鬼は精霊の子を愛でる

林 業

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この山小屋。
家は寝室とリビング、そして、台所、トイレがある。
大きくもないが小さくもない。
寝室は一室しかないので、二人で一緒に寝ている。
別に毎日何かやってるわけではないとだけは言える。
日中は暖炉のあるリビングで過ごしている。


豪雪を窓から見ながら、カゴを編む。
だが籠も必要量ができるとやることもなくなり体を伸ばす。
珍しくカゴを編むのを手伝ってくれたモリオンは未だ不器用な手先と格闘中。
難しいとしかめっ面でカゴを一つでもいいから作り上げようと躍起になっている。
「手伝おうか?」
聞くが頑張る。とだけ返して続けている。
むしろ、早く終わらせるか途中で放り出して自分に構ってほしい。
かと言って手を出せば、一日不機嫌になるから手を出せない。
しばらくしてこちらを見ると、手招きされる。
「ここ難しい。教えて」
できる限り、しょうがないと言わんばかりに、こうするんだと伝える。
必死に頼ってくれたことが嬉しいと顔に出ないように注意する。
だが変わらず不器用らしい。
唸りながら必死に向き合っている。

投げ出さずに向き合い、どうにか完成させている。
出来上がったのを見て、見上げるが彼は視線を反らして、道具の手入れを始める。
どんな獲物を取ろうかと呟くので、つまんないと膨れる。

寄りかかろうとするが危ないからと手で制される。
その姿にせっかくなので自分の狩りの道具を持ってきて横で手入れをする。
だがそれも終えると暇だと外を見る。
流石にこの吹雪では雪遊びもしたくない。

「最近、天候が不安定だね」
「あぁ」
頷きながら外を見るモリオン。
じっとこちらを見下ろす彼に首を捻る。
「体調悪いとか、ないか」
「そんなことないけど。なんで?」
「気になった」
それだけ告げてモリオンは晩御飯にするかと告げる。
調味料を眺めて呟く。
「来月の頭に一度街に行くか」
来月なら気温も穏やかになる。
確かにいい時期だろう。
「あぁ、もうそんな時期か」
年に二回ほど街に行く。
同族を嫌悪しているモリオンだが、セレスタイ当よりはなれているので獣人族の街まで行くことになる。
その間セレスタイトはお留守番。
この山から降りるのは怖くて致し方がない。
今まで一度も降りたことがないのも恐怖に拍車がかかっている。
ただ、セレスタイトは街に憧れがないわけでもない。
一度行ってみたいという気持ちもさながら。
二週間ほど一人で家の中にいるのも寂しいのだ。

祖父や父が亡くなった頃は必需品など気にしたこともない。
だがモリオンは重要だからと街にわざわざ買いに行く。

モリオンの体型だと父や祖父のお古では裾出しルックスになるので当然といえば当然だろう。

食事を終えてから置いてある毛皮や、作ってあるカゴなど、売れるものを纏める。
「僕も行きたい」
「ほんとか」
モリオンが瞳を輝かせて見てくる。
美味しいものをたくさん食べさせたいと常々言っているからだろう。
だがすぐに訂正して行くのをやめる。
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