儚い夢は人形を夢へと誘うか?

ユウ

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さて、あの王子との約束から早いもので私達は『アッシュフォード学園』への入学式の日となった。

……え、時間経過早くないかですって?
そんなことはどうでもよろしいのですよ!
この私、フィナンシェ・ドルーワはやっっっと!
念願の入学を果たしましたのよ!?
これが時間経過説明よりも大切なことだと申されまして?!

……コホン、少々取り乱して申し訳ございませんわ。

学園に向かう馬車の中、王子の他愛ない世間話に相槌を打ちつつ脳内にてこれからどうするかを考える。

取り敢えずは一緒に入学するであろうヒロイン様の顔を拝みに行こうかしら?
入学式といえば、ハプニング満載ちょっとドキッとなるようなスチルが見れるはず……。
この1年、私の努力の結晶とも言える「カミラ」を相棒に、いざ戦場へと行かん!

「ねぇフィナンシェ、見てご覧!あの学園が僕らが3年間過ごす所なんだね……!」

「ええ、やはり幾人もの著名人を排出するだけ威厳というものがありますわ」

馬車が門の前で止まり、ヒラリと飛び降りた王子はサッと私に手を差し出す。

……あぁ私はこの人の婚約者だったわね。
そして『悪役令嬢』。
あまり関わらないようにと思ってましたが流石に人目がある所では婚約者面……じゃなくて婚約者として堂々と手を取らなければ。

整備された歩道を生徒等が端によけ、私達を迎える。


「フィナンシェ嬢お足元にお気をつけください」
「ありがとうございます王子」

周りの黄色い声援と悲鳴の中、仲睦まじく手を取り合い門をぐぐりぬけた。

「ところでフィナンシェ、これから講堂にあつ──」
「シャーロック様、私お母様からここの教師にと言伝を賜っておりましたの。申し訳ございませんが先に向かわれてくださいな」
「え……?」
「ではごきげんよう!」

そう伝えた私は惚ける王子を残しひとりスチルの為に旅だったのだ……。
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