転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

文字の大きさ
82 / 166
第三章

王都出発に向けて⑤

しおりを挟む
その後、バルにぃとルーねぇのお茶会用の衣装の最終チェックが行われ、無事に終了した。
今は我が家のメンバーとエミリーちゃんでテーブルを囲みお茶会中です。
本日のお茶請けは、ペルルが大好きなドライフルーツたっぷりのパウンドケーキです。



「これで、衣装の準備はバッチリね。
最後になっちゃったけど、エルちゃんは欲しい服とかはないかしら?」

「うにゅ~っ…。」

欲しい服ねぇ…。あると言えばあるけど、どうやって伝えよう?
今着ているエミリーちゃんが作ってくれた服も充分に可愛い。
だけど、前世から憧れれがあった、若い頃にしか絶対に着られない服…。

ロリィタ系と言うか姫系と言うか、リボンやギャザー飾りがふんだんで、ユニコーンとかがプリントされた、切り替えボールガウンのワンピース。

後はドラマとか見て一度着てみたかった、漢服ワンピースに唐装に韓服ワンピース。髪型もお飾りも一回バッチリ決めて着てみたいんだよね。

それに、今は夏だから無理だけど、カバーオール足つきのロンパース着ぐるみパジャマ。ペルルとか、くまさんとかうさぎさんとかモチーフにしたら絶対に可愛いと思うんだよねっ!!

ただ、この拙い喋り方では、溢れる思いを伝えられない…。
家族はわたしが念話やイメージを送れる事を知ってるけど、それをエミリーちゃんに伝えてもいいものか…。

「うにゅ~ん…。う~ん、う~ん…」

〔エル、さっきから何を唸ってるっきゅ?トイレっきゅ??〕

わたしの膝の上で、おとなしくパウンドケーキをたべていたペルルがヒドい事を言う。

[違うしっ!!作って欲しい服のイメージはいっぱいあるけど、上手く伝えられないから悩んてるのっ!!
念話とか、イメージを送れれば問題は解決するんどけど、それをしていいものなのか…]

〔じゃあ、ハリエットに聞いてみればいいっきゅ。
もし許可がでたら、絶対に秘密を漏らさないっていう契約魔法を結べばいいっきゅ〕

[契約魔法?そんな事できるの?]

〔エルには創造魔法があるから可能っきゅ。やり方は、大丈夫だったら教えるっきゅ〕

ペルルはかぁしゃまに、エミリーちゃんに魔法を使ってもいいか聞いてみろと言う。
家族以外にも教えちゃって大丈夫かなぁ?
まぁ、聞くだけタダだし、確認してみるか。

かーしゃ…かぁしゃま…

「あら、エルちゃん。さっきから随分と悩んでたみたいだけど、決まったかしら?」

うん あにょね…うん。あのね…
[エミリーちゃんに魔法を使ってもいいかな?]

「あらっ、うふふっ。エルちゃんの好きにしなさいな。
エミリーなら大丈夫よ」

途中から念話で話すと、意外にもすんなりと許可がもらえた。

「大丈夫よ。エルちゃん。ちゃんと旦那様の許可も得ているわ。
それにね、エミリーは頻繁に我が家に来るし、味方はひとりでも多い方がいいもの」

そう言いながら、かぁしゃまが優しく頭を撫でて、落ち着かせてくれる。

「あらん?何かしらん??さっきから気になるわぁ~ん☆」

「うふふっ。エミリー、これからきっとビックリする事が起こるわ」

かぁしゃまがいたずらっぽく微笑んだ。


しおりを挟む
感想 221

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜

咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。 元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。 そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。 ​「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」 ​軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続! 金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。 街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、 初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊! 気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、 ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。 ​本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走! ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!? ​これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ! 本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

処理中です...