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第一話 脅迫された悪役令息は初恋に溺れる
02-5.
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同性同士の結婚は認められている。
ダイナミクス性が存在していることもあり、魔法が発達しているこの国では同性同士であったとしても、妊娠は可能である。
ただし、男女の組み合わせに比べれば、不妊率は上がる為、それなりの治療が必要となってくる。
「本気で言ってるのか?」
拒絶をしているわけではない。
しかし、アレンに求婚されるほどに自信があるわけではなかった。
「俺、下働きなんてしたこともないし、父上と兄上の補助と、私営騎士団の訓練くらしかしてないが?」
ディーンは侯爵邸の中で過ごしていることが多い。
宰相である父親が持ち帰ってくる書類の整理整頓、侯爵領にいる兄から送り付けられてくる書類の処理。
それから、首都にある侯爵邸と少し離れている侯爵領を行き来する騎士団を引き連れ、移動しながら狂暴化した魔物の処理を行うくらいである。
それなりの仕事量をこなしてはいるものの、すべて、侯爵家に生まれた者としての義務をこなしているだけにすぎない。
「侯爵家からまともに出たこともないんだけど? 自分で言うのも、おかしいが、態度が悪いだけでなにもできないぞ」
本来ならば、自分がいかに有能な人間であるのかを売り込むべきだろう。
しかし、ディーンの口から出たのは真逆の言葉だった。
「知ってる」
「は? なんで知ってるんだよ」
「ずっと見ていたからな」
アレンは愛おしそうにディーンの頬を撫ぜた。
まるで、ずっと触れてみたかったというかのように優しい目をしている。
「ずっと、ずっと、好きだったんだ」
恋人に愛を囁くかのように甘い言葉を口にする。
その言葉には嘘はないのだろう。
「愛している。ディーン」
前触れのなかった愛の告白を告げられ、ディーンはありえないと言わんばかりの顔をする。
……いや、いきなり言われても。
愛の告白を告げられて、頬が赤くなる。
アレンは真面目に言っているのだろう。
冗談でも、からかっているわけでもないことはディーンもわかっていた。
ダイナミクス性が存在していることもあり、魔法が発達しているこの国では同性同士であったとしても、妊娠は可能である。
ただし、男女の組み合わせに比べれば、不妊率は上がる為、それなりの治療が必要となってくる。
「本気で言ってるのか?」
拒絶をしているわけではない。
しかし、アレンに求婚されるほどに自信があるわけではなかった。
「俺、下働きなんてしたこともないし、父上と兄上の補助と、私営騎士団の訓練くらしかしてないが?」
ディーンは侯爵邸の中で過ごしていることが多い。
宰相である父親が持ち帰ってくる書類の整理整頓、侯爵領にいる兄から送り付けられてくる書類の処理。
それから、首都にある侯爵邸と少し離れている侯爵領を行き来する騎士団を引き連れ、移動しながら狂暴化した魔物の処理を行うくらいである。
それなりの仕事量をこなしてはいるものの、すべて、侯爵家に生まれた者としての義務をこなしているだけにすぎない。
「侯爵家からまともに出たこともないんだけど? 自分で言うのも、おかしいが、態度が悪いだけでなにもできないぞ」
本来ならば、自分がいかに有能な人間であるのかを売り込むべきだろう。
しかし、ディーンの口から出たのは真逆の言葉だった。
「知ってる」
「は? なんで知ってるんだよ」
「ずっと見ていたからな」
アレンは愛おしそうにディーンの頬を撫ぜた。
まるで、ずっと触れてみたかったというかのように優しい目をしている。
「ずっと、ずっと、好きだったんだ」
恋人に愛を囁くかのように甘い言葉を口にする。
その言葉には嘘はないのだろう。
「愛している。ディーン」
前触れのなかった愛の告白を告げられ、ディーンはありえないと言わんばかりの顔をする。
……いや、いきなり言われても。
愛の告白を告げられて、頬が赤くなる。
アレンは真面目に言っているのだろう。
冗談でも、からかっているわけでもないことはディーンもわかっていた。
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