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第四章
終息②
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〔エル、浄化も治癒も無事に終わったっきゅ。これでひとまずは安心っきゅよ〕
[よかったぁ~っ…]
ペルルに浄化と治癒が無事に成功したと伝えられ、カーラの様子を確認すると、今は穏やかな表情で眠っていた。
【エル、よくぞやり遂げた】
シロガネがわたしの側まで来ると、頬に額をすり寄せてくる。
[ありがとう、シロガネ。ふふふっ、くすぐったい!!]
わたしはシロガネを抱き上げ、その首筋にぱふっと顔を埋める。
シロガネから香る、清らかな新緑の匂いに癒やされながら、本当に無事に終わった事を実感する。
「「「エルっ!!」」」
「「「エルちゃんっ!!」」」
わたしがシロガネの首筋をくんくんしていると、家族のみんなとエミリーちゃんが駆け寄ってくる。
「エルっ!!」
どんっ!! がぁしっ!!
【ぐえっ…】
真っ先に駆け寄り、わたしを抱きしめたのは、やっぱりというか、ウィルにぃだった。
ウィルにぃが物凄い勢いで力強く抱きしめて来たので、わたしとウィルにぃに挟まれたシロガネが潰れている。
「エル…、エル…」
[ウィルにぃ、わたしは大丈夫だよ?]
わたしをぎゅっと抱きしめるウィルにぃが震えている。
わたしはウィルにぃの頭をそっと撫でる。
[大丈夫、大丈夫。わたしは大丈夫だよ]
そう何度も呟きながら、ウィルにぃの頭を撫でていると、やっと震えが治まった。
「エル、本当によくやり遂げてくれた。よく頑張ったね。ありがとう」
おとしゃまがウィルにぃごとわたしを抱きしめてくる。
[おとしゃま…。うんっ!!エルは頑張ったよ!!]
我ながらアレは物凄く厨ニ病ちっくな詠唱だったけどね。
「あの…、エルシーアちゃん…」
わたしがそんな事を考えていると、アーデルハードおじ様がハンナおば様を伴い、わたしの元へとやってくる。
「エルシーアちゃん、カーラを救ってくれて本当にありがとう。いくら精神操作や禁薬を口にしていたとはいえ、あんな酷い事をすまない。娘に代わって謝罪するよ」
「エルシーアちゃん、わたくしからもお礼と謝罪を言わせて。カーラを救ってくれて本当にありがとう。そして本当に申し訳ないことをしてしまいました…。
日に日に良くない方へ変わっていくカーラを知っていたのに何もできなくて…。不甲斐ない母親でごめんなさい…」
そう言って何度も頭を下げ、ポロポロ涙を流すハンナおば様。そして、そんなハンナおば様を支えるアーデルハードおじ様。
そんなふたりを前にして、ちょっとズルいと思ってしまうわたしの心は歪んでいるのだろうか?
カーラを助けたいと思ったわたしの気持ちは本物だけど、そんな言い方をされてしまったら、聞きたい事、言いたい事が何もできなくなっちゃうじゃん…。
まぁ、この後おとしゃまが徹底的に聞き取るんだろうけど。
それに…
[ハンナおば様、おば様のお腹の中の赤ちゃんまで悲しい気持ちになっちゃうよ?
あと、カーラを早くベッドに寝かせてあげて?]
「「「「「「なっ!?!?」」」」」」
あっ…。家族のみんなとエミリーちゃんが物凄くビックリしてる。
お腹の中に赤ちゃんがいる事は内緒だったのかな??
[ハンナおば様も顔色が悪いから、ベッドで横になって休んだ方がいいよ?
ふわぁぁ~ん…。んにゅぅ…、なんだかわたしも眠たくなってきちゃった…]
んん~…っ。ダメだ、本当に眠い…。うとうとしちゃう…。
「エル、エル?眠っても大丈夫だよ。僕がベッドに運んであげる。
今日は本当によく頑張ったね。ゆっくり休んで。おやすみ」
ウィルにぃがちゅっちゅっっとおでこにおやすみのキスを贈ってくる。
うん…。睡魔には勝てないや。
[うにゅぅ~ん…、おやちゅみ…]
────────────────────
エルが僕の腕の中ですぅすぅと寝息をたてる。
愛しい愛しい僕のエル。
本当は怖かっただろし、傷ついたはずだ。
それなのにエルは“カーラはただ僕を好きになっただけだから”と、その清く美しい心でカーラの罪を赦し、体の穢れを祓い治癒まで行った。
本当は僕はカーラの罪を赦すつもりはなかったし、最悪、あのまま瘴気に呑まれて死んでしまえばいいと思っていた。
当然だよね。だってカーラが先に僕の愛するエルの死を願ったのだから。
だけど、そんな僕の普段は決して表に出さない醜い心までも、エルの放つあの美しい虹色の魔力で浄化された。
どこまでも僕を魅了する、美しい心を持つ愛しいエル。
今後はそんなエルに近づこうとする者や、カーラの様に傷つけ様とする者が多く出てくるだろう。
僕はエルの健やかな心と体を護る為の剣となり盾となろう。
だけど今は僕の腕の中で眠るエルを、ベッドに寝かせてあげないとね。
あっ!!そうだっ!!
