俺の幼馴染が陽キャのくせに重すぎる!

佐倉海斗

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第四話 日常が変わる

05-5.

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 人生を狂わされた自覚はなかった。
 葵にとって律はすべてだった。律がいない人生など考えられないほどに大切な存在だ。だからこそ、謝られる意味がわからない。

「謝るなよ、律は悪いことなんてしてないだろ」

「してしまったんだよ」

「だとしても、俺はなにも謝られることはされてねーよ」

 葵の言葉では律の涙は止められない。

 葵の優しさが律の罪悪感を刺激するのだ。

「だって、子どもが望めないでしょ」

 律は泣きながら本音を口にした。

 男性同士では子どもは望めない。それは生物学上、どうしようもないことだった。養子をもらう方法はあるが、両親が同性ということで子どもは偏見の目で見られることだろう。

 偏見はどこにでもある。その茨の道を歩むことになるのだ。

「葵、子どもが好きなのに」

「兄貴の子どもをかわいがるから大丈夫だ。俺には律がいてくれたら、それでいい」

「本気なの?」

 律は首を傾げた。

 それから、強引に手で涙を拭った。

「自分の子どもが欲しくはないの?」

 律はどうしようもない問いかけをする。
 律と交際をしている以上は不可能なことだ。律も葵も妊娠をすることはない。

「興味ねーんだよ」

 葵は答えた。

 その答えは律を安心させた。

「律以外はどうでもいいんだ」

 葵は律が思うよりも依存している。

「家族に反対されても、律を選ぶ自信があったくらいなんだぜ」

「反対されたの?」

「いや。両親は応援してくれた。兄貴だけは嫌そうな顔をしたけどな」

 葵の言葉に律は苦笑した。

 葵の兄の人柄を律も知っている。自由奔放な性格をしているが、年の離れた葵のことをかわいがっており、溺愛している。それを律にとられたことが不満だったのだろう。

 本気で反対をしているわけではないのは葵もわかっていた。兄は拗ねているだけなのだ。

「でも、反対されても、律を選んだ」

 葵は家出をする覚悟だった。それほどに律を愛していた。
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