詩集 青銅の月

火山竜一

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真空の青春

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  「真空の青春」

               火山竜一(ひやま りゅういち)

生臭い
夜だ
何処かで
魚が
腐っているのではないか
叫声しかあげぬ
赤子に
疲れきった母親のように
生が虚しく思える夜
俺は
路地で
血を吐いた

喉から
漏れる
孤独な音が
街灯の下で
掌を鮮血が濡らしていく
耳元に
響く嬌声
振り向けば
表通りに
揺らめくネオンサイン
うるさいぞ
夜の蝶

吐いて
出るのは
俺の人生
アルコールとニコチンと胃腸薬と・・・・・・
今まで
口にしたすべてが
笑いながら
泣きながら
叫びながら
賑やかに
俺の口から
去っていく

胸の
奥から
込み上げてくるもの
俺は謝るように四つん這いになり
街灯の下で
最後の力をふり絞る
こいつを
こいつを
開ききった口から
ついに
真空が
這い出した


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