未来の王妃として幸せを紡ぐ

林 業

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貴方を支える未来

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無事に初夜を迎え、一週間。
長兄が領地に帰ると報告をしにイネスを訪ねてきた。
侍従たちは側で控えているが、人払いをし、二人っきりと言うことで少々肩の力を抜いている。
「可哀想だ」
特に感情の篭っていないアーケロンへの言葉。
そんなことより長兄一人かと見る。
「父上たちは」
「今イネスを見ると誘拐してまでも連れて帰りたいから自重するって」
ぼろぼろと男泣きしていた父を思い出してなるほどと苦笑する。
「義兄上は?」
「領地に一緒に帰る。秋口まで居たかったけどそうなると動けなくなる上に、収穫とかの忙しい時期になるからな。絵姿とかは書いて送るから楽しみにしておいてくれ」
「義兄上たちにお祝いを贈りたいのでほしいものがあったら連絡くださいね」
「はいはい。気持ちだけで結構だ」
「大丈夫です。私は本の写本や翻訳とかで稼いでます」
「王妃になるんだからそこそこにしとけよ。むしろ国を活性化させるようなことをしろ」
兄が立ち上がり、慌てて立ち上がる。
「お気をつけてお帰り下さい」
寂しいと思いつつもそうつげれば、兄は笑顔を向けてくる。
「なーんかあったらいつでも連絡しろ。俺らは何時だってイネスを助けに行くからな」
「兄上」
「王子にいじめられたら特にな」
「お優しい方ですよ。王太子殿下は」
「そうか」
これで最後だと言わんばかりに頭を撫でられる。
「次会うのは次兄か、先生の結婚式かな」
「はい。楽しみにしてます」
笑顔を返せば、兄も微笑む。


見送り、寂しさに息を溢せば背後から抱きつかれる。

「イネス。どうした?寂しそうだぞ」
リアムだと気づき、胸を撫で下ろす。
「王太子殿下。いえ。兄上や父上たちが領地に帰るそうです。寂しいなぁと」
「そうか。変わりとは言わないが、今から一緒に散歩でもしないか?」
「お仕事は大丈夫なのですか?」
「父上だって母上との時間を大事にしているんだ。私とて少々妻に時間を使ったっていいだろう」
「お手伝いさせてください。それで先に済ませてしまいましょう。それからお散歩しませんか?夕焼け色の空も美しいですよ。これから先僕も王妃からお仕事を引き継がなければなりませんから今だけ」
リアムがしょうがないなぁと腕を差し出すので絡ませる。
    
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