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第二話 【あやかし喫茶】は縁を結ぶ
01-4.
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「若葉は伊織さんの間抜けな顔が嫌いです」
若葉は渡された風呂敷を抱きしめる。
鞄ではなく、風呂敷に包むのは年代だろうか。人としての道を歩むことが許されず、鬼と化した伊織は世間知らずのままだ。
人としての時代に取り残され、あやかしとしては幼すぎる。
若葉は見守るだけでいられなかった。
その手を離した途端、伊織がどうしようもないところに行ってしまいそうな気がした。伊織の居場所は常世にあると頭の中ではわかっていながらも、人の世に未練を残したままの伊織は不安定なままだ。
それがどうしようもなく怖かった。
異種族の壁を越え、手に入れた家族だった。
若葉は伊織と鈴がいる家が大切だった。二人の家族を手放すことだけはできず、おままごとの延長戦のような喫茶店も好きだった。
だからこそ、余計なお世話だとわかっていながらも、言葉を止められない。
「そんなに思い出が大切ですか?」
若葉の言葉に伊織はなにも言えなかった。
……わかってる。
伊織もわかっている。
若葉が言いたいことは正しい。
あやかしは人に惹かれる性質がある。それは人からあやかしになった者ならば、誰しもが抱く喪失感を埋めるように引き寄せられていく。
それはあやかしを破滅の道に招く。
人に引き寄せられ、狂っていき、暴走をしたあやかしたちを見てきた。
伊織はかつての同胞と敵対したことがある。その手で暴走をする同胞を葬ったこともある。
若葉は伊織もそれらと同じ道を歩まないか、心配をしている。
「……大切だった」
伊織は正直に打ち明ける。
若葉に嘘を吐いても意味がない。強がったところで意味がない。
甘えることもできない関係は家族ですらもないだろう。
「父さんと母さんを忘れたことなんかなかった」
伊織は両親の最期の場にいられなかった。
まだ息をしている両親の戸惑いが隠せない拒絶の言葉を聞き、逃げてしまった。その後、両親が死ぬ間際まで悔やんでいたことを美香子に教えられて、伊織は激しい後悔に襲われた。それを忘れられなかった。
若葉は渡された風呂敷を抱きしめる。
鞄ではなく、風呂敷に包むのは年代だろうか。人としての道を歩むことが許されず、鬼と化した伊織は世間知らずのままだ。
人としての時代に取り残され、あやかしとしては幼すぎる。
若葉は見守るだけでいられなかった。
その手を離した途端、伊織がどうしようもないところに行ってしまいそうな気がした。伊織の居場所は常世にあると頭の中ではわかっていながらも、人の世に未練を残したままの伊織は不安定なままだ。
それがどうしようもなく怖かった。
異種族の壁を越え、手に入れた家族だった。
若葉は伊織と鈴がいる家が大切だった。二人の家族を手放すことだけはできず、おままごとの延長戦のような喫茶店も好きだった。
だからこそ、余計なお世話だとわかっていながらも、言葉を止められない。
「そんなに思い出が大切ですか?」
若葉の言葉に伊織はなにも言えなかった。
……わかってる。
伊織もわかっている。
若葉が言いたいことは正しい。
あやかしは人に惹かれる性質がある。それは人からあやかしになった者ならば、誰しもが抱く喪失感を埋めるように引き寄せられていく。
それはあやかしを破滅の道に招く。
人に引き寄せられ、狂っていき、暴走をしたあやかしたちを見てきた。
伊織はかつての同胞と敵対したことがある。その手で暴走をする同胞を葬ったこともある。
若葉は伊織もそれらと同じ道を歩まないか、心配をしている。
「……大切だった」
伊織は正直に打ち明ける。
若葉に嘘を吐いても意味がない。強がったところで意味がない。
甘えることもできない関係は家族ですらもないだろう。
「父さんと母さんを忘れたことなんかなかった」
伊織は両親の最期の場にいられなかった。
まだ息をしている両親の戸惑いが隠せない拒絶の言葉を聞き、逃げてしまった。その後、両親が死ぬ間際まで悔やんでいたことを美香子に教えられて、伊織は激しい後悔に襲われた。それを忘れられなかった。
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