24 / 25
貴方を支える未来
10
しおりを挟む
無事に初夜を迎え、一週間。
長兄が領地に帰ると報告をしにイネスを訪ねてきた。
侍従たちは側で控えているが、人払いをし、二人っきりと言うことで少々肩の力を抜いている。
「可哀想だ」
特に感情の篭っていないアーケロンへの言葉。
そんなことより長兄一人かと見る。
「父上たちは」
「今イネスを見ると誘拐してまでも連れて帰りたいから自重するって」
ぼろぼろと男泣きしていた父を思い出してなるほどと苦笑する。
「義兄上は?」
「領地に一緒に帰る。秋口まで居たかったけどそうなると動けなくなる上に、収穫とかの忙しい時期になるからな。絵姿とかは書いて送るから楽しみにしておいてくれ」
「義兄上たちにお祝いを贈りたいのでほしいものがあったら連絡くださいね」
「はいはい。気持ちだけで結構だ」
「大丈夫です。私は本の写本や翻訳とかで稼いでます」
「王妃になるんだからそこそこにしとけよ。むしろ国を活性化させるようなことをしろ」
兄が立ち上がり、慌てて立ち上がる。
「お気をつけてお帰り下さい」
寂しいと思いつつもそうつげれば、兄は笑顔を向けてくる。
「なーんかあったらいつでも連絡しろ。俺らは何時だってイネスを助けに行くからな」
「兄上」
「王子にいじめられたら特にな」
「お優しい方ですよ。王太子殿下は」
「そうか」
これで最後だと言わんばかりに頭を撫でられる。
「次会うのは次兄か、先生の結婚式かな」
「はい。楽しみにしてます」
笑顔を返せば、兄も微笑む。
見送り、寂しさに息を溢せば背後から抱きつかれる。
「イネス。どうした?寂しそうだぞ」
リアムだと気づき、胸を撫で下ろす。
「王太子殿下。いえ。兄上や父上たちが領地に帰るそうです。寂しいなぁと」
「そうか。変わりとは言わないが、今から一緒に散歩でもしないか?」
「お仕事は大丈夫なのですか?」
「父上だって母上との時間を大事にしているんだ。私とて少々妻に時間を使ったっていいだろう」
「お手伝いさせてください。それで先に済ませてしまいましょう。それからお散歩しませんか?夕焼け色の空も美しいですよ。これから先僕も王妃からお仕事を引き継がなければなりませんから今だけ」
リアムがしょうがないなぁと腕を差し出すので絡ませる。
長兄が領地に帰ると報告をしにイネスを訪ねてきた。
侍従たちは側で控えているが、人払いをし、二人っきりと言うことで少々肩の力を抜いている。
「可哀想だ」
特に感情の篭っていないアーケロンへの言葉。
そんなことより長兄一人かと見る。
「父上たちは」
「今イネスを見ると誘拐してまでも連れて帰りたいから自重するって」
ぼろぼろと男泣きしていた父を思い出してなるほどと苦笑する。
「義兄上は?」
「領地に一緒に帰る。秋口まで居たかったけどそうなると動けなくなる上に、収穫とかの忙しい時期になるからな。絵姿とかは書いて送るから楽しみにしておいてくれ」
「義兄上たちにお祝いを贈りたいのでほしいものがあったら連絡くださいね」
「はいはい。気持ちだけで結構だ」
「大丈夫です。私は本の写本や翻訳とかで稼いでます」
「王妃になるんだからそこそこにしとけよ。むしろ国を活性化させるようなことをしろ」
兄が立ち上がり、慌てて立ち上がる。
「お気をつけてお帰り下さい」
寂しいと思いつつもそうつげれば、兄は笑顔を向けてくる。
「なーんかあったらいつでも連絡しろ。俺らは何時だってイネスを助けに行くからな」
「兄上」
「王子にいじめられたら特にな」
「お優しい方ですよ。王太子殿下は」
「そうか」
これで最後だと言わんばかりに頭を撫でられる。
「次会うのは次兄か、先生の結婚式かな」
「はい。楽しみにしてます」
笑顔を返せば、兄も微笑む。
見送り、寂しさに息を溢せば背後から抱きつかれる。
「イネス。どうした?寂しそうだぞ」
リアムだと気づき、胸を撫で下ろす。
「王太子殿下。いえ。兄上や父上たちが領地に帰るそうです。寂しいなぁと」
「そうか。変わりとは言わないが、今から一緒に散歩でもしないか?」
「お仕事は大丈夫なのですか?」
「父上だって母上との時間を大事にしているんだ。私とて少々妻に時間を使ったっていいだろう」
「お手伝いさせてください。それで先に済ませてしまいましょう。それからお散歩しませんか?夕焼け色の空も美しいですよ。これから先僕も王妃からお仕事を引き継がなければなりませんから今だけ」
リアムがしょうがないなぁと腕を差し出すので絡ませる。
25
あなたにおすすめの小説
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
僕を惑わせるのは素直な君
秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。
なんの不自由もない。
5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が
全てやって居た。
そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。
「俺、再婚しようと思うんだけど……」
この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。
だが、好きになってしまったになら仕方がない。
反対する事なく母親になる人と会う事に……。
そこには兄になる青年がついていて…。
いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。
だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。
自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて
いってしまうが……。
それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。
何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
刺されて始まる恋もある
神山おが屑
BL
ストーカーに困るイケメン大学生城田雪人に恋人のフリを頼まれた大学生黒川月兎、そんな雪人とデートの振りして食事に行っていたらストーカーに刺されて病院送り罪悪感からか毎日お見舞いに来る雪人、罪悪感からか毎日大学でも心配してくる雪人、罪悪感からかやたら世話をしてくる雪人、まるで本当の恋人のような距離感に戸惑う月兎そんなふたりの刺されて始まる恋の話。
魔力ゼロのポーション屋手伝い
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
15歳で測定する魔力の量によって、人生の大部分が左右されてしまう世界。
そんな世界で、運命の日を迎えたひとりの平凡な少年──リクは、抱いた淡い期待を大きく裏切られる。魔力が前代未聞のゼロと言い渡されたのだ。
深い絶望とともに頭を抱えていたとき、森でポーション屋を営んでいるというくたびれた男が声をかける。路頭に迷っていたリクは、店で手伝いをしてはどうかという彼の誘いを受けることにする。
捨てかけた夢を拾ってもらった少年と、拾った男。ふたりが絆を深めていく、ポーション屋でのお話です。
一人称おじさんくたびれ男性×魔力ゼロ以外平凡青年のBLです。
カクヨムにも載せています。(完結済み)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる