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第四章
王都1日目⑧
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かぁしゃまに抱き上げられ、デルミーラの先導の元、おとしゃまの部屋に向かいます。
ペルルはアメリアが、シロガネはアンネリースが抱っこして、一緒にお部屋に向かいます。
おとしゃまのお部屋は、夫婦の寝室を挟んで左側。
部屋をひとつ挟むだけだけど、それぞれの部屋が大きいので、何気に距離があるのです。
コンコンコン
「旦那様、ハリエットですわ。エルちゃんと一緒に参りました」
「入ってくれ」
おとしゃまから直ぐに入室の許可があり、ベアティが扉を開けてくれる。
「ありがとう」
かぁしゃまはベアティにお礼を言うと、部屋の中へと進む。
しかし、かぁしゃまは数歩もしない内に動きを止めた。
何故ならおとしゃまが両手を広げてスタンバイしていたからです。
「ハリー、エル、会いたかったよ」
そう言いながら、かぁしゃまの腕からわたしを抱き上げるおとしゃま。
いえいえ、各自の部屋に移動するまで一緒に居ましたが??
かぁしゃまはそんなおとしゃまの様子に苦笑いの様だ。
「よく来てくれたね。さぁ座って」
おとしゃまはわたしを左腕にたて抱っこし、右腕をかぁしゃまの腰に添えてエスコートする。
「まぁ、ありがとう。フィリー」
かぁしゃまはくすくす笑いながらソファーに腰掛ける。
わたし?わたしはもちろんおとしゃまの膝の上です。
そしてアメリアからペルルを受け取る。シロガネは何故かアンネリースがかぁしゃまに手渡していた。
「さて、エル。ここに来たのは、先程片付けをしている時に感じた魔力と関係があるのかな?」
あらま。やっぱりおとしゃまも気がついていたのか。
[そうなの。おとしゃまとかぁしゃまにお話があるのよ]
ペルルと一緒に結界を張った事と、シロガネに認識阻害の魔法をかけてもらった事を、ちゃんと伝えないとね。
「ふむ、そうか。では、この後の予定を説明がてら、ウィル達やエミリーを交えて話そうか。
ベアティ、ウィル達とエミリーにこの部屋に来るよう伝えてくれ」
「かしこまりました」
ベアティがおとしゃまの指示に従い、ウィルにぃ達を呼びに行く。
あれぇ??何だか家族会議ぽくなって来たぞ??
おっかしいなぁ??わたしはまだ、何もしていないぞよ??
コンコンコン
「ベアティでございます。皆さまをお連れしました」
「入ってくれ」
おとしゃまの声かけに、部屋の隅に控えていたアメリアとアンネリースが扉を開ける。
「「「失礼します。お呼びとの事で参りました」」」
「はぁ~いっ☆来たわよぉ~んっ♪」
「あぁ、呼び出してすまなかったね。皆、座ってくれ。
早速だが、この後の予定の確認と、後はエルが話があるみたいでね、皆を呼んだんだ」
ねっ。とおとしゃまがウィンクしてくる。
「では、エルの話から聞かせてください」
ウィルにぃがキリッとした顔で、ソファーから身を乗り出して、おとしゃまに詰め寄る。
「ウィルちゃんってば、ブレないわねぇん。
シスコンが重いわぁ~ん」
そうだね、エミリーちゃん。わたしもそう思うよ。
「はぁ…。やれやれ。ではエルの話から聞こうか。エル、話してくれるかい?」
「わきゃる した あのね──」
わたしはまず、ペルルと一緒に結界を張った事を話す事にした。
わたしがペルルと張った結界は、わたし自身が持つ、悪意察知のスキルを応用した物で、このヴァイマル家に関わる全ての者に、悪意を持つ者が近づいたら警報がなる事を説明する。
「なるほど。やっぱりあの魔力はエルの物だったんだね」
およ?ウィルにぃも気がついていたんだ。
「えっ!?あの魔力はエルの物だったのか!!」
「まぁ、エルちゃん、すごいわっ!!」
「まぁ、あたくしも気がついていたけどん。
あれはエルちゃんとペルルちゃんの魔力だったのねぇん」
あらら。みんな気がついてら。
[あのね、警報の事だけど、警報音は領地から一緒に来た皆に聞こえるようにしてあるの。
だから、急に大っきい音が鳴ってもビックリしないでね?
