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第三話「剣を捧げる男は正義を愛する」
02-9.正義を愛する男は手段を選ばない
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「王子が自滅をするように誘導してやるよ。目的はそれだろ?」
「そこまで知っているのだね」
「あぁ、知ってる。お前たちよりも知ってるかもな?」
「公爵家と辺境伯爵家の情報量は違い過ぎるのは分かっているよ」
「それだけじゃねえよ。なあ、ダリア。誰かが恋人の存在を密告しない限りは陛下の耳に届くのは不可能だと思わねえか?」
そうでなければ知られるはずがない。
しかし、なぜ、密告をしたのか、わからない。
「わざわざ、それを知らせる理由がわからないね」
「どうして?」
「意味がないからだよ。元々辺境伯爵家の婿養子として将来が決まっていたんだ。それを台無しにする意味はないだろう?」
「わかってねえなぁ。それを台無しにする意味があるんだ」
「へえ、そう。それは聞かせてもらいたいね」
ジョージは知っているのだろうか。
そもそも、彼がその密告者である可能性がある。
「婚約を無効にする為だ」
頭に触れていた手が離れた。
簡単に私の腕を掴み、容赦なく引っ張られる。
「退屈そうな顔をさせる奴と結婚させるくらいなら、奪う方法を考えた」
強引に立たされる。
そのまま、左腕を背中に回される。
「初めて会った時からダリアのことを好きになった。毎日、見てた。お前が俺に気付けばいいと思ってた。それだけじゃあ、お前はなにも気付かなかったけどな」
聞いてはいけない。
でも、逃げられない。
「俺は、好きな女を幸せにする気がねえ奴なんかに譲ってやるほど良い奴じゃねえんだよ」
抱き締められる。
思わず、身体が震えてしまう。
「好きだ、ダリア。俺と結婚してくれよ」
「……っ! 離せっ!」
「離さねえよ。大人しく捕まるのが悪い」
「理解できない! さっさと離して!」
「理解しろ。受け入れろ。俺は本気で言ってるんだ。その返事が離せってのは酷いんじゃねえの?」
「そこまで知っているのだね」
「あぁ、知ってる。お前たちよりも知ってるかもな?」
「公爵家と辺境伯爵家の情報量は違い過ぎるのは分かっているよ」
「それだけじゃねえよ。なあ、ダリア。誰かが恋人の存在を密告しない限りは陛下の耳に届くのは不可能だと思わねえか?」
そうでなければ知られるはずがない。
しかし、なぜ、密告をしたのか、わからない。
「わざわざ、それを知らせる理由がわからないね」
「どうして?」
「意味がないからだよ。元々辺境伯爵家の婿養子として将来が決まっていたんだ。それを台無しにする意味はないだろう?」
「わかってねえなぁ。それを台無しにする意味があるんだ」
「へえ、そう。それは聞かせてもらいたいね」
ジョージは知っているのだろうか。
そもそも、彼がその密告者である可能性がある。
「婚約を無効にする為だ」
頭に触れていた手が離れた。
簡単に私の腕を掴み、容赦なく引っ張られる。
「退屈そうな顔をさせる奴と結婚させるくらいなら、奪う方法を考えた」
強引に立たされる。
そのまま、左腕を背中に回される。
「初めて会った時からダリアのことを好きになった。毎日、見てた。お前が俺に気付けばいいと思ってた。それだけじゃあ、お前はなにも気付かなかったけどな」
聞いてはいけない。
でも、逃げられない。
「俺は、好きな女を幸せにする気がねえ奴なんかに譲ってやるほど良い奴じゃねえんだよ」
抱き締められる。
思わず、身体が震えてしまう。
「好きだ、ダリア。俺と結婚してくれよ」
「……っ! 離せっ!」
「離さねえよ。大人しく捕まるのが悪い」
「理解できない! さっさと離して!」
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