16 / 25
前日
しおりを挟む
嬉しさからくる動悸と、打撲による目の下の痛みで眠れぬ夜を過ごした僕は、朝一すぐに涼太に助けを求めた。
助けをというのは、もちろん明日の約束についてだ。なにせ僕は素人だから。
◀どんな格好をすれば良い?
◀どんな話をすれば良い?
◀食事はどうすれば良い?
◀目的地は?
こんな風に、思い付く全ての事を聞いた訳だけど
▶自分で考えろ。
▶ふぁいと。
なんて淡白な返事が来て終わった。薄情者め。
「はぁ、どうしよう」
独り言ちてみても何も変わらない。とはいえ、今から上級者のデートプランなんか調べたって付け焼き刃にしかならない。
なんたって誤魔化しようのない初心者だからね。
でも、せめて行き先くらい考えて連絡しないと。
二時間ほど頭を悩ませた僕は、正直言ってまだよく知らない朋美ちゃんが好きそうな事=身体を動かす事と考え、何かしらの運動デ……デートにしようと決めた。
そこから更に一時間ほど考え、明治神宮近くにあるアイススケート場に行くことに決めた。
集合時間は午前十時。
明日は土曜日だから少し混むかも知れないけど、オープンと同時刻に行けばすんなり入れるんじゃないか、という希望的憶測込みの時間設定だ。
長袖、長ズボンと軽い防寒は用意しなきゃ駄目だけど、それ以外は貸してもらえるし、食事を食べる所も国立競技場周りなら選べるくらいあるから、デート初心者の僕にはうってつけの場所って訳。
もちろん、要所要所では朋美ちゃんに確認を取り、了承を得ながら決めた。
状況的に、余程酷い計画を立てない限りは朋美さんも了承してくれるだろうから、僕のプランの押し付けとも言えるけど、楽しんでくれたら良いな。
ふう、ドキドキする。
ちゃんと話せるかな。
気持ち悪く思われないかな。
やっぱ無理ですってフラレないかな。
ああ、やっぱり一人で考えてるとネガティブな僕が止めどなく押し寄せてくる。涼太にメッセージでも送ろう。
◀朋美ちゃんと明治神宮のスケート場に行くことにした。
◀気持ち悪くないかな?
返事が来なかったので、ふりかけで朝ご飯を食べ、普段やらない腕立てや腹筋をしていると、通知音が鳴った。
▶なんでキモいんだよ。笑
▶朋美ちゃんが良いって言ってんなら良いんじゃない?
▶知らんけど。
そりゃそうなんだけど……いや、それが全てか。
◀そうだよね。
◀少し安心したかも。
◀明日は当たって砕ける!
▶砕けんのかい。笑
▶まぁ、頑張れ。
こうして僕は、デートの準備やら出来る限りの身だしなみに精を出しながら過ごし、夕方六時くらいに溜まっていた眠気に襲われて爆睡した。
それにしても最近、僕の毎日には急展開が多い。
ありがたい事に、嬉しい展開ばかりだけどね。
正直言って、この頃の僕は舞い上がり、すっかり忘れていた。【命の質屋】の事を。
助けをというのは、もちろん明日の約束についてだ。なにせ僕は素人だから。
◀どんな格好をすれば良い?
◀どんな話をすれば良い?
◀食事はどうすれば良い?
◀目的地は?
こんな風に、思い付く全ての事を聞いた訳だけど
▶自分で考えろ。
▶ふぁいと。
なんて淡白な返事が来て終わった。薄情者め。
「はぁ、どうしよう」
独り言ちてみても何も変わらない。とはいえ、今から上級者のデートプランなんか調べたって付け焼き刃にしかならない。
なんたって誤魔化しようのない初心者だからね。
でも、せめて行き先くらい考えて連絡しないと。
二時間ほど頭を悩ませた僕は、正直言ってまだよく知らない朋美ちゃんが好きそうな事=身体を動かす事と考え、何かしらの運動デ……デートにしようと決めた。
そこから更に一時間ほど考え、明治神宮近くにあるアイススケート場に行くことに決めた。
集合時間は午前十時。
明日は土曜日だから少し混むかも知れないけど、オープンと同時刻に行けばすんなり入れるんじゃないか、という希望的憶測込みの時間設定だ。
長袖、長ズボンと軽い防寒は用意しなきゃ駄目だけど、それ以外は貸してもらえるし、食事を食べる所も国立競技場周りなら選べるくらいあるから、デート初心者の僕にはうってつけの場所って訳。
もちろん、要所要所では朋美ちゃんに確認を取り、了承を得ながら決めた。
状況的に、余程酷い計画を立てない限りは朋美さんも了承してくれるだろうから、僕のプランの押し付けとも言えるけど、楽しんでくれたら良いな。
ふう、ドキドキする。
ちゃんと話せるかな。
気持ち悪く思われないかな。
やっぱ無理ですってフラレないかな。
ああ、やっぱり一人で考えてるとネガティブな僕が止めどなく押し寄せてくる。涼太にメッセージでも送ろう。
◀朋美ちゃんと明治神宮のスケート場に行くことにした。
◀気持ち悪くないかな?
返事が来なかったので、ふりかけで朝ご飯を食べ、普段やらない腕立てや腹筋をしていると、通知音が鳴った。
▶なんでキモいんだよ。笑
▶朋美ちゃんが良いって言ってんなら良いんじゃない?
▶知らんけど。
そりゃそうなんだけど……いや、それが全てか。
◀そうだよね。
◀少し安心したかも。
◀明日は当たって砕ける!
▶砕けんのかい。笑
▶まぁ、頑張れ。
こうして僕は、デートの準備やら出来る限りの身だしなみに精を出しながら過ごし、夕方六時くらいに溜まっていた眠気に襲われて爆睡した。
それにしても最近、僕の毎日には急展開が多い。
ありがたい事に、嬉しい展開ばかりだけどね。
正直言って、この頃の僕は舞い上がり、すっかり忘れていた。【命の質屋】の事を。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる