ?ガブリエルさん?本当に俺魔王になったの?なんか全然力が湧いてこないっていうか…もしかして魔力適正0とかか!?」

 冗談はやめてくれ!
 ただでさえこの状況でも厳しいのにこれでステータスがゴミとか笑えねーよ!!
 最弱無双プレイなんてこの状況でできるわけないだろ…

「ご安心を魔王様!」

 あ、なんか嫌な予感する。

「魔王様はまだ力の解放をしていません」

「力の解放?」

「はい。魔王様が魔力を解放するにはある呪文を唱えなくてはいけません」

 なるほど呪文ときたか。
 変なことじゃなくてよかった。
 むしろ決戦前に呪文を唱えて覚醒ってもなかなかオツかもしれないな

「おけ、わかった。なんて言えばいいんだ?」

「ではとりあえず紙に書きますね。ええっと…」





「…おいガブリエル」

「はい!なんでしょうか?」

「本当にこれを言えば覚醒するんだな!?」

「はい!大丈夫です!!いけます!きっと!」

「ねえ今きっととか言わなかった?!」

「いいから早く言ってくださいよーー」

 ガブリエルに急かされる。
 でもなー
…すげー恥ずかしいいんだけど。

「大丈夫ですって!ここでには私しかいませんし!」

「あーもうわかったよ!」

 俺は深呼吸して詠唱の準備に入る。

 心を落ち着かせて息を整いて集中した。
 これから力が手に入ることに少し興奮していたのかもしれない。


 だからなのか扉を開けて「失礼します」という声を聞き逃してしまった


「我が名は大魔王テラミーヤ・タケル!!闇より黒く燃えしこの魂に眠る我が力よ!!!!今こそ目覚めの時だ!!人智を超え理解を超えた我が力よ!!!さあ!カムヒィーーーーーアーーーーー!!!」

 と右手を顔にあて、左手を高く上げてポーズをとった。

 さあ!これで最強の力が手に入るぞ!



 あれ?なんも感じない。
 あれ?おかしいぞ 

 もしやと思い、ガブリエルを見ると必死に笑いをこらえているのが見える。
 そして、扉の前には女騎士らしき人が唖然として俺を見ていた。

「あ、あのーーーー。魔王殿?」
 
「うわーーー!!はずかし!!見るな!見るなーー!!」

 見られた!?
くそ!最悪だ!
 もし騙されても誰もいないならいいと思ったがまさか入ってきていたなんて…

 「ブホッ!」という音がした。
 ガブリエルはついに我慢できなくなったのか吹き出している。

「おい!ガブリエル!これはどういうことなんだ!?」

「あはははは!!ご、ごめんなさい。ふふふ、まさか本当に信じてやると思わなくて、ふふ」

「あの、これは一体どういう状況なんですか?」

 女騎士さんが困っている!
 ガブリエルめ、後でお仕置きしてやる

「すみません、私堕天使なものなので」

「うっさい!分かっているわ!」

 天使の頃の優しさはどこに行ったんだよマジで


「すみません、カルベルさん。ちょっとした茶番です!」

 おいおいこの人茶番とか言ったよ
騙したこと隠さず言ったよ

「魔王さま。この方はこの魔界の軍の最高司令官のマリエル・カルベルさんです。種族を言うならば暗黒騎士という形になりますね」

「マリエル・カルベルだ。ガブリエルの命でここに呼ばれた。い、以後よろしく頼む」

 うわーめっちゃ頬がひきつってるわー
 これかなり引かれているよー

 まさかの自己紹介からつまずく魔王とか威厳もあったもんじゃない

「今日からこの魔界を滑る、テラミーヤ・タケルです。あ、よ、よろしく、です」

 アカン!何やってんだ俺ー!
こんなとこでコミュ症引き起こしてどうすんだよ!


「じゃ、挨拶も済んだところで一回座りましょうか!」

ガブリエルが空気を読んだのか一回落ち着こうと促した。

「え、ええ。そうしましょう」

 カルベルがそう言って座ったので俺たちも着席






「あはははは!!魔王殿!ガブリエルに騙されてしまったのか!!あははは!」

 どうやらおれが頭がおかしいという誤解は取れたようだがめちゃくちゃ笑われている。くそ、マジでガブリエル許すまじ!

「なるほど、貴公が新しい魔王か。ふふ、面白いお方なのだな」

「もう笑わないでくださいよ…」

 すまない、と謝るもまた思い出したかのように笑っている。
 穴があったらなんとやらだよほんと

 でも、カルベルさんの笑顔かわいいなー
 彼女の黒髪のポニーテールが笑いながら揺れている。
 とても美人だし魔界もまだまだ捨てたもんじゃないな、うん

 よし、この笑顔を見れただけよしとしよう。

「もう、笑わないでくださいよ」

「いやーすまない、あまりに面白くてつい!」

「あーそうだ!」

 俺はこのままだと恥ずか死んでしまうので話を切り替える。

「カルベルさんって魔界の軍の1番のお偉いさんでしょ?軍ってどんくらいの規模なの?」

「ふう、ええっと軍のことか?…ええっとですね」

 答え辛そうに口が篭っている。
まあなんとなく予想しているが

「だいたい5000人くらいの兵の規模だ。正直すごい少ない。戦ったら一瞬で滅ぼされてしまうだろう」

「なるほど5000くらいか。」

 まあだいたい予想どうりだな。
 予想より少し上だったからいいとするか。

「…驚かないのか?」

「あーうん。まあこの魔界の事はなんとなくわかるから大丈夫。それに俺は戦争なんて起こす気なんてさらさらないしな」

 あくまでなるべく平和的に進めるつもりだしもしものための軍だと思えばいい。

「そ、そうか。なら良かった」

 ホッと安心したようだ。
 まあこんなこと隠さず言うのはキツイだろうな
 この人はかなり信頼できる人だな。
少なくともガブリエルよりは

「そうだ!俺この魔界のことまだどこに何があんのとか分からないから案内してくれないか?軍の様子も見たいし」

「ああ、わかったじゃあちょっと準備するから待っててくれ」

「はいはーい!私も行きまーす!タケルさん、そんな嫌そうな顔しないでくださいよー!」

「いやだってもうろくなことが起きない未来しか浮かばないんですけど」

 しょうがない連れてってやろう。

「お待たせした。じゃあ行くか」

 会議室の扉を開けて廊下に出る。
重苦しい玄関の扉を開くとそこは…






 うん?あれ?



「なあガブリエル」

「はい、魔王様?」

「なんでこんなに田舎くさいんだ?」


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