例えば乙女ゲームだとしたら

ユウ

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オタクが転生?

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ふと気がついたのは目覚めてから数分後。

「あれ、ここは……」

見渡す限り、場所はある程度把握できる。

鼻につく独特の匂いに思わず塞ぎたくなるが、それは出来そうになかった。

「ん……雪ぃ……」

え、何故かって?

だって、すぐ隣で、見知らぬ男性に手を握られてたら無理でしょ?

ここ病院だし、何故か声あんまし出ないし、オマケに名前なんて呼ばれて正直、戸惑ってます!

オタク・アーンド・ヒッキー!

……にはこんな柔らかそうな栗毛の男性と会う機会なんてないに等しいね!!!

あるとしたら、あの手段しかないよ……。

「……ゲームが……したい……」

ポロリと心の声が漏れる。

声に出すと余計にしたくなるのが人間ってやつなのかな?

ここが何処かの乙女ゲームなら
『キャー!誰かが私の手を握ってるー!』
とか、なりそうなのに私と来たら、そんな感情すらも無いのか……?!

まぁ、何であれ、私はこの手を退かす方法しか考えてないのだから、ココは意思に従ってどかし…………、

『笹倉さーん、入りますよー?』

ノックとともにガラッと扉が開かれる。

「さぁ、笹倉さん今日もおは…………」

看護師さんが声を掛ける。

勿論、私にだろう。

「「………………」」

二人の間で数秒無言が通る。

「こ、今日は?」

と、とりあえず、『挨拶せねば!』なんて馬鹿な思考で口を開くと、看護師さんの顔が突如青くなり、バタバタと部屋を後にした。

あぁ、バインダーとか紙散らばってるよ~。
後、走ったらダメでしょうに。

「拾わないと……」

そっと手を離してベッドから出て、散らばった物を掻き集める。

ぶっちゃけベッドから出た瞬間全身が、筋肉痛か!?と思うほど痛いのはこの際無視だ!

しっかし、何故に驚く?
別に怪我したとか、全然思い当たらなくて頭がショートしそうだ。

「……雪……?」

「はい?」

呼ばれて不意に振り向く。
何で振り向いたのかは分からない。

ただ『あ、』なんて思った時には暖かな温もりが体を包んでいた。
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