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第四話 日常が変わる
05-4.
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「泣きたくなるほどに優しいから」
律は泣いてはいない。
ただ、泣きそうになっていただけだ。
「ごめんね、葵」
「なんで謝るんだよ」
「僕のわがままで葵の人生を狂わせちゃった」
律は自覚をしていた。
葵が嫌がらせにあっている姿を見て、律は葵に依存していることを初めて自覚した。同時に葵に抱いている感情は幼馴染としての友情ではなく、狂気を含めた愛だということを知った。
その愛を一人では抑えられなかった。
だから、葵も律に依存するように仕向けた。
「なんだよ、それ」
葵は困ったように笑う。
律に仕向けられた罠にかかり、依存してしまった自覚はなかった。
「俺は律が好きだから。だから、一緒にいるんだ」
葵は純粋な恋を口にする。
依存をしている恋だ。それでも、葵にとっては初恋であり、唯一の恋だった。
その言葉は律にとって重すぎた。純粋に潰されそうになる。それでも、葵の愛を手に入れるためには代償を払うのは当然のことだった。
「人生を狂わされた覚えはねーよ」
葵の言葉に律は涙を流した。
「律。泣くなよ。泣かれたらどうしたらいいのか、わからなくなる」
葵は指で律の涙を拭う。
……泣くような言葉じゃなかったよな。
律は罪悪感を抱いていた。これから先も抱き続けるだろう。
それは泣いて許されることではない。
「ごめんね、葵」
律は何度目かの謝罪の言葉を繰り返す。
葵と両想いになれたのは律の作戦勝ちだった。しかし、それは律が罠を仕掛けたことによるものだ。葵の意思で好きになったわけではないかもしれない。
葵は律に依存をしている。そうなるように律が仕向けた。
葵の人生を壊してでも、手に入れたかった。
……なんで謝るんだ。
葵には理解ができなかった。
律は泣いてはいない。
ただ、泣きそうになっていただけだ。
「ごめんね、葵」
「なんで謝るんだよ」
「僕のわがままで葵の人生を狂わせちゃった」
律は自覚をしていた。
葵が嫌がらせにあっている姿を見て、律は葵に依存していることを初めて自覚した。同時に葵に抱いている感情は幼馴染としての友情ではなく、狂気を含めた愛だということを知った。
その愛を一人では抑えられなかった。
だから、葵も律に依存するように仕向けた。
「なんだよ、それ」
葵は困ったように笑う。
律に仕向けられた罠にかかり、依存してしまった自覚はなかった。
「俺は律が好きだから。だから、一緒にいるんだ」
葵は純粋な恋を口にする。
依存をしている恋だ。それでも、葵にとっては初恋であり、唯一の恋だった。
その言葉は律にとって重すぎた。純粋に潰されそうになる。それでも、葵の愛を手に入れるためには代償を払うのは当然のことだった。
「人生を狂わされた覚えはねーよ」
葵の言葉に律は涙を流した。
「律。泣くなよ。泣かれたらどうしたらいいのか、わからなくなる」
葵は指で律の涙を拭う。
……泣くような言葉じゃなかったよな。
律は罪悪感を抱いていた。これから先も抱き続けるだろう。
それは泣いて許されることではない。
「ごめんね、葵」
律は何度目かの謝罪の言葉を繰り返す。
葵と両想いになれたのは律の作戦勝ちだった。しかし、それは律が罠を仕掛けたことによるものだ。葵の意思で好きになったわけではないかもしれない。
葵は律に依存をしている。そうなるように律が仕向けた。
葵の人生を壊してでも、手に入れたかった。
……なんで謝るんだ。
葵には理解ができなかった。
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