ちっちゃい仲間とのんびりスケッチライフ!

ミドリノミコト

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リッカとタイチ

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 「それでは配布した用紙に問題の答えを記入してください。制限時間は半刻です。これが最後の科目ですので気を抜かずに頑張ってくださいね。」

 開始の合図とともにぺらりと問題の冊子を開けば、見覚えのある言葉の羅列が並んでいた。
 ちなみに試験は各学科ごとに分かれており、共通科目もあれば専門科目もあるため、教室ですら分けられているようだった。ちなみに試験官はテイマーのようで、肩に森梟オウルを連れている。ちょうど番号順で並んでいるので、リッカとタイチは前後で並んでいた。

 (ん、これ僕が四歳のときに読んでた本にあったな……)

 余談だが仮にも魔獣を連れていたリッカとタイチは、教室に入った段階で魔獣は別室に預けるように言われた。タイチもリッカも自分たちの従魔がそんじゃそこらの人間にどうこうされるわけではないと思っているので、何の心配もなく快諾したのだが、それを渋ったのがウルや神獣たちだった。
 曰く、主に何かあれば自分たちが許せなくなる、と。
 たかが試験で命の危険があることはまずないと思うのだが、タイチはともかくリッカの場合話が違うのだ。現に今も、試験官の森梟オウルがちらちらとこちらを見ていて、今にも飛びついてきそうである。
 リッカは生まれ持った魔力が魔獣に好かれる質のものだったため、幼い時から人の従魔やら野良の魔獣に懐かれていた。それも徐々に懐いていくのではなく、最初から好感度マックスなのである。リッカはそれが普通だと最初は思っていたため疑問に思っていなかったのだ。それが、普通ではないと気づいたのは魔獣のことを学び始めた頃である。
 他の魔獣に近づいてほしくない。神獣たちは心からそう思っているので渋っているのだ。そんな神獣たちの心情を察したのか何なのか、リッカがその場治めてくれたため、テストが受けれている状態である。

 (魔獣との契約の基本を三つ述べよ。最後の問題がこれって……しかも見るからに配点が高そうだ。多分の問題がこのテストにおいて一番難しい問題なんだろうなぁ。)

 スラスラっと答えを書いてペンを置き、前をちらりと見やるとタイチもそこそこ終わりかけているようで気を抜いたように肘をついて手の上に頬を乗せていた。
 視界の端にうつる他の受験者たちはまだ一生懸命取り組んでいるがため、残り十数分リッカたちはとにかく静かに待つのみである。

 (それにしても、他の科目もだけど本当にどうにかなっちゃった。……難しくない訳じゃないんだけど、僕はもう本で読んだところだったんだよなぁ……。本格的に母様に仕組まれていたみたいでなんだかなぁ。)

 見直しも済ませ、母への懸念を抱き、そして一時間後。回収の声がかかるかと思えば試験官の先生は前に立ちまず一言、お疲れ様でしたと告げた。

 「それでは手元にある解答用紙と受験票をもってこちらに並んでください。」

 そう言って指し示したのは試験官のいる場所にある台の前だった。遠目に確認すると、やはりそこにも魔力の流れがあるように見える。根本的にいろいろなところに魔法具を用いているのだろう。フィラノには魔法具があまりないので馴染みは無いが、存在は知っている。

 「右の魔法陣に解答用紙を、左の魔法陣に受験票を置いてください。そこで解答用紙の内容を受験票にコピーいたします。最終的には魔力適正や実技試験の結果も受験票に記録するので、最後までなくさないよう気を付けてくださいね。」
 「……魔法具だったのか。」
 「みたいだね。だから魔力の流れがあったみたい。ところで手ごたえはどう?」
 「全く問題なかった。心配は杞憂だったみたいだ。」
 「だよね。僕もそう思ったもん。」

 こそこそと話しているうちに二人の番になり、先にリッカから件の魔法具の上に解答用紙と受験票を置く。するとどういう訳か、魔法具はひとりでに魔法陣を起動させ発光し始めた。ある程度光ると、その発光は収まり試験官の先生が解答用紙の方だけを回収する。

 「受験票はご自分でもって移動してくださいね。」

 その言葉と共に、廊下の方に誘導された。その場で待つのも何なので、ウルや神獣たちのいる部屋に行き、そこでタイチを待つ。彼も数分もせずにリッカのいる部屋へとやってきた。

 「移動するなら移動する言ってくれ。」
 「あはは、タイチならわかるかなって……」
 「……まあ分かったけど。」

 そんなやり取りを少しして、二人は実技試験の会場へと足を運んだ。


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