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ニヤニヤ
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「あは! じゃあ、次は私が。日月大(大学法人日月大学)四年の石田 朋美です。踊るのが好きで大学のダンスチームに入ってます! 香菜さんもダンスが好きなら、何処かで会うかも知れないね!」
「確かに! 凄く会う気がする!」
「ふふ。卒業後の事はまだ決めてないけど、インストラクター系の仕事に就いて、ゆくゆくは自分で開業してみたい、とか思ってます。夢で終わりそうだけどね」
朋美ちゃんは体を動かす事が大好きなのが、表情や声、全身からヒシヒシと伝わってくる。
笑い混じりに 夢で終わりそう なんて言ってるけど、朋美ちゃんなら成し遂げそうな気がする。
「凄く素敵な夢だね! 朋美ちゃんが開いたジムなら、絶対に成功するよ! 僕は運動が苦手だから、憧れるなぁ」
「うんうん。明るいダンススクールになるね」
「卒業したら、すぐに始めちゃいなよ」
「あはは! いきなり開業しても誰も来ないって! やっぱり段階を踏まないとね」
「いけそうな気もするけどねぇ」
みんなの自己紹介が終わった丁度良いタイミングで料理が届く。最新型の配膳ロボットだが、ぐんと上がった性能に比べ、見た目は十年前と殆ど変わらない。
モノレール型を除くと、恐らくこの形が配膳ロボとしては最適解なのだろう。
「辰野コーポレーションが未来を変える。あなたの暮らしを支えるパートナーロボットが、きっと見つかります」
「CМはいいって!」
香菜ちゃんのナレーションに涼太がツッコミを入れる。
「でも、このシステムって応用力高すぎだよね」
「ふふ。やっぱり日ロボ大の人ってロボット好きなんだね。私はさっぱり分かんないけど、このロボ達って可愛いよね」
「ありがとうございます! 弊社の自律型ロボットはお客様のニーズに合わせて見た目の変更も可能ですので、ご希望があればどんどん申して下さい!」
「もう弊社かよ!」
「「あははは!」」
茶番に満足した僕らは漸く食事を始めた。
「やっぱ美味いね」とか「次はあれ食べよう」とか言いながら食べていると、朋美ちゃんがしみじみ呟いた。
「みんな仲良しだよねぇ」
朋美ちゃんの呟きは、恐らく涼太と香菜ちゃんが終始ニヤニヤしている事から出たものだろう。
にこやか とは何か違う ニヤニヤ なので、正直僕も気にはなっていた。
多分、うぶな僕の反応を見て楽しんでいるのだろうけど、貴重な場を設けてくれたのも確かなので見世物扱いは諦めるとする。
「僕目線だと涼太、香菜ちゃん、朋美ちゃんの三人もめちゃくちゃ仲良しに見えるよ。実際そうだと思うけど」
「ところが、涼太くんとは今日が初めてなのです。香菜から話はよく聞くけどね。今日の集まりの前に徹くんの事も色々聞いたよ」
「あ、言っちゃう?」
「聞くのがちょっと怖いけど、なんて言ってたの?」
人差し指をピンと立て、朋美ちゃんが思考を巡らせる。
言って良いこと、悪いことを選別してそうな気もするけど、そんなに気を使わなくても大丈夫なのに。
「凄く真面目で、お金が落ちてたら拾って交番に届けちゃうタイプなのに天然で面白いって。何となく分かるかも」
「だから天然じゃないって! それに、自分で言うのもアレだけど、見た目ほど真面目じゃないよ」
「照れるな照れるな」
「そうそう。まぁ、けど、朋美は可愛いから、照れちゃうのは分かる!」
「そう言われると、照れてないって言うのも失礼な気がするけど、照れてるとしたら放っといて欲しいよ。二人してずっとニヤニヤしてるんだもん」
確かに照れてる。そりゃ照れるさ! こちとら女の子と話す機会なんて殆ど無いんだから。
僕は気恥ずかしさを誤魔化すように残った料理を一気に口の中へと掻き込んだ。
「悪い悪い。俺らも分かってはいるんだけど、ニヤニヤが抑えられなくてさ。なんか徹が可愛くて」
「なにそれ」
「ゴメンだけど、微笑ましいというか……何か親目線みたいになっちゃうよね」
「香菜ちゃんまで……」
「ふふ。徹くん、可愛いがられてるうちが華ですよ」
「朋美ちゃんまで、おばちゃんみたいなこと言って」
「ははは! まぁ、そう拗ねるなよ。初めは乗り気じゃ無かった徹が、やる気満々に約束の二時間前待機するもんだから、こっちまで嬉しくなるってもんだろ?」
ああ、なるほど。それで始めからニヤニヤしてたのか。
「僕の位置、見たなぁ?」
「朋美ちゃんにビビって来なかったら困るからな。でも家から出たか確認した時にはもう到着してたから笑ったぞ」
「涼太から連絡来た時は私もビックリしたけど、早く用意しなきゃ! ってなって、慌てて朋美にも連絡したよ」
「ふふ! 香菜から連絡が来て、もう着いてるの!? って思ったよね。お陰で来る前から楽しくなっちゃった。で、徹くんを見て、わぁ、イメージ通りだ! って思ったよ」
「なんか、急がせてごめんね」
「「あはは!」」
けど、イメージ通りって悪い事じゃないよね?
イメージが悪かったら来てくれない筈だし。
「確かに! 凄く会う気がする!」
「ふふ。卒業後の事はまだ決めてないけど、インストラクター系の仕事に就いて、ゆくゆくは自分で開業してみたい、とか思ってます。夢で終わりそうだけどね」
朋美ちゃんは体を動かす事が大好きなのが、表情や声、全身からヒシヒシと伝わってくる。
笑い混じりに 夢で終わりそう なんて言ってるけど、朋美ちゃんなら成し遂げそうな気がする。
「凄く素敵な夢だね! 朋美ちゃんが開いたジムなら、絶対に成功するよ! 僕は運動が苦手だから、憧れるなぁ」
「うんうん。明るいダンススクールになるね」
「卒業したら、すぐに始めちゃいなよ」
「あはは! いきなり開業しても誰も来ないって! やっぱり段階を踏まないとね」
「いけそうな気もするけどねぇ」
みんなの自己紹介が終わった丁度良いタイミングで料理が届く。最新型の配膳ロボットだが、ぐんと上がった性能に比べ、見た目は十年前と殆ど変わらない。
モノレール型を除くと、恐らくこの形が配膳ロボとしては最適解なのだろう。
「辰野コーポレーションが未来を変える。あなたの暮らしを支えるパートナーロボットが、きっと見つかります」
「CМはいいって!」
香菜ちゃんのナレーションに涼太がツッコミを入れる。
「でも、このシステムって応用力高すぎだよね」
「ふふ。やっぱり日ロボ大の人ってロボット好きなんだね。私はさっぱり分かんないけど、このロボ達って可愛いよね」
「ありがとうございます! 弊社の自律型ロボットはお客様のニーズに合わせて見た目の変更も可能ですので、ご希望があればどんどん申して下さい!」
「もう弊社かよ!」
「「あははは!」」
茶番に満足した僕らは漸く食事を始めた。
「やっぱ美味いね」とか「次はあれ食べよう」とか言いながら食べていると、朋美ちゃんがしみじみ呟いた。
「みんな仲良しだよねぇ」
朋美ちゃんの呟きは、恐らく涼太と香菜ちゃんが終始ニヤニヤしている事から出たものだろう。
にこやか とは何か違う ニヤニヤ なので、正直僕も気にはなっていた。
多分、うぶな僕の反応を見て楽しんでいるのだろうけど、貴重な場を設けてくれたのも確かなので見世物扱いは諦めるとする。
「僕目線だと涼太、香菜ちゃん、朋美ちゃんの三人もめちゃくちゃ仲良しに見えるよ。実際そうだと思うけど」
「ところが、涼太くんとは今日が初めてなのです。香菜から話はよく聞くけどね。今日の集まりの前に徹くんの事も色々聞いたよ」
「あ、言っちゃう?」
「聞くのがちょっと怖いけど、なんて言ってたの?」
人差し指をピンと立て、朋美ちゃんが思考を巡らせる。
言って良いこと、悪いことを選別してそうな気もするけど、そんなに気を使わなくても大丈夫なのに。
「凄く真面目で、お金が落ちてたら拾って交番に届けちゃうタイプなのに天然で面白いって。何となく分かるかも」
「だから天然じゃないって! それに、自分で言うのもアレだけど、見た目ほど真面目じゃないよ」
「照れるな照れるな」
「そうそう。まぁ、けど、朋美は可愛いから、照れちゃうのは分かる!」
「そう言われると、照れてないって言うのも失礼な気がするけど、照れてるとしたら放っといて欲しいよ。二人してずっとニヤニヤしてるんだもん」
確かに照れてる。そりゃ照れるさ! こちとら女の子と話す機会なんて殆ど無いんだから。
僕は気恥ずかしさを誤魔化すように残った料理を一気に口の中へと掻き込んだ。
「悪い悪い。俺らも分かってはいるんだけど、ニヤニヤが抑えられなくてさ。なんか徹が可愛くて」
「なにそれ」
「ゴメンだけど、微笑ましいというか……何か親目線みたいになっちゃうよね」
「香菜ちゃんまで……」
「ふふ。徹くん、可愛いがられてるうちが華ですよ」
「朋美ちゃんまで、おばちゃんみたいなこと言って」
「ははは! まぁ、そう拗ねるなよ。初めは乗り気じゃ無かった徹が、やる気満々に約束の二時間前待機するもんだから、こっちまで嬉しくなるってもんだろ?」
ああ、なるほど。それで始めからニヤニヤしてたのか。
「僕の位置、見たなぁ?」
「朋美ちゃんにビビって来なかったら困るからな。でも家から出たか確認した時にはもう到着してたから笑ったぞ」
「涼太から連絡来た時は私もビックリしたけど、早く用意しなきゃ! ってなって、慌てて朋美にも連絡したよ」
「ふふ! 香菜から連絡が来て、もう着いてるの!? って思ったよね。お陰で来る前から楽しくなっちゃった。で、徹くんを見て、わぁ、イメージ通りだ! って思ったよ」
「なんか、急がせてごめんね」
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けど、イメージ通りって悪い事じゃないよね?
イメージが悪かったら来てくれない筈だし。
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