婚約破棄された悪役令息は大公に嫁ぐ

佐倉海斗

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第二話 大公家に嫁ぐ

03-2.

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「専属メイドは? 侯爵邸から連れて来たはずだが」

 アレンは疑問を投げかける。

 それに対し、ダリアは目を逸らした。

 後ろめたいことでもあるのだろう。

「全員、侯爵家に帰しました」

 ダリアは迷いながらも真実を口にした。

 専属メイドになる為には侯爵家のメイドは邪魔だったのだ。その為、大公邸での仕事は人手が余っていると嘘を吐いて、勝手な判断で追い返してしまった。

 それができるだけの権力をダリアは握っていた。

 ……嫌がらせか?

 大公家での味方を無くす為だろうか。

「呼び戻せ」

 アレンは指示を口にした。

 それから痛む体を庇いながら、ベッドから降りる。

「シリルの元に行く。着替えをするのだが、そこにいるつもりか?」

「滅相もござません。すぐに退席をいたします」

「用事があれば呼ぶ。廊下で待機していろ」

 アレンは言いながら服を脱いだ。

 昨夜の行為の後、シリルが着せたのだろう。

 ……厄介だな。

 大公家のメイドには注意をしなければならない。

 シリルの元婚約者たちが口にしていた言葉が現実になった。

 ……呼び戻せるといいんだが。

 恐らく、無理だろう。

 アレンの専属メイドが務まらなかったと判断され、解雇されている可能性が高い。

「……ダリアか」

 故郷ではダリアが一面に咲く中庭があった。

 母親の好きな花の一つだった。

 ……厄介な芽は早く潰さなければ。

 アレンは気性が穏やかではない。

 敵になる可能性がある者を見逃すほどにお人よしではない。


* * *


 廊下に立たされていたダリアは考えごとをしていた。

 恋い慕うシリルの為ならば、婚約者であろうと配偶者であろうと関係ない。邪魔をする者は徹底的に排除をするつもりだった。

 しかし、アレンを見て心が揺らいでしまった。
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