命の質屋

たかつき

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決められた約束②

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 ◇朋美side◇

 急いで全身を洗い流し終えた私は、これまた急いでワシワシと身体を拭き、お風呂場を出た。
 部屋に戻るなり、香菜の満面の笑みが目に入る。

「サッパリしたでしょ」

「うん。お風呂ありがとう。サッパリしたよ」

 違う。これは満面の笑みの理由じゃない。
 香菜と友達になって三年以上経つ私には分かる。
 これは何かイタズラを仕掛けた時の顔だ。
 
「明後日、空いてるんだよね?」

「空いてる……けど……?」

 もしかして、徹くんから誘いがあった?
 しかも明後日に。もしかして徹くん、意外と大胆?
 香菜に手渡され、私のスマホの画面を見る。

 ▶良かった。安心しました!
 ▶こちらこそありがとう!
 ▶めちゃくちゃ楽しかったです!
 ▶もし良ければ、また誘っても良いですか?
 
 ◀もちろん。明後日、どうですか?
 ◀今度は二人で。笑

 え? 私から、誘ったの? 
 しかも、今度は二人でとか! 
 私そんな大胆な性格じゃないのに!

「香菜、置いといてって言ったのに。男に飢えてる肉食女と思ってドン引きしてたらどうしよう。もう五分経ってるのに返事来てないし、嫌われちゃったのかも!」

「ごめんごめん。ついワクワクしちゃって。てか、朋美って返事とか気にしないタイプなのに、そんなに徹くんのことが気に入ったんだねぇ。私まで嬉しくなっちゃう」

 ごめんと言いつつも、脚をパタパタ、ふんふんと鼻を鳴らしてニッコリ笑顔で身体を揺らす香菜。
 でも、今はその笑顔に腹が立つ!

「嬉しくなっちゃう。じゃないよ……絶対に気持ち悪い女だと思われた。きっと今、私を傷つけない断り方を考えてくれてるんだよ」

「ふふ、大丈夫大丈夫。徹くんだもん。こんなんで嫌われるなら、とっくに涼太が嫌われてるから」

「……本当に?」

 ――ピロン。パシッ!
 
 ▶嬉しすぎて、混乱していました。
 ▶明後日、もう明日だけど、宜しくお願いします。
 ▶とても楽しみです。 

 
 どうしよう。信じるには早いのに、本当に嬉しい。

「徹くんだ! ふふふ。なんで敬語なんだろ。明後日、宜しくお願いしますって。へへ、何処に行けば良いかな」

「おおお。私は朋美のスマホを取って確認するまでの速さにビビったけどね。でも、だから言ったでしょ? 徹くん、見た目はあんなだけど、性格は良いんだよ」

「ちょっと! 見た目も駄目じゃないから」

 こうして私は妄想込みの恋愛話に花を咲かせ、時に香菜から涼太くんとの惚気のろけ話の反撃を受けつつ、を過ごすのであった。

 
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