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第四章 地上の森
しおりを挟むルンルン♪
上機嫌で坂道を下る私。
行きにほぼ何も入っていなかった手持ちのかごには女神様に分けてもらったたくさんの木の実ときのこでいっぱい。
スープも少し、分けてもらったし…。
これで村も安泰かな。
わたしは高い木々を抜けると、村への道を急いだ。
☆☆☆
ごほごほっ。
と咳をする村の人たち。
村では流行り病が流行中。
「みんなー。スープもらってきたよー。」
村の真ん中にある広場に集まるみんな。
いっぱい食べて元気出してもらわなきゃ。
「とってもいいにおい。」
「イブちゃん、これ、どこのスープ?」
「女神さまのスープだよ!」
「めがみさま?」
「うん!森の奥の神殿の!」
☆☆☆
カッーカッー。
カラスがねぐらに帰り、太陽が沈み始める時間帯。
森の中に浮かぶたくさんの炎。
そしてたくさんの足音。
「なっ、ほんとにこの道であってるのか?」
森の木々の間をかき分けるように進んでいく男たち。
「さあ、もう何百年も前の道らしいからな。」
人間の女の子が帰った夜。
長イスの上で寝ていると何やら外から騒がしい音。
いくつもの足音と、炎の燃えるようなパチパチという音。
眠い目をこすり、起き上がるあたし。
「何の音だろ?」
☆☆☆
ドンドンドン。
神殿の前でたたかれる太鼓。
中心で大きく燃える炎。
そのわきで祈りをささげるたくさんの人間たち。
「なに…これ?」
試しに入り口から覗いてみる私の前にいたのは大勢の人間。
女神様―。とか何とか言ってる。
女の子と同じ村の人たちだろうか。
というか、あたしたち女神様じゃないんだけど。
「アリアー。どうかしたの?」
眠たい目をこすり、起きてくるアリア。
「って、え?」
「どういう状況?」
☆☆☆
「おいっ、あれ、女神さまじゃねえか?」
「なんとお美しい…。」
次々にひれ伏す人間たち。
隠れてたのにみつかってしまったみたいだったので仕方なく、外へ出るあたしたち。
「あはは、どーもー。」
「女神様、この度は村を救ってくださり…。」
集団の中で声をかけてくるひげを生やした人。
たぶん、村長…さんかな?
「救ってくださり?私たち、何かした?」
「とんでもございません。女神さまの妙薬で、村を病から救ってくださったではありませんか。イブの持ってきた薬がなければこの村は…。」
「妙薬…?薬…?」
「そんなの入れたっけ?」
マリアに聞くと、うんうんと首を横に振る。
あたしの頭の中で思考がぐるぐる一回転。
特にそんな記憶はないけど、調味料以外は現地調達のはずだし…。
あっ。
そういえば、調味料の代わりに…。
(なんか味が足りない。そうだエリクサーいーれよっ。)
「あっ…。」
「それで女神様、ご相談なのですが…。」
「村を救ってはいただけないでしょうか。」
「もちろん、タダでとは申しません。問題が解決した暁には、お二人の女神さまの神殿を建てさせていただきます。」
「神殿?」
「神殿‼」
「えへへ、それちょっといいかも…。」
「ではさっそく、村の方へ、ご案内いたします。」
「おいっ、女神さまのお通りだ。道をお開けしろっ。」
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