あっ、後ね、シロガネに早速認識阻害をかけてもらったよ]
「なるほど。よくわかったよ。
エルは自分だけじゃなく、この家の者達も護ろうとしてくれたんだね。ありがとう」
そう言いながら、おとしゃまが優しく優しく頭を撫でてくれる。
えへへっ。おとしゃまに褒められちゃった。
「では、聞いたとおり、警報音がなったら各自警戒をして欲しい。
そして、どうかエルを護ってやって欲しい。
この後の予定だが、私の弟家族が挨拶がてらこのタウンハウスに来る事になっている。
弟の娘もウィルと同じく7歳のお披露目の儀式を迎えるからね。仲良くなってくれると嬉しいよ」
ほほぅ。おとしゃまには弟が居たんだね。初めて知ったよ。
おとしゃまの弟の娘だから、わたしには従姉に当たるのか。
おとしゃまの弟さんもその娘さんもどんな人何だろう。
優しい人だといいなぁ。仲良くできるかな??
「僕としては、あまり仲良くできそうにありませんね」
おやっ??ウィルにぃがこんな事を言うなんて珍しい。
ウィルにぃはすでにその娘さんと面識があるのだろうか??
ビィーーーーーッ!!!!
ビィーーーーーッ!!!!
ビィーーーーーッ!!!!
おとしゃま達と、弟さんとその娘さんについて話をしていると、わたしが設定した警報音が屋敷中を鳴り響いた。
コンコンコン
「旦那様、チャールズにございます。旦那様の弟様ご一家がお着きになりました」
ペルルはアメリアが、シロガネはアンネリースが抱っこして、一緒にお部屋に向かいます。
おとしゃまのお部屋は、夫婦の寝室を挟んで左側。
部屋をひとつ挟むだけだけど、それぞれの部屋が大きいので、何気に距離があるのです。
コンコンコン
「旦那様、ハリエットですわ。エルちゃんと一緒に参りました」
「入ってくれ」
おとしゃまから直ぐに入室の許可があり、ベアティが扉を開けてくれる。
「ありがとう」
かぁしゃまはベアティにお礼を言うと、部屋の中へと進む。
しかし、かぁしゃまは数歩もしない内に動きを止めた。
何故ならおとしゃまが両手を広げてスタンバイしていたからです。
「ハリー、エル、会いたかったよ」
そう言いながら、かぁしゃまの腕からわたしを抱き上げるおとしゃま。
いえいえ、各自の部屋に移動するまで一緒に居ましたが??
かぁしゃまはそんなおとしゃまの様子に苦笑いの様だ。
「よく来てくれたね。さぁ座って」
おとしゃまはわたしを左腕にたて抱っこし、右腕をかぁしゃまの腰に添えてエスコートする。
「まぁ、ありがとう。フィリー」
かぁしゃまはくすくす笑いながらソファーに腰掛ける。
わたし?わたしはもちろんおとしゃまの膝の上です。
そしてアメリアからペルルを受け取る。シロガネは何故かアンネリースがかぁしゃまに手渡していた。
「さて、エル。ここに来たのは、先程片付けをしている時に感じた魔力と関係があるのかな?」
あらま。やっぱりおとしゃまも気がついていたのか。
[そうなの。おとしゃまとかぁしゃまにお話があるのよ]
ペルルと一緒に結界を張った事と、シロガネに認識阻害の魔法をかけてもらった事を、ちゃんと伝えないとね。
「ふむ、そうか。では、この後の予定を説明がてら、ウィル達やエミリーを交えて話そうか。
ベアティ、ウィル達とエミリーにこの部屋に来るよう伝えてくれ」
「かしこまりました」
ベアティがおとしゃまの指示に従い、ウィルにぃ達を呼びに行く。
あれぇ??何だか家族会議ぽくなって来たぞ??