僕のベッドに連れて行って、僕も一緒に寝よう。
「お父様、お母様。おふたりはこの後お忙しいでしょうから、エルは僕の部屋で寝かせますね。
昼食はエルが起きてから、エルと一緒にいただきます。
アメリア、アンネリース。お前達はエルの着替えを取りに行ってから僕の部屋へ来い。
それでは、皆さま失礼しますね」
僕はとびっきりの外行き様の笑顔を浮かべ、お父様に止められる前に応接室を後にした。
[よかったぁ~っ…]
ペルルに浄化と治癒が無事に成功したと伝えられ、カーラの様子を確認すると、今は穏やかな表情で眠っていた。
【エル、よくぞやり遂げた】
シロガネがわたしの側まで来ると、頬に額をすり寄せてくる。
[ありがとう、シロガネ。ふふふっ、くすぐったい!!]
わたしはシロガネを抱き上げ、その首筋にぱふっと顔を埋める。
シロガネから香る、清らかな新緑の匂いに癒やされながら、本当に無事に終わった事を実感する。
「「「エルっ!!」」」
「「「エルちゃんっ!!」」」
わたしがシロガネの首筋をくんくんしていると、家族のみんなとエミリーちゃんが駆け寄ってくる。
「エルっ!!」
どんっ!! がぁしっ!!
【ぐえっ…】
真っ先に駆け寄り、わたしを抱きしめたのは、やっぱりというか、ウィルにぃだった。
ウィルにぃが物凄い勢いで力強く抱きしめて来たので、わたしとウィルにぃに挟まれたシロガネが潰れている。
「エル…、エル…」
[ウィルにぃ、わたしは大丈夫だよ?]
わたしをぎゅっと抱きしめるウィルにぃが震えている。
わたしはウィルにぃの頭をそっと撫でる。
[大丈夫、大丈夫。わたしは大丈夫だよ]
そう何度も呟きながら、ウィルにぃの頭を撫でていると、やっと震えが治まった。
「エル、本当によくやり遂げてくれた。よく頑張ったね。ありがとう」
おとしゃまがウィルにぃごとわたしを抱きしめてくる。
[おとしゃま…。うんっ!!エルは頑張ったよ!!]
我ながらアレは物凄く厨ニ病ちっくな詠唱だったけどね。
「あの…、エルシーアちゃん…」
わたしがそんな事を考えていると、アーデルハードおじ様がハンナおば様を伴い、わたしの元へとやってくる。
「エルシーアちゃん、カーラを救ってくれて本当にありがとう。いくら精神操作や禁薬を口にしていたとはいえ、あんな酷い事をすまない。娘に代わって謝罪するよ」
「エルシーアちゃん、わたくしからもお礼と謝罪を言わせて。カーラを救ってくれて本当にありがとう。そして本当に申し訳ないことをしてしまいました…。
日に日に良くない方へ変わっていくカーラを知っていたのに何もできなくて…。不甲斐ない母親でごめんなさい…」
そう言って何度も頭を下げ、ポロポロ涙を流すハンナおば様。そして、そんなハンナおば様を支えるアーデルハードおじ様。
そんなふたりを前にして、ちょっとズルいと思ってしまうわたしの心は歪んでいるのだろうか?
カーラを助けたいと思ったわたしの気持ちは本物だけど、そんな言い方をされてしまったら、聞きたい事、言いたい事が何もできなくなっちゃうじゃん…。
まぁ、この後おとしゃまが徹底的に聞き取るんだろうけど。
それに…
[ハンナおば様、おば様のお腹の中の赤ちゃんまで悲しい気持ちになっちゃうよ?
あと、カーラを早くベッドに寝かせてあげて?]
「「「「「「なっ!?!?」」」」」」
あっ…。家族のみんなとエミリーちゃんが物凄くビックリしてる。
お腹の中に赤ちゃんがいる事は内緒だったのかな??
[ハンナおば様も顔色が悪いから、ベッドで横になって休んだ方がいいよ?
ふわぁぁ~ん…。んにゅぅ…、なんだかわたしも眠たくなってきちゃった…]
んん~…っ。ダメだ、本当に眠い…。うとうとしちゃう…。
「エル、エル?眠っても大丈夫だよ。僕がベッドに運んであげる。
今日は本当によく頑張ったね。ゆっくり休んで。おやすみ」
ウィルにぃがちゅっちゅっっとおでこにおやすみのキスを贈ってくる。
うん…。睡魔には勝てないや。
[うにゅぅ~ん…、おやちゅみ…]
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エルが僕の腕の中ですぅすぅと寝息をたてる。
愛しい愛しい僕のエル。
本当は怖かっただろし、傷ついたはずだ。
それなのにエルは“カーラはただ僕を好きになっただけだから”と、その清く美しい心でカーラの罪を赦し、体の穢れを祓い治癒まで行った。
本当は僕はカーラの罪を赦すつもりはなかったし、最悪、あのまま瘴気に呑まれて死んでしまえばいいと思っていた。
当然だよね。だってカーラが先に僕の愛するエルの死を願ったのだから。
だけど、そんな僕の普段は決して表に出さない醜い心までも、エルの放つあの美しい虹色の魔力で浄化された。
どこまでも僕を魅了する、美しい心を持つ愛しいエル。
今後はそんなエルに近づこうとする者や、カーラの様に傷つけ様とする者が多く出てくるだろう。
僕はエルの健やかな心と体を護る為の剣となり盾となろう。
だけど今は僕の腕の中で眠るエルを、ベッドに寝かせてあげないとね。
あっ!!そうだっ!!
僕のベッドに連れて行って、僕も一緒に寝よう。
「お父様、お母様。おふたりはこの後お忙しいでしょうから、エルは僕の部屋で寝かせますね。
昼食はエルが起きてから、エルと一緒にいただきます。
アメリア、アンネリース。お前達はエルの着替えを取りに行ってから僕の部屋へ来い。
それでは、皆さま失礼しますね」
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