ちょっと魔王になって人類救ってくる

DetaRan

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魔王、やらかす

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「ゲ○ツ!!からのダンソン!そしてーーぅん!ペンパ○ナッポーアッポーペン」

「はははは!!魔王様面白ーーい!!!」

「いいぞー!もっと見せてくれーーー!!」

 訓練兵達と仲良くなるために俺は日本のお笑いを見せていた。
 だいぶ打ち解けてくれたらしくみんなノリノリになっている。

「俺がコンビニに行って、ジュースを買おうとしたわけよ、そしたら『ポイントーカードはございませんか』と聞かれなくて出せなかったよ!全く、今日はなんて○だ!!!」

 テレビで見た人気の芸人のネタをリスペクトしてみせるとみんな笑ってくれる。
 ……お笑い芸人は魔界でもすごいんだな。

「いやーやっぱ今回の魔王様は良い人だな!!」

 年老いたゴブリンの訓練兵が話しかけてきた。

「楽しかったなら何よりだ。また今度遊びに来るぞ!!」

 そう言うと訓練兵達はまるで世界を征服したかのような喜びを上げた。
 ……なんか忘れているような気がするけどまあいいか。


「ねえ!魔王様!」

 小さい子供の獣人が帰り際に話しかけてきた。

「? どうした?」

「魔王様って強いんでしょ!!力みせてーー!」

「えっ?」
 今なんて?と難聴ぶりたいところだったがそう上手く行かなかった。

「あ!俺も見たい!」
「私も私も!!」

 訓練兵達からそんな声が聞こえてくる。
 さっきのノリで「魔王!魔王!」ってコールとかあげちゃっているよー!!

「ちゅ、ちょ、ちょちょっと待ってろよ!!」

 俺はガブリエルのところまで行く

「おい!どうすんでこれ!俺力なんてないぞ!」

 マズイマズイ!
 このままじゃただのネタ魔王になってしまう!!

「……はぁ、仕方ありませんね。」

 ガブリエルがやれやれといった感じにため息をつく。

「本当はまだ使わせたくはなかったんですが…こうなっては仕方ありませんね。」

 と言ってポケットから鍵のようなものを出す。

「なあ、なんだそ「はあ!!」rぐホァ?!」

 ガブリエルが突然鍵を胸に刺した!
 謀反じゃ謀反じゃーー!!

「い!痛くない?あれなんだこれ?ヤバイヤバイヤバイ!!力がみなぎってきたーーーー!!!!!!!!」

 おそらくあの鍵みたいなのは俺の魔力を封じるものだったんだろう。
 体から何かが全身くまなく流れ出ているのがわかる
 これがおそらく魔力というものなんだろう。

「くっ、はあ!!」

 魔力を解き放つかのように吠えた。





 それはまさに魔王だった

 黒の衣装とマントを背負い、鋭い紅い目が開かれる。
 体は人間だった俺のふた回り以上もある体格になり、筋肉が増えていく
 手の爪は伸びに伸びて頭には闘牛のツノなんて比べ物にならないほどの大きさが生えていた。

 その姿は魔王と呼ぶ以外形容しようがないものだった。

 ふと周りを見ると訓練兵は誰も笑っていない。
 恐怖で足が震えている者もいる。
 なるほどこれが魔王か!!

 「ふん!!」と巨大な岩を軽く殴ると粉々に砕けた。

 マジでこれはチート級だな……

 魔法とか撃ってみたかったが止めよう。
 これ以上やるとみんな怖がってしまうだろうからな。

 魔力の流れを止めようとすると同時に変身が解けた。

「ーとまあどうだったか?」

 みんなうつむいている。さっきまで優しい魔王だったのがいきなり破滅の魔王みたいな感じな印象になっちゃったかなー

「…がです」

「ん?」

「流石です!魔王様ー!!」
「キャーー!!!カッコいい!!」
「惚れもうしたーーー!!」

 杞憂だったよチキショー
まあ引かれるよりはいいか

「ま・お・う・様!ま・お・う様!!」

「オーケーわかったお前達!俺について来な!!」

 ワーーーー!!!と歓声が上がってまたさっきの雰囲気が出る。
ふう、一件落着だな。




 今度こそ帰ろうと思ったが、今度はカルベルに止められた。

「あの、魔王様。よろしかったのですか?」

「え?何が?あーちょっとみんなと仲良くなりすぎちゃった?主従関係とか厳しいんだっけ?まあ大丈夫大丈夫!タケル、ミンナトモダチ」

「いやそうではなく……あんな魔力を放出したら人間界に魔王が復活したことがばれてしまうのではないかと……」

 ……え?

「もし復活したのがばれたら…攻めに来るかもしれません。」

「え、嘘でしょ?が、ガブリエル!冗談だよな!?」

 目をそらす

 そして睨む

「魔王様の命令ですからね!」

 そりゃそうか、魔法の世界で魔力を検知できないはずもないもんな…

「俺のバカーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」


 スタートラインにたどり着く前に終了しそうな予感です。
 マジでどうしよう!?








セイクリッド城

「ここに今日!魔王が復活したことが明らかにされた!!勇者達よ!魔王を討伐して富と名誉を得るのだ!!」

 勇者ミレイユはその演説を聞いてため息を漏らした。

「はあ、また出たよ、


詐欺演説。」



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