おっかしいなぁ??わたしはまだ、何もしていないぞよ??
コンコンコン
「ベアティでございます。皆さまをお連れしました」
「入ってくれ」
おとしゃまの声かけに、部屋の隅に控えていたアメリアとアンネリースが扉を開ける。
「「「失礼します。お呼びとの事で参りました」」」
「はぁ~いっ☆来たわよぉ~んっ♪」
「あぁ、呼び出してすまなかったね。皆、座ってくれ。
早速だが、この後の予定の確認と、後はエルが話があるみたいでね、皆を呼んだんだ」
ねっ。とおとしゃまがウィンクしてくる。
「では、エルの話から聞かせてください」
ウィルにぃがキリッとした顔で、ソファーから身を乗り出して、おとしゃまに詰め寄る。
「ウィルちゃんってば、ブレないわねぇん。
シスコンが重いわぁ~ん」
そうだね、エミリーちゃん。わたしもそう思うよ。
「はぁ…。やれやれ。ではエルの話から聞こうか。エル、話してくれるかい?」
「わきゃる した あのね──」
わたしはまず、ペルルと一緒に結界を張った事を話す事にした。
わたしがペルルと張った結界は、わたし自身が持つ、悪意察知のスキルを応用した物で、このヴァイマル家に関わる全ての者に、悪意を持つ者が近づいたら警報がなる事を説明する。
「なるほど。やっぱりあの魔力はエルの物だったんだね」
およ?ウィルにぃも気がついていたんだ。
「えっ!?あの魔力はエルの物だったのか!!」
「まぁ、エルちゃん、すごいわっ!!」
「まぁ、あたくしも気がついていたけどん。
あれはエルちゃんとペルルちゃんの魔力だったのねぇん」
あらら。みんな気がついてら。
[あのね、警報の事だけど、警報音は領地から一緒に来た皆に聞こえるようにしてあるの。
だから、急に大っきい音が鳴ってもビックリしないでね?
あっ、後ね、シロガネに早速認識阻害をかけてもらったよ]
「なるほど。よくわかったよ。
エルは自分だけじゃなく、この家の者達も護ろうとしてくれたんだね。ありがとう」
そう言いながら、おとしゃまが優しく優しく頭を撫でてくれる。
えへへっ。おとしゃまに褒められちゃった。
「では、聞いたとおり、警報音がなったら各自警戒をして欲しい。
そして、どうかエルを護ってやって欲しい。
この後の予定だが、私の弟家族が挨拶がてらこのタウンハウスに来る事になっている。
弟の娘もウィルと同じく7歳のお披露目の儀式を迎えるからね。仲良くなってくれると嬉しいよ」
ほほぅ。おとしゃまには弟が居たんだね。初めて知ったよ。
おとしゃまの弟の娘だから、わたしには従姉に当たるのか。
おとしゃまの弟さんもその娘さんもどんな人何だろう。
優しい人だといいなぁ。仲良くできるかな??
「僕としては、あまり仲良くできそうにありませんね」
おやっ??ウィルにぃがこんな事を言うなんて珍しい。
ウィルにぃはすでにその娘さんと面識があるのだろうか??
ビィーーーーーッ!!!!
ビィーーーーーッ!!!!
ビィーーーーーッ!!!!
おとしゃま達と、弟さんとその娘さんについて話をしていると、わたしが設定した警報音が屋敷中を鳴り響いた。
コンコンコン
「旦那様、チャールズにございます。旦那様の弟様ご一家がお着きになりました」